高橋 先生、東北大学の経済学部を目指しているんですけど、僕、理系なんです。経済学部って文系の学部ですよね? 理系でも受けられるんですか?
松田塾長 いい質問ですね! 東北大学経済学部には、理系の受験生のための「理系入試」という独立した入試区分があります。日本の経済学部の中で、数学・理科を中心にした完全理系型の入試科目を用意しているのは、東北大学だけなんですよ。
高橋 えっ、そうなんですか! じゃあ、英語の配点はどうなるんですか? 経済学部なのに理系の科目で受けるって、ちょっと想像がつきません。
松田塾長 結論から言うと、前期日程の英語は共通テスト200点+個別学力試験600点で、合計800点 です。総点2,900点に対して27.6%、だいたい3割弱を占めています。しかも、この800点のうち600点を占める個別学力試験の英語は、文学部や法学部など他の前期日程の受験生と同じ問題なんです。
高橋 理系入試なのに、英語の問題は文系の人と同じなんですか!?
松田塾長 そうなんです。そこが東北大学経済学部(理系)の面白いところで、同時に対策の落とし穴にもなりやすいところです。さらに言うと、後期日程になると話が変わって、英語の個別試験そのものがなくなります。このあたりの仕組みを、今日は公式資料の数字で丁寧に見ていきましょう。
高橋 後期で英語がなくなる!? 気になります。全部教えてください!
松田塾長 任せてください。令和8年度(2026年度)の入学者選抜要項と、大学が公表した出題意図を使って、配点、日程、大問構成、そして「自分は英語でどこを削られやすいか」まで、順番に見ていきます。数字には必ず年度を添えるので、2026年度の実績と2027年度の予定を混同しないようにしましょう。
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東北大学経済学部(理系)の全体像 まずは倍率・募集人員・配点を押さえる
高橋 まず、経済学部(理系)って、どれくらいの人が受けているんですか?
松田塾長 東北大学が公表した令和8年度(2026年度)の出願状況を見てみましょう。経済学部(理系)の募集人員は前期日程10名、後期日程10名の合計20名 です。これに対して、前期の出願者は36名(志願倍率3.6倍)、後期の出願者は78名(志願倍率7.8倍)でした。
日程
募集人員
出願者数(令和8年度)
志願倍率
出願者数(令和7年度)
前期日程
10名
36名
3.6倍
54名
後期日程
10名
78名
7.8倍
98名
高橋 後期の方が倍率高いんですね! 意外でした。
松田塾長 前期と後期を合わせた最終的な結果も公表されています。募集20名に対して志願者は合計114名で倍率5.7倍、実際に第2次選考を受けたのは55名、合格者は26名、入学者は22名でした。参考までに、同じ経済学部の文系入試は募集172名に対して志願808名(倍率4.7倍)、入学者173名です。理系入試は募集人員自体が小さいので、倍率の数字だけで単純に「文系より難しい」と比べるのは早計ですが、狭き門であることは間違いありません 。
高橋 じゃあ、第1段階選抜っていう足切りみたいな仕組みもあるんですか?
松田塾長 あります。共通テストの点数で志願者を絞り込む仕組みで、経済学部(理系)は前期が約4.0倍、後期が約10.0倍 という予告倍率です。前期は募集10名の4.0倍なので目安は40名前後、令和8年度の出願者36名はこれを下回っていたので、ほぼ全員が第1段階選抜を通過しています。
高橋 総点は2,900点なんですね。文系の経済学部と同じ総点なんですか?
松田塾長 はい、経済学部は文系・理系どちらも総点2,900点で揃えてあります。ただし中身の配分がまったく違っていて、理系入試は数学・理科・外国語(英語)がそれぞれ600点ずつという、きれいな3本柱の配点になっています。国語の個別試験はありません。
高橋 なるほど、総点は同じでも中身が別物なんですね。じゃあ、本題の英語の配点を詳しく教えてください。
松田塾長 ここからが本題です。英語がどう効いてくるのか、数字で見ていきましょう。
英語配点の詳細 共通テスト200点+個別600点=800点の中身
高橋 英語の配点、もう少し細かく知りたいです。
松田塾長 前期日程の配点表をそのまま見てみましょう。共通テストは国語300点、地理歴史・公民150点、数学200点、理科200点、外国語200点、情報50点で合計1,100点。個別学力試験は数学600点、理科600点、外国語600点で合計1,800点です。
区分
国語
地歴・公民
数学
理科
外国語(英語)
情報
計
共通テスト
300点
150点
200点
200点
200点
50点
1,100点
個別学力試験
なし
なし
600点
600点
600点
なし
1,800点
高橋 共通テストの国語が300点もあるのに、個別試験には国語がないんですね。
松田塾長 そうなんです。経済学部(理系)は個別学力試験こそ数学・理科・外国語の3本柱ですが、共通テストの段階では国語にもしっかり配点があります。英語だけを見ると、共通テスト200点+個別学力試験600点で合計800点 。総点2,900点に対して27.6%、だいたい3割弱です。
高橋 800点かあ。数学や理科と比べるとどうなんですか?
松田塾長 個別学力試験の中だけで見れば、数学600点・理科600点・外国語600点と横並び です。英語だけ特別重いわけでも、特別軽いわけでもありません。裏を返すと、英語をおろそかにすると、数学や理科でどれだけ稼いでも埋め合わせが利きにくい配点ということです。
高橋 共通テストの英語200点って、どうやって計算されるんですか?
松田塾長 共通テストの『英語』は、リーディング100点満点とリスニング100点満点の成績を、大学側の配点に合わせて換算します。東北大学の要項では、リーディング150点満点・リスニング50点満点の計200点満点に換算した点数を素点として使うと明記されています。経済学部(理系)の共通テスト外国語配点200点は、この換算後の200点がそのまま使われる形です。
高橋 じゃあリスニングも無視できないんですね。
松田塾長 その通りです。配点比率で言うとリーディング75%・リスニング25%なので、リーディングの比重は大きいですが、リスニングを捨てていい設計にはなっていません。ここまでが前期日程の話です。実は、後期日程になると英語の扱いがガラッと変わります。
前期と後期で変わる英語の扱い 後期に英語の個別試験がない理由
高橋 さっき言っていた「後期は英語がなくなる」って話、詳しく聞きたいです!
松田塾長 後期日程の配点を見てみましょう。共通テストは国語100点、地理歴史・公民または情報のうち高得点の方を50点、理科150点、外国語150点で合計450点。個別学力試験は数学350点と面接試験100点の合計450点 で、外国語(英語)の個別試験はありません。
区分
国語
地歴公民/情報(高得点方)
理科
外国語(英語)
面接試験
計
共通テスト
100点
50点
150点
150点
なし
450点
個別学力試験
なし
なし
なし
なし
100点
350点+面接100点=450点
高橋 本当に英語の個別試験が消えてますね! じゃあ後期の英語は共通テストの150点だけってことですか?
松田塾長 その通りです。後期の英語の合計は共通テストの150点のみ。総点900点に対して16.7%で、前期の27.6%と比べるとかなり軽くなります。代わりに個別学力試験は数学(数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C全6科目/150分)と面接試験 という構成です。
高橋 なんでこんなに違うんですか?
松田塾長 大学が公表している入学者選抜方針には、後期理系入試は「経済・社会問題に対して特に強い関心を持ち、数理的手法を積極的に活用して、その解決に向けて意欲的に行動しようとする人を求める」とあります。共通テストで理科・外国語を含む基礎学力を確認したうえで、個別学力試験では理系学部と共通の数学で数理的学力を確認し、出願書類や面接で経済・社会問題への関心と意欲を見る、という設計です。英語の記述力そのものより、数学力と意欲を重視する試験だと考えるとわかりやすいと思います。
高橋 じゃあ、後期を受けるつもりなら英語の勉強はしなくていいんですか?
松田塾長 いえ、それは早合点です。共通テストの外国語150点は合否に関わりますし、何より後期だけを当てにして出願するのは現実的ではありません。第1段階選抜の予告倍率は後期が約10.0倍と前期の約4.0倍よりずっと高く、令和8年度も出願78名に対して募集10名という厳しい競争でした。基本は前期対応で英語を仕上げたうえで、後期はあくまで保険として考えるのが現実的です。
高橋 なるほど、前期がメインなんですね。じゃあ、その前期の英語って具体的にどんな問題が出るんですか?
松田塾長 そこを見ていきましょう。実は、文学部や法学部などの前期受験生と同じ問題なんです。
大問構成・出題形式 前期の英語は文系学部と共通問題
高橋 「理系入試なのに文系学部と同じ英語の問題」って、どういうことですか?
松田塾長 東北大学が公表している令和8年度(2026年度入試)の出題意図を見ると、前期日程の英語の出題意図は1つのPDFにまとまっていて、学部ごとに別の問題という記載はありません。個別学力試験実施教科・科目の表でも、経済学部(理系)の外国語は「英語◎・1科目・100分」で、文学部や理学部と同じ時間割に組み込まれています。つまり、経済学部(理系)を受けるからといって、英語だけ理系向けの特別な問題を解くわけではないということです。
高橋 じゃあ、どんな大問構成なんですか?
松田塾長 令和8年度前期は100分で大問4題でした。大問Ⅰ・Ⅱが長文読解、大問Ⅲが会話文+自由英作文、大問Ⅳが和文英訳を中心にした英作文です。
大問
題材
主な設問
記述・英作文の要素
Ⅰ
世界的に進む高等教育への進学率の高まり
文法理解、空所補充、下線部和訳、内容説明、語句整序
下線部和訳1問、日本語での説明2問
Ⅱ
物事の見方が生き方に影響するという心のありよう
内容説明、語句整序、内容把握、語彙
日本語での説明2問
Ⅲ
「本の未来」をめぐる教授と学生の会話
語彙・会話の流れの理解、自分の意見を述べる自由英作文
自由英作文1問
Ⅳ
社会調査に関する日本語の文章
和文英訳(語彙・文法・構文の知識)
和文英訳3問
高橋 長文2つに、会話文、それに英作文もあるんですね。結構盛りだくさんです。
松田塾長 大学からの「志願者へのメッセージ」にも、「本学の英語長文問題は、分量が比較的長めであるため、問題文全体の内容と論理構造を、比較的短い時間内で正確に把握する必要がある」 と明記されています。しかも「近年では、下線部を和訳する問題よりも、下線部の内容に関連した説明の問題や、文章の流れに関する理解を求める問題が多くなっている」ともあります。単語を日本語に置き換えるだけでは足りず、文章全体を自分の言葉でまとめ直す力が必要ということです。
高橋 和訳だけじゃなくて、説明問題が増えているんですね。じゃあ、どこでみんな点を落としやすいんですか?
松田塾長 そこは大学の講評がかなり具体的に教えてくれています。次のセクションで見ていきましょう。
頻出の出題パターン・つまずきポイント 大学の講評から見える落とし穴
高橋 大学が「ここで間違えた人が多かった」みたいなことまで公表してるんですか?
松田塾長 そうなんです。令和8年度の出題意図には大問ごとの講評が載っていて、受験生がどこで失点したかがかなり具体的にわかります。大問ごとの記述をもとにすると、落としやすいポイントは次の5つです。
大学の講評から見える、落としやすいところ(令和8年度前期)
– 文脈に合わない誤訳 ― 単語自体は知っていても、文脈の中での意味を取り違える答案が目立ったとされています。
– 説明問題での要点落とし ― 下線部が含まれるパラグラフの主題を把握せずに答えを作った、片方の事例しか書いていない、といった答案が多数あったとされています。
– 語句整序の後置修飾見落とし ― 目的語が長い文で、修飾関係のつながりに気づけるかが正答のカギになる問題があり、正答率が低かったとされています。
– 自由英作文の基本ミス ― 全体的によく書けていたものの、文字が判別しにくい答案、スペルミス、基本的な文法ミスが少なくなかったとされています。
– 和文英訳の語彙面の誤り ― 構文や文法のミスに加えて、誤訳やスペルミスなど語彙面での誤りが目立ったとされています。
高橋 「文字が判別しにくい」まで見られてるんですか!? ちょっと怖いです(笑)。
松田塾長 志願者へのメッセージには、hとn、rとv、wとm、fとt、nとsが区別しづらい答案があって、採点で困ったという記述もあります。上手い下手ではなく、採点者が読める字で書くというのも、記述式入試の実力のうちなんですよ。
高橋 内容だけじゃなくて、字の丁寧さまで対策に入れないといけないんですね。
松田塾長 ええ。あわせて、設問の指示をしっかり読むことも大事です。「日本語で書け」と指示された欄に英語で書いてしまった答案や、選択肢がABCDなのにアイウエで答えてしまった答案があったとも書かれています。正しい内容を書いていても、指示を守れていなければ得点になりません。基礎力と同じくらい、試験本番での読み間違いを防ぐ練習も必要です。
高橋 具体的につまずきやすいところは分かりました。じゃあ、それぞれの大問、実際どう解けばいいんですか?
松田塾長 大問ごとに、考え方のプロセスを見ていきましょう。
大問別詳細解説 なぜその答えになるのか、思考のプロセス
高橋 まず大問Ⅰの長文読解、どう読めばいいんですか?
松田塾長 大問Ⅰは高等教育への進学率というテーマの長文でした。出題意図には、文法の理解度、文章の流れを論理的に理解する能力、書かれている情報を正確かつ的確に把握する能力を問うとあります。下線部和訳の問題では、on one side と on the other の対比構造や、分詞構文の主語が省略されている構成を理解したうえで、文意を正確な日本語にする力が求められました。講評では、いくつかの単語で文脈に合わない誤訳が目立ち、構文を理解できていない答案も少なくなかったとされています。単語の意味を丸暗記するだけでなく、対比や分詞構文などの構文パターンを型として身につける ことが対策の軸になります。
高橋 大問Ⅱはどうですか?
松田塾長 大問Ⅱは、物事の見方が生き方に影響するという人間の心をテーマにした文章でした。出題意図は、局所的な英文理解ではなく、全体的な話の流れを通して筆者が伝えたい内容を過不足なく理解できているかを問う、というものです。講評では、本文中の英単語を拾い読みして内容を推測しただけの、本文の内容を正しくとらえていない答案が見られたとされています。下線部の前後だけを読んで答えを作るのではなく、段落全体・文章全体の主張とのつながりを意識する 読み方が必要です。
高橋 大問Ⅲの会話文+自由英作文はどうですか?
松田塾長 大問Ⅲは「本の未来」というテーマで、講義後の教授と学生の会話が題材でした。紙の本に加えてインターネットやスマートフォンで読書する若者の習慣について、自分の考えとその根拠を述べることが求められています。講評では、全体的によく書けていたものの、文字が判別しにくい答案やスペルミス、基本的な文法ミスがあった答案が少なくなかったとされています。内容そのものより、シンプルで文法的に正確な英文を、丁寧な字で書く 方が得点につながりやすいということです。
高橋 大問Ⅳの和文英訳はどうですか?
松田塾長 大問Ⅳは社会調査に関する文章を題材にした和文英訳でした。出題意図は、英文を書く際に必要となる語彙・文法・構文の知識や、英語の表現力を問うというものです。講評では、構文や文法のミスに加えて、誤訳やスペルミスなど語彙面の誤りが目立ったとされています。関係代名詞や譲歩の表現など、和文英訳でよく使う構文の型をいくつか持っておき、日本語を直訳するのではなく、自分が正確に書ける構文に置き換えて表現する 練習が効果的です。
高橋 なるほど、大問ごとに求められている力が結構違うんですね。全体を通して、どこを優先して鍛えればいいんですか?
松田塾長 その優先順位の話をする前に、英語で何割取れれば合格ラインに近づくのか、配点の構造から考えてみましょう。
配点・ボーダーシミュレーター 英語でどれくらい取れば合格ラインに乗るか
高橋 合格最低点って公表されてるんですか? 何点取れば受かるのか知りたいです。
松田塾長 正直にお伝えすると、2026年10月時点で確認できた公式資料の中に、東北大学経済学部(理系)の合格最低点そのものを公表している資料は見当たりませんでした。ここで架空の点数を「合格ライン」として出すのは誠実ではないので、代わりに配点の構造から、英語をどう位置づけるべきか を一緒に整理しましょう。
steps
総点2,900点のうち、英語は800点(27.6%) — 数学600点、理科600点とほぼ同じ重さです。3科目のどれか1つを大きく落とすと、残り2科目で埋め合わせるのが難しい配点になっています。
個別学力試験1,800点の中では、英語は3分の1 — 数学・理科・英語が600点ずつ均等なので、「英語は理系だから少なめでいいだろう」という発想は配点上成り立ちません。
共通テストの英語200点も軽視できない — 共通テストの外国語配点は200点で、国語300点に次ぐ大きさです。個別学力試験の英語600点と合わせて、英語だけで800点を占めることを忘れないでください。
後期は英語の個別試験がなく、総点900点のうち英語は150点(16.7%) — 後期を視野に入れるなら、数学と面接の比重が一気に高まります。前期用の英語対策をそのまま後期の得点源にはできません。
高橋 じゃあ、具体的にどれくらいを目指せばいいんですか?
松田塾長 公式な合格ラインがない以上、断定はできませんが、数学・理科と並ぶ600点科目として、英語でも大きく出遅れない水準を目指す のが基本的な考え方です。たとえば個別学力試験の英語600点のうち、大問Ⅰ・Ⅱの読解と大問Ⅳの和文英訳は配点が積み上がりやすい分野なので、ここで取りこぼしを減らし、大問Ⅲの自由英作文は「シンプルで文法的に間違いのない英文」で確実に部分点を積み上げる、という方針が現実的です。数学・理科が得意な受験生ほど、英語を「ついで」にしてしまいがちですが、配点上はそれが一番危ない考え方だと覚えておいてください。
高橋 英語を軽視すると痛い目を見る配点なんですね。じゃあ、実際どう対策していけばいいですか?
松田塾長 ここからは、何を・どの順番で・いつまでにやるか、具体的に話していきます。
対策・攻略法 何を・どの順で・いつまでにやるか
高橋 対策、教えてください!
松田塾長 大きく3つの時期に分けて考えましょう。
東北大学経済学部(理系) 英語対策の時期別優先順位
– 〜夏(基礎固め期) ― 単語・文法・構文の抜けをなくす時期です。大問Ⅰ・Ⅱの長文は「分量が比較的長め」と大学自身が明言しているので、1文1文を正確に読む精読力と、まとまった分量を素早く読む速読力の両方が必要です。精読を飛ばして速読だけ鍛えると、構文理解が甘いまま誤訳を量産する原因になります。
– 秋(記述力強化期) ― 和訳・説明問題・和文英訳のアウトプット練習に重点を移す時期です。特に「下線部に関連した説明問題」は、単に訳すのではなく、該当パラグラフ全体の主旨を日本語でまとめ直す練習が必要です。自由英作文は、複雑な構文を狙うより、文法的に間違いのないシンプルな英文を書く練習を繰り返しましょう。
– 直前期(過去問演習期) ― 100分で大問4題を解き切る時間配分の練習をする時期です。長文2題・会話文+自由英作文・和文英訳という配分を踏まえ、英作文に十分な時間を残せるよう、読解にかける時間の上限を決めておくと安定します。
高橋 理系の受験生だと、数学や理科に時間を取られて、英語が後回しになりがちじゃないですか?
松田塾長 まさにそこが一番の注意点です。配点シミュレーターで見た通り、個別学力試験の中では英語も数学・理科と同じ600点です。数学・理科の演習に時間を使いすぎて、英語の記述練習が直前期に足りなくなる、というのが理系受験生にありがちな失敗パターンです。週単位で英語の記述練習の時間を固定で確保しておくことをおすすめします。
高橋 優先順位は分かりました。でも、実際どこでつまずく受験生が多いんですか? 自分も不安になってきました。
松田塾長 よくある失敗パターンを見ておきましょう。
よくある失敗・注意点 理系受験生が陥りやすい誤解
高橋 具体的にどんな失敗が多いんですか?
松田塾長 経済学部(理系)ならではの誤解がいくつかあります。
経済学部(理系)受験生が陥りやすい誤解
– 「理系だから英語の問題も理系向けだろう」という誤解 ― 実際は文系学部と共通の問題です。社会問題や心理、読書習慣といった人文的なテーマの長文も出るので、理系的な語彙対策だけに偏ると読みにくく感じることがあります。
– 「後期も受けるから英語は軽めでいい」という誤解 ― 後期に英語の個別試験はありませんが、第1段階選抜の予告倍率は後期の方が高く(約10.0倍)、後期頼みの出願計画はリスクが大きいです。
– 「数学・理科が得意なら英語は多少低くても大丈夫」という誤解 ― 個別学力試験の配点は3科目とも600点均等なので、英語だけ大きく落とすと他の2科目で埋め合わせるのが難しくなります。
– 「和訳さえできれば大丈夫」という誤解 ― 大学自身が「近年は説明問題や文章の流れの理解を求める問題が多くなっている」と明言しており、単語を日本語に置き換えるだけの対策では点が伸びにくくなっています。
高橋 どれも「あるある」な気がします……。自分も、理系だから英語は数学・理科より軽いだろうって、なんとなく思ってました。
松田塾長 多くの理系受験生が同じように考えがちです。でも、配点を見れば英語も立派な600点科目です。むしろ、数学・理科に比べて対策の優先順位を下げられがちな分、差がつきやすい科目とも言えます。
高橋 じゃあ、自分がどのタイプの失敗をしやすいか、確認する方法ってありますか?
松田塾長 ちょうど次に、自己診断のチェックリストを用意しています。自分に当てはまるものがないか、確認してみましょう。
自己診断(セルフチェック) あなたの場合はどこでつまずいていますか?
高橋 自分でチェックできるんですね、やってみます!
松田塾長 次の項目のうち、当てはまるものをチェックしてみてください。
東北大学経済学部(理系) 英語セルフチェック
– 単語・熟語は知っているのに、長文になると文の意味が正確に取れないことが多い
– 下線部和訳で、文法的には読めているつもりなのに、採点されると減点が多い
– 本文の内容を「日本語で説明しなさい」と言われると、何を書けばいいか迷う
– 自由英作文で、複雑な構文に挑戦してミスを重ねてしまうことがある
– 和文英訳で、関係代名詞や譲歩の構文をどう使えばいいか、とっさに出てこない
– 100分という試験時間の中で、最後の大問まで時間が足りなくなる
– 数学・理科の勉強時間に比べて、英語の記述練習の時間が明らかに少ない
高橋 ……3個くらい当てはまりました。これ、どう受け止めればいいですか?
松田塾長 チェックが多いほど危ない、という単純な話ではありません。大事なのは、チェックが入った項目の「原因」が人によって違う ということです。同じ「長文で点が伸びない」でも、単語力が足りない人、構文の型が入っていない人、内容は読めているのに日本語でまとめる練習が不足している人では、やるべき対策がまったく違います。
高橋 確かに、自分がどのタイプなのか、自分ではよく分からないです……。
松田塾長 そうなんですよ。そこが独学の一番難しいところです。原因を取り違えたまま勉強量だけ増やしても、思ったほど点が伸びないことがあります。
高橋 ここまでで、配点や出題形式はよく分かりました。最後に、基本情報を一覧で見せてもらえますか?
松田塾長 まとめておきましょう。
東北大学経済学部(理系) 基本情報まとめ
項目
内容
大学名・学部
東北大学 経済学部(理系入試)
入学定員
260名(経済学科・経営学科、文系・理系合算)
募集人員(令和8年度)
前期日程10名、後期日程10名
総点(前期)
2,900点(共通テスト1,100点+個別学力試験1,800点)
英語配点(前期)
800点(共通テスト200点+個別学力試験600点)、総点の27.6%
総点(後期)
900点(共通テスト450点+個別学力試験450点)
英語配点(後期)
150点(共通テストのみ、個別学力試験に英語なし)
個別学力試験科目(前期)
数学(6科目/150分)、理科(2科目選択/150分)、外国語・英語(100分)
個別学力試験科目(後期)
数学(6科目/150分)、面接試験
前期試験日程
2026年2月25日(外国語10時00分〜11時40分、理科13時30分〜16時00分)、26日(数学10時00分〜12時30分)
後期試験日程
2026年3月12日(数学10時00分〜12時30分、面接14時00分〜)
試験場
東北大学川内北キャンパス
出願期間(令和8年度)
2026年1月26日〜2月4日正午(郵送必着)
公式サイト
東北大学アドミッション機構 一般選抜
高橋 こうして見ると、前期と後期で本当に別の試験みたいですね。
松田塾長 その通りです。次は、他の大学の経済学部や、東北大学の他学部と比べてみましょう。
類似する大学・学部との比較
高橋 他の大学の経済学部とも比べてみたいです。
松田塾長 理系の受験生向けの経済学部入試という意味では、
京都大学経済学部(理系) も参考になります。京都大学の経済学部は文系・理系を明確に分けた選抜方式を取っていて、英語の配点構造を比べると、大学ごとの考え方の違いがよく分かります。
高橋 他にはありますか?
松田塾長 同じ東北大学の中では、
東北大学文学部 の記事も参考になります。経済学部(理系)の前期の英語は、まさにこの文学部の記事で扱っている問題と同じものです。大問構成や出題意図のより詳しい解説は、そちらも合わせて読んでみてください。
高橋 旧帝大つながりで、他の大学の経済学部もありますか?
松田塾長 名古屋大学経済学部 や
北海道大学経済学部 も、国公立大学の経済学部として配点の考え方を比較する材料になります。理系区分を独立させているのは東北大学の特徴なので、「理系入試」という制度そのものの違いも意識しながら読み比べてみてください。
高橋 ここまでで、だいぶ全体像がつかめました。最後に、よくある質問を教えてください。
松田塾長 では、受験生からよく聞かれる質問をまとめておきましょう。
よくある質問
高橋 東北大学経済学部(理系)の英語の配点はどれくらいですか?
松田塾長 前期日程は共通テスト200点+個別学力試験600点の合計800点で、総点2,900点の27.6%です。後期日程は共通テストの150点のみで、個別学力試験に英語はありません。
高橋 経済学部(理系)の後期日程に英語の試験はないんですか?
松田塾長 個別学力試験としての英語(記述・英作文)はありません。後期の個別学力試験は数学(6科目・150分)と面接試験のみです。ただし共通テストの外国語(英語)150点は合否判定に使われます。
高橋 経済学部(理系)の英語の問題は、文系学部と同じですか?
松田塾長 はい。前期日程の英語の個別学力試験は、文学部・教育学部・法学部など他の前期日程の受験生と共通の問題です。理系入試だからといって、英語だけ理系向けの特別な問題になるわけではありません。
高橋 経済学部(理系)と経済学部(文系)は、どちらが受かりやすいですか?
松田塾長 倍率だけで単純比較はできません。令和8年度は理系が5.7倍(募集20名に志願114名)、文系が4.7倍(募集172名に志願808名)でした。募集人員の規模がまったく違うので、倍率の数字だけで難易度を語るのは注意が必要です。
高橋 経済学部(理系)の合格最低点は公表されていますか?
松田塾長 2026年10月時点で確認できた公式資料の中には、経済学部(理系)の合格最低点を公表しているものは見当たりませんでした。成績開示請求で自分の得点を確認する方法はありますが、合格ラインそのものは非公表という前提で対策を考える必要があります。
松田塾長 ここまで、東北大学経済学部(理系)の配点、前期と後期での英語の扱いの違い、大問構成、よくあるつまずきを一通りお伝えしてきました。英語が数学・理科と並ぶ600点科目だということ、前期は文系学部と共通の問題だということ、後期は数学と面接が中心になること。この3つを押さえておけば、対策の優先順位を大きく間違えることはないはずです。
高橋 ただ、実際どこから手をつければいいのかは、まだちょっと迷います。
松田塾長 そうですよね。ここから先は、実は一人ひとり違う話になります。同じ「長文で点が伸びない」という受験生でも、単語力が足りない人、構文の型が入っていない人、内容は読めているのに日本語で説明する練習が不足している人、時間配分で最後の大問にたどり着けていない人と、原因はさまざまです。原因が違えば、やるべき対策も変わってきます。
高橋 自分がどのタイプなのか、自分では判断が難しそうです……。
松田塾長 受験で一番もったいないのは、勉強していないことより、原因を取り違えたまま数カ月を過ごしてしまうことです。数学・理科に比べて英語の対策が後回しになりがちな理系受験生だからこそ、早い段階で「今どこで点を落としているのか」をはっきりさせておく方が、結果的に近道になります。英語進学塾リオンでは、現在の英語力と志望校を確認しながら、何を・どの順番で改善すべきかを一緒に整理しています。気になる方は、一度確認してみるといいですよ。
参考リンク
Q. 東北大学経済学部(理系)の英語の配点はどれくらいですか?
前期日程は共通テスト200点+個別学力試験600点の合計800点で、総点2,900点の27.6%です。後期日程は共通テストの150点のみで、個別学力試験に英語はありません。
Q. 経済学部(理系)の後期日程に英語の試験はないんですか?
個別学力試験としての英語(記述・英作文)はありません。後期の個別学力試験は数学(6科目・150分)と面接試験のみです。ただし共通テストの外国語(英語)150点は合否判定に使われます。
Q. 経済学部(理系)の英語の問題は、文系学部と同じですか?
はい。前期日程の英語の個別学力試験は、文学部・教育学部・法学部など他の前期日程の受験生と共通の問題です。理系入試だからといって、英語だけ理系向けの特別な問題になるわけではありません。
Q. 経済学部(理系)と経済学部(文系)は、どちらが受かりやすいですか?
倍率だけで単純比較はできません。令和8年度は理系が5.7倍(募集20名に志願114名)、文系が4.7倍(募集172名に志願808名)でした。募集人員の規模がまったく違うので、倍率の数字だけで難易度を語るのは注意が必要です。
Q. 経済学部(理系)の合格最低点は公表されていますか?
2026年10月時点で確認できた公式資料の中には、経済学部(理系)の合格最低点を公表しているものは見当たりませんでした。成績開示請求で自分の得点を確認する方法はありますが、合格ラインそのものは非公表という前提で対策を考える必要があります。