高橋先生、北海道大学の工学部を考えてるんですけど、英語の配点ってどれくらいなんですか。工学部って数学と理科がメインで、英語はそんなに重視されないイメージがあるんですけど。
松田塾長そのイメージ、半分当たっていて半分間違っています(笑)。結論から言うと、北大工学部に直接出願する後期日程(学部別入試)では、配点合計765点のうち英語はたった100点、比率にして約13.1%です。しかも個別学力検査(いわゆる二次試験)には英語がまったく出ません。

高橋えっ、工学部も理学部と同じで二次試験に英語がないんですか!?
松田塾長後期日程の学部別入試だけで見ればそうです。ただ、工学部には実はもう一つ入り方があって、そちらを通る学生の方が圧倒的に多いんです。しかもそのルートでは英語の配点がまったく違います。今日は工学部特有の「入り方の仕組み」から、数字で丁寧に整理していきましょう。

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工学部の入り方は2つ ー 「総合入試(理系)」と「後期学部別入試」
高橋そもそもなんですけど、工学部ってどうやって受けるんですか。前期と後期、両方で学部別に出願できるんですよね?
松田塾長ここが北大工学部でいちばん誤解されやすいポイントです。工学部の学部別入試(応用理工系学科・情報エレクトロニクス学科・機械知能工学科・環境社会工学科)は、後期日程のみでしか募集していません。北海道大学の公式選抜要項にも「学部別入試の理学部、薬学部、工学部、農学部は『後期日程』のみで募集します」と明記されています。

高橋じゃあ前期日程では工学部を受けられないってことですか?
松田塾長学部別入試としては受けられません。ただし前期日程には「総合入試(理系)」という別の入り口があり、数学重点選抜群・物理重点選抜群・化学重点選抜群・生物重点選抜群・総合科学選抜群のいずれかに合格すると、1年次が終わったタイミングで工学部の各学科に移行できます。そして工学部の場合、実はこちらのルートで入学する学生の方が圧倒的多数なんです。

高橋どれくらい多いんですか?
松田塾長具体的な数字を見てみましょう。令和9(2027)年度選抜要項に記載された学科等の定員によると、応用理工系学科は定員160名のうち後期学部別入試の募集はわずか29名、総合入試からの移行が112名です。情報エレクトロニクス学科は定員230名のうち後期募集38名に対して総合入試からの移行が192名、機械知能工学科は定員120名のうち後期募集25名に対して移行90名、環境社会工学科は定員210名のうち後期募集47名に対して移行154名です。4学科合計で見ると、定員720名のうち後期学部別入試の募集は139名、総合入試からの移行は548名にのぼります。

高橋計算すると、7割以上が総合入試経由ってことですね。
松田塾長そのとおりです。工学部を目指す受験生の多くは、実は「工学部」という名前で前期日程に出願するのではなく、「総合入試(理系)」という理系全体の入り口から入って、1年後に工学部へ進むという道を通ります。この2つのルート、英語の配点がまったく違うので、どちらを軸に受験戦略を組むかで英語にかける勉強時間の配分も大きく変わってきます。次の章で、まず後期日程(学部別入試)の配点から具体的に見ていきましょう。

後期日程(学部別入試)の配点構成 ー 765点のうち英語は100点
高橋じゃあまず、後期日程で工学部に直接出願する場合の配点を教えてください。
松田塾長令和9(2027)年度入学者選抜要項によると、応用理工系学科・機械知能工学科・環境社会工学科は、共通テスト465点+個別学力検査等300点で配点合計765点です。内訳はこちらです。


| 教科 |
共通テスト |
個別学力検査等 |
合計 |
| 国語 |
100点 |
ー |
100点 |
| 地理歴史・公民 |
50点 |
ー |
50点 |
| 数学 |
100点 |
150点 |
250点 |
| 理科 |
100点 |
150点 |
250点 |
| 外国語(英語) |
100点 |
ー |
100点 |
| 情報 |
15点 |
ー |
15点 |
| 合計 |
465点 |
300点 |
765点 |
高橋本当に外国語の個別学力検査の欄が「ー」ですね。数学と理科だけで300点なんですか。
松田塾長はい。個別学力検査等は数学150点+理科150点(物理・化学・生物・地学から2科目選択)の合計300点で、どの学科も個別試験に英語は一切出ません。英語の得点はすべて共通テストの100点で確定してしまうということです。

高橋情報エレクトロニクス学科だけちょっと違うという話を聞いた気がするんですけど。
松田塾長よく気づきましたね。情報エレクトロニクス学科だけは共通テストの情報の配点が15点ではなく25点に換算され、配点合計は775点になります。ただし、英語が共通テストの100点だけで個別試験に出ないという構造そのものは、4学科すべてで共通しています。配点の合計が765点と775点の2パターンあることは覚えておいてください。

高橋共通テストの英語100点って、どうやって計算されてるんですか。
松田塾長大学入学共通テストの外国語(英語)はリーディング100点・リスニング100点の合計200点満点ですが、北大工学部はこれを0.5倍して100点に圧縮しています。理学部はこれを0.3倍して60点に圧縮しているので、同じ「個別試験に英語なし」の学部でも、共通テストの圧縮率が学部によって違う点は意外と見落とされがちです。これが英語の比率をイメージする上で大事なポイントなので、次の章でもう少し深く見ていきましょう。

英語配点・比率を受験戦略に変換する ー 前期ルートとの比較
高橋英語が100点しかないって聞くと、ちょっと英語の勉強の優先順位を下げてもいいのかなって思っちゃいます。
松田塾長そこが今日いちばん伝えたいポイントです。実は、前期日程の「総合入試(理系)」経由で工学部を目指す場合、英語の配点はまったく違います。数学重点選抜群・物理重点選抜群・化学重点選抜群・生物重点選抜群・総合科学選抜群のいずれも、共通テスト315点+個別学力検査等450点で配点合計765点。このうち外国語(英語)は共通テスト60点+個別学力検査150点(試験時間90分)で、合計210点です。


| ルート |
試験日程 |
英語の配点 |
配点合計に占める比率 |
| 前期日程(総合入試理系経由) |
2月下旬 |
共通テスト60点+個別150点=210点 |
765点中 約27.5% |
| 後期日程(学部別入試・工学部に直接出願) |
3月上旬 |
共通テスト100点のみ |
765点中 約13.1% |
高橋同じ工学部を目指すのに、ルートによって英語の比重が2倍以上違うってことですか。
松田塾長まさにそのとおりです。だから「北大工学部は英語の配点が低い」という情報だけを鵜呑みにするのは危険です。しかも先ほど確認したように、工学部入学者の7割以上が前期の総合入試(理系)経由なので、多くの受験生にとっては、むしろ英語210点の世界の方が現実的な対策対象になります。英語は個別学力検査でも問われる主要科目の1つで、数学・理科と並ぶくらいの比重です。

高橋じゃあ、自分がどっちのルートで工学部を目指すのかを先に決めないと、英語の勉強計画も立てられないってことですね。
松田塾長そのとおりです。多くの受験生は前期日程でまず北大を含む第一志望に挑戦し、後期日程を「滑り止め」や「もう一回のチャンス」として使う戦略を取ります。北大工学部の後期募集は4学科合計でも139名と少なく、後期で工学部に直接出願するつもりなら、前期の総合入試理系とは別の戦略として英語の時間配分を考える必要があります。では次に、実際の試験でどんな形式の問題が出るのか、英語と主要科目の出題形式を見ていきましょう。

大問構成・出題形式 ー 共通テスト英語と前期個別英語の時間割
高橋具体的に、どれくらいの時間の試験が行われるんですか。
松田塾長まず後期日程(工学部の個別学力検査)は、令和9(2027)年度入試では3月12日に実施される予定です。理科75分に続いて数学100分というスケジュールで、外国語(英語)の試験時間はまったく組まれていません。

高橋前期日程の総合入試(理系)の方はどうなんですか。
松田塾長こちらは数学120分、外国語90分、理科150分という3科目構成です。外国語は90分で150点分を解答する計算になるので、1問あたりにかけられる時間はかなりタイトです。北大の個別学力検査の英語は、大問1・2が長文読解、大問3が長文読解と自由英作文(70〜100語程度)、大問4が会話文問題という構成が続いており、内容一致・和訳・説明問題・空所補充などを組み合わせた記述式の出題が中心です。共通テストのマーク式とはまったく違う対応力が必要になります。

高橋共通テストの英語はリーディングとリスニングの2つですよね。
松田塾長そうです。リーディング100点・リスニング100点の計200点を、北大工学部は0.5倍して100点に圧縮して使います。リーディングとリスニングの配点比率は1対1なので、リーディングだけ得意でリスニングを疎かにしていると、思ったより伸びないということが起こります。特に工学部志望の受験生は数学・理科の演習に時間を取られがちで、リスニング対策を後回しにしやすいので、ここは意識して配分したいところです。では次に、共通テスト英語・個別英語でつまずきやすいポイントを具体的に見ていきましょう。

個別学力検査の英語対策は『どちらのルートか』で別物になる
後期日程(工学部に直接出願)では個別学力検査に英語がないため、共通テスト対策に集中すれば十分です。一方、前期日程(総合入試理系)を軸にするなら、90分150点の個別英語(長文読解・英作文中心)の対策が別途必要になります。志望ルートを決めずに英語の勉強法だけ先に決めてしまうと、後から対策の方向性がずれてしまうので注意してください。
頻出文法テーマ・つまずきポイント ー 構文把握と英作文で差がつく場所
高橋共通テストの英語って、文法問題みたいなのはあまり出ないイメージなんですけど、文法の勉強はしなくていいんですか。
松田塾長共通テスト英語は単独の文法問題こそ少ないですが、文法・語彙の理解度が読解スピードに直結します。特に理系の受験生がつまずきやすいのが、分詞構文や関係詞を使った複雑な修飾構造です。1文が長くなると、どこまでが主語でどこからが修飾なのかを瞬時に見抜けないと、時間内に読み切れなくなります。

高橋前期の個別英語を受ける人は、何に気をつければいいですか。
松田塾長北大の個別英語は長文読解に加えて和訳・説明問題・自由英作文まで、複数の形式が組み合わさって出題されます。単語や文法を個別には知っているのに、長文の中で使われると意味が取れなくなるというのが、工学部志望の受験生にとても多いパターンです。特に自由英作文は、知っている構文を正確に組み立てて70〜100語の英文に仕上げる力が必要なので、読解対策と並行して「書く」練習を積み重ねる必要があります。

高橋リスニングはどうですか。
松田塾長リスニングは配点がリーディングと同じ100点分あるのに、対策を後回しにする受験生がとても多いです。特に工学部志望は数学・理科の演習に時間を取られがちで、リスニングの練習量が絶対的に不足しがちです。毎日少しずつでも英語を聞く習慣を早い時期から作っておくことが、共通テスト本番での安定した得点につながります。では、実際に学科ごとの配点と倍率を具体的な数字で見ていきましょう。

学科ごとの配点・倍率を見る ー 後期日程で工学部を直接目指す場合
高橋さっき4つの学科があるって話がありましたけど、倍率とかも学科によって全然違うんですか。
松田塾長かなり違います。令和8(2026)年度の後期日程(工学部)の実績を見てみましょう。

| 学科 |
後期募集人員 |
志願者数 |
倍率 |
入学者数 |
配点合計 |
| 応用理工系学科 |
29名 |
251名 |
8.7倍 |
27名 |
765点 |
| 情報エレクトロニクス学科 |
38名 |
241名 |
6.3倍 |
38名 |
775点 |
| 機械知能工学科 |
25名 |
200名 |
8.0倍 |
24名 |
765点 |
| 環境社会工学科 |
47名 |
299名 |
6.4倍 |
47名 |
765点 |
| 工学部合計 |
139名 |
991名 |
7.1倍 |
136名 |
ー |
高橋応用理工系学科の8.7倍って高いですね……。募集29名に対して251名も受けてるんですか。
松田塾長そうなんです。後期日程は募集人員がもともと少ないうえに、工学部を後期で狙う受験生が全国から集中するので、学科によっては高い倍率になります。4学科とも6倍を超えていて、どの学科も決して楽な戦いではありません。後期日程は多くの受験生にとって「もう後がない一発勝負」になるので、この倍率の高さは事前に知っておくべき事実です。

高橋合格者の点数とかって分かるんですか。
松田塾長ベネッセ・マナビジョンが公表している令和7(2025)年度の実績(満点750点時点のデータ)によると、応用理工系学科の合格者最低点は540.5点(得点率約72.1%)、平均点は581.8点(約77.6%)でした。同様に情報エレクトロニクス学科は最低点581.5点(約77.5%)・平均点615.1点(約82.0%)、機械知能工学科は最低点564点(約75.2%)・平均点596.9点(約79.6%)、環境社会工学科は最低点543.5点(約72.5%)・平均点573.6点(約76.5%)です。この年度は配点合計が750点で、令和9年度選抜要項の765点(情報エレクトロニクス学科は775点)とは配点がわずかに異なりますが、得点率で見ればおおむね72〜78%が合格ラインの目安になります。では、この数字をもとに、自分の場合に置き換えるシミュレーションをしてみましょう。

配点・ボーダーシミュレーター ー 765点中、英語で何点取れば足りるか
高橋結局、英語で何点取れば合格ラインに乗るんですか。
松田塾長一緒にステップで考えてみましょう。機械知能工学科の令和7年度実績(得点率約75.2%)を基準に、現在の配点765点に当てはめて考えます。

steps
- 全体の目標ラインを決める ー 機械知能工学科の得点率は約75.2%でした。現在の配点765点に当てはめると、約575点が1つの目安になります。まずは「合計で75%前後」を目標として置きます。
- 個別学力検査(300点)の目標を決める ー 個別は数学+理科のみです。ここで75%(225点程度)を取れれば、共通テストでの余裕が生まれます。
- 共通テスト(465点)の目標を決める ー 残りを共通テストで埋める計算をします。国語・地歴公民・数学・理科・情報で合計約350点(約75%)を目安にすると、外国語(英語)は100点中75〜80点程度(75〜80%)が現実的な目標ラインになります。
- 英語100点の位置づけを確認する ー 英語で満点を取っても100点にしかならない一方、英語で大きく失点すると共通テスト全体の得点率を押し下げます。英語は「稼ぐ科目」ではなく「落とさない科目」として扱うのが、後期日程工学部の戦略として合理的です。
高橋じゃあ、英語に時間をかけすぎるより、数学と理科の個別学力検査に時間を使った方がいいってことですか。
松田塾長配点だけで見ればそうなりますが、注意点もあります。共通テストの英語で大きく失点すると、465点のうちの一部を丸ごと失うことになり、総合点全体への影響は決して小さくありません。「英語は最低限の時間で安定した得点を確保し、浮いた時間を数学・理科に回す」というのが、後期日程工学部のもっとも効率的な時間配分です。ただしこれはあくまで後期直接出願のケースで、前期の総合入試理系を軸にする場合はまったく違う配分になります。では、この考え方をもとに、実際の対策の順番を具体的に見ていきましょう。

対策・攻略法 ー 何を、どの順で、いつまでにやるか
高橋具体的に何から手をつければいいですか。
松田塾長後期日程で工学部を直接目指す場合と、前期日程の総合入試(理系)を軸にする場合とで、優先順位が変わります。

後期日程(工学部直接出願)を軸にする場合の優先順位
英語は共通テストのリーディング・リスニングの基礎固めを秋までに終わらせ、冬以降は演習量を安定させる程度に留めます。浮いた時間は、個別学力検査で問われる数学・理科の応用問題演習に回してください。個別学力検査が数学・理科の2科目に絞られている分、この2科目の完成度が合否をほぼ決める構造になっています。
前期日程(総合入試理系)を軸にする場合の優先順位
英語は共通テストの60点に加えて、個別学力検査150点(90分)の対策が必要です。長文読解のスピードと、自分の考えを正確に英語で書く力の両方を、数学・理科と同じ重みで鍛える必要があります。「工学部だから英語は軽視していい」という前提そのものが、入学者の多数派であるこのルートでは成り立ちません。
高橋両方のルートを併願するっていう選択肢もあるんですよね。
松田塾長可能です。むしろ多くの受験生が、前期は総合入試(理系)で工学部を含む学科移行を狙い、後期は工学部の学科に直接出願するという形で両方を使います。その場合、前期対策で個別英語(90分150点)の力をつけておけば、仮に前期で合格できなくても、その実力は共通テストの英語の安定感としても活きてきます。前期対策をしっかりやっておくことが、結果的に後期の共通テスト英語の保険にもなる、という考え方ができます。

松田塾長では次に、受験生がよく陥りやすい失敗パターンを見ていきましょう。

よくある失敗・注意点
高橋後期日程で工学部を目指す人が、よく陥る失敗ってどんなものがありますか。
松田塾長いちばん多いのは、「英語の配点が低いから」という理由で、共通テストの英語対策そのものを止めてしまうことです。100点という配点は小さく見えますが、共通テスト465点中の約21.5%を占めています。ここを大きく落とすと、個別学力検査で挽回するのが難しくなります。

高橋他にはありますか。
松田塾長もう1つは、工学部入学者の多数派が「総合入試(理系)」経由だという事実を知らないまま、「工学部は後期しか受けられないから、自分には縁がない」と早々に諦めてしまうパターンです。工学部を目指すなら、むしろ前期の総合入試(理系)から数学・物理・化学・生物いずれかの重点選抜群、または総合科学選抜群を検討するのが現実的な第一歩になります。前期と後期の対策を混同してしまうパターンも要注意で、前期用に個別英語の対策をしていたのに、後期の工学部直接出願に切り替えたことに気づかず、直前期まで個別英語の演習を続けてしまうケースがあります。

後期日程は『一発勝負』であることを忘れない
後期日程は多くの大学で募集人員が少なく、北大工学部も4学科合計で139名しか募集していません。前期で不合格だった場合、後期までの短い期間でモチベーションを立て直し、数学・理科の総仕上げをする必要があります。精神的にも厳しい期間になりやすいため、後期日程を軸にするなら、早い段階から「後期で何点取れば合格ラインに乗るか」を具体的にイメージしておくことが重要です。
自己診断(セルフチェック) ー あなたの場合はどうですか
高橋読んでいて、自分が今どのくらいの位置にいるのか気になってきました。
松田塾長ここまでの内容を踏まえて、自分に当てはまるものがないか確認してみてください。

北海道大学工学部を目指すあなたへのセルフチェック
自分が前期(総合入試理系)と後期(工学部直接出願)のどちらを軸にするか決められていますか。共通テストの英語(リーディング・リスニング)で、安定して8割以上を取れていますか。前期の総合入試(理系)で受ける個別英語(長文読解・自由英作文)に、数学・理科と同じくらいの時間を割けていますか。志望する学科(応用理工系・情報エレクトロニクス・機械知能工・環境社会工)によって倍率が大きく違うことを踏まえて、学科選びができていますか。
高橋正直、全部に自信を持って答えられるわけじゃないです……。
松田塾長それが自然な反応です。同じ「北大工学部を目指している」という受験生でも、英語の基礎が足りない人、数学・理科の応用力が足りない人、そもそも前期と後期のどちらを軸にすべきか決めきれていない人と、つまずいているポイントは人によって違います。原因が違えば、やるべき対策の順番も変わってきます。ここから先は、記事だけでは判断しきれない「あなた自身の現在地」の話になります。

基本情報まとめテーブル
高橋ここまでの情報を、まとめて確認できますか。
松田塾長令和9(2027)年度入試時点の情報としてまとめておきます。

| 項目 |
内容 |
| 大学名 |
北海道大学 |
| 学部 |
工学部(応用理工系学科・情報エレクトロニクス学科・機械知能工学科・環境社会工学科) |
| 学部別入試の実施日程 |
後期日程のみ(前期日程は総合入試(理系)経由) |
| 後期日程の配点合計 |
765点(情報エレクトロニクス学科は775点) |
| 後期日程の英語配点 |
共通テスト100点のみ(個別学力検査に英語なし) |
| 前期日程(総合入試理系)の英語配点 |
共通テスト60点+個別学力検査150点(90分)=210点 |
| 後期日程の2段階選抜 |
実施しない(出願資格を満たせば全員が個別学力検査を受験) |
| 令和9年度 共通テスト |
2027年1月16日(土)・17日(日) |
| 令和9年度 前期個別学力検査 |
2027年2月25日(木) |
| 令和9年度 後期個別学力検査 |
2027年3月12日(金) |
| 公式入試情報 |
北海道大学 入試情報 |
類似する大学・学部との比較
高橋他の大学の工学部や、北大の他学部と比べると、北大工学部ってどういう位置づけになるんですか。
松田塾長まず北大内で比較すると、
北海道大学理学部も学部別入試が後期日程のみで、個別試験に英語がないという構造が共通しています。ただし理学部は共通テストの英語を0.3倍(60点)に圧縮するのに対し、工学部は0.5倍(100点)で圧縮率が違います。他大学の工学部と比べると、
京都大学工学部は250点という大きな配点があり、
大阪大学工学部も250点、
名古屋大学工学部は400点のうち共通テストが100点に圧縮される仕組みです。それに対して北大工学部(後期日程)は100点・約13.1%と、
個別学力検査に英語がないぶん、比率としてはかなり低い部類に入ります。

高橋北大工学部だけ特別に低いんですね。
松田塾長後期日程のみという募集方法自体が珍しいので、単純な比率の比較だけでなく「どのルートで受けるか」をセットで考える必要があります。先ほど確認したとおり、工学部入学者の多くは前期の総合入試(理系)経由で、そちらは英語210点というまったく違う重みになります。他大学を併願する場合も、それぞれの大学で英語の重みが違うことを踏まえて、科目ごとの勉強時間を配分していくことが大切です。

よくある質問
高橋最後に、みんなが気になりそうな質問をまとめてもらえますか。
松田塾長いくつかピックアップしますね。

高橋北大工学部は前期日程では一切受けられないんですか。
松田塾長学部別入試としては受けられません。前期日程で工学部を目指す場合は、総合入試(理系)の数学重点選抜群・物理重点選抜群・化学重点選抜群・生物重点選抜群・総合科学選抜群のいずれかに出願し、1年次終了後に工学部の各学科へ移行する形になります。実際、工学部に入学する学生の7割以上がこのルートです。

高橋後期日程の個別学力検査で、英語の代わりに何か別の科目が課されたりするんですか。
松田塾長いいえ、英語の代わりという形ではなく、純粋に数学と理科の2科目のみです。英語は共通テストの得点がそのまま使われ、個別学力検査としての英語試験自体が実施されません。

高橋情報エレクトロニクス学科だけ配点が775点になるのはなぜですか。
松田塾長共通テストの情報が他の3学科より10点高い25点で換算されることが理由です。配点の基本的な構造(英語は共通テストのみ)は他の学科と同じです。

高橋工学部を目指す場合、前期と後期のどちらを優先すべきですか。
松田塾長一概には言えませんが、入学者の多数派が前期の総合入試(理系)経由であることを踏まえると、まずは前期を軸にして対策を組み、後期は「もう一つのチャンス」として学科別に直接出願する戦略を考える受験生が多いです。どちらを軸にするかによって英語の配点(210点か100点か)がまったく変わるので、早めに方針を決めることが重要です。

松田塾長ここまで、後期日程に工学部へ直接出願するルートでは英語が共通テスト100点・約13.1%で個別試験がないのに対し、前期の総合入試(理系)経由だと英語は共通テスト60点+個別150点の合計210点・約27.5%になる、2倍以上の差をお伝えしてきました。ただ、一番大事なのはここからです。工学部入学者の7割以上が総合入試(理系)経由だということを踏まえると、自分がどちらのルートを軸にするかで、必要な英語の勉強量も中身もまったく変わってきます。そこは一人ひとりの状況によって答えが違うところです。

高橋言われてみると、自分がどっちの配点で戦うことになるのか、まだちゃんと決めていないです……。
松田塾長工学部志望の受験生によくあるのが、前期の総合入試(理系)と後期の学部別入試、両方の対策を中途半端に進めてしまうパターンです。個別英語150点を見据えて長文や英作文を頑張っているのに共通テストのリスニングで毎回点を落としている人もいますし、共通テストのリーディングは得意なのに個別学力検査の記述練習をまったくしていない人もいます。英語210点のルートを軸にしたいのに、数学・理科の負荷に押されて英語の時間が削られている人も少なくありません。症状はどれも「英語が伸び悩んでいる」ですが、原因も対策の優先順位もまったく違います。これを曖昧にしたまま時間だけが過ぎてしまうのが、一番もったいないパターンです。

高橋原因を間違えたまま頑張ってしまう、ってことですね。
松田塾長逆に、前期と後期どちらを軸にするかが決まり、自分に必要な英語の配点が100点なのか210点なのかがはっきりすれば、数学・理科と英語の時間配分も迷わず決められるようになります。本当に必要な対策だけに時間を使える状態に近づくということです。英語進学塾リオンでは、現在の英語力と志望する学科・ルートを確認しながら、総合入試(理系)の英語210点を目指すべきか、学部別入試の英語100点だけを固めて後期に備えるべきかを一緒に整理しています。工学部合格までの英語学習ルートが気になる方は、一度確認してみてください。

Q. 北大工学部は前期日程では一切受けられないんですか。
学部別入試としては受けられません。前期日程で工学部を目指す場合は、総合入試(理系)の数学重点選抜群・物理重点選抜群・化学重点選抜群・生物重点選抜群・総合科学選抜群のいずれかに出願し、1年次終了後に工学部の各学科へ移行する形になります。実際、工学部に入学する学生の7割以上がこのルートです。
Q. 後期日程の個別学力検査で、英語の代わりに何か別の科目が課されたりするんですか。
いいえ、英語の代わりという形ではなく、純粋に数学と理科の2科目のみです。英語は共通テストの得点がそのまま使われ、個別学力検査としての英語試験自体が実施されません。
Q. 情報エレクトロニクス学科だけ配点が775点になるのはなぜですか。
共通テストの情報が他の3学科より10点高い25点で換算されることが理由です。配点の基本的な構造(英語は共通テストのみ)は他の学科と同じです。
Q. 工学部を目指す場合、前期と後期のどちらを優先すべきですか。
一概には言えませんが、入学者の多数派が前期の総合入試(理系)経由であることを踏まえると、まずは前期を軸にして対策を組み、後期は「もう一つのチャンス」として学科別に直接出願する戦略を考える受験生が多いです。どちらを軸にするかによって英語の配点(210点か100点か)がまったく変わるので、早めに方針を決めることが重要です。