「仮定法」とは、事実と全く異なっていることを説明する場合に使われる文法です。
Ifから始まる文章全てが仮定法というわけではありません。
いまいち掴み所がなく、苦手な人も多いかと思いますが、ポイントを押さえてしまえば驚くほど簡単に理解できてしまうのです。
今回は、仮定法を読み解くための2つのポイントについて伝授します。 https://www.youtube.com/embed/QgKNXsshF1M
5秒問題に挑戦!
松田塾長:
よし、今日も5秒問題からいってみようか。
考えてると、すぐ時間なくなるからな。
それじゃあ、始め。
[問題①] 出題:関西学院大学
( )に適語を入れなさい。
“If I lost my key, I( )able to lock the door.”
①will not be
②will not have been
③wouldn’t be
④am not
5・・4・・3・・2・・1・・。
OK!そこまで。
よし、それじゃあ答えてもらおう。答えは何番だ?
生徒:
はい。答えは④の“am not”だと思いました。
松田塾長:
なんでそう思ったんだ?
生徒:
able toの前に来るから、be able to〜になるかなって思ったんです。
松田塾長:
なるほど。不正解だ。
文章の意味をちゃんと捉えないとダメだぞ。
今日のテーマは[仮定法]だ。
[仮定法]をどんな時に使うのか、そしてどういう意味を持つのか、それをちゃんと覚えて帰ってもらうぞ!
生徒:
はい!頑張ります!
重要ポイントと例文
松田塾長:
いいか、まず仮定法っていうのはどんな時に使うと思う?
生徒:
うーん…。仮定だから、もし〜だったならっていう表現をしたい時に、ですかね?ifって使ってるし。
松田塾長:
実は、ifがあるから仮定法ってわけじゃないんだ。間違えがちなんだけどな。
例えば、「もし、この先をまっすぐ行くと銀行にたどり着きます」っていうは、仮定でもなんでもないただの“事実”の話だろ?
生徒:
確かに。それは変わりない事実ですもんね。
松田塾長:
仮定法っていうのは『事実に反すること』を説明する時に使うんだ。
つまりこういうことだ。
薄毛の人がいたとする。そして彼はこう思う。
「もし、私にもう少し髪の毛があれば、幸せなのに。」
でも彼には髪の毛がない。それが悩みで幸せじゃないわけだ。
『事実に反すること』なんだ。
生徒:
なるほど、今の事実として言い換えができるわけですね。
確かに僕も最近頭皮事情が怪しいですね…。悲しい…。
松田塾長:
…だからお前は本当に何歳なんだ。フサフサじゃないか。
で、仮定法は[仮定法過去]というのと、[仮定法過去完了]の2つだけ押さえればOK。
この2つだけ押さえておけば仮定法はもう8割マスターしたも同然なんだ。
生徒:
えっ、たった2つだけでいいんですか!?
塾長板書:5秒で解くための重要ポイント①
松田塾長:
じゃあまずは、[仮定法過去]の話からしようか。
仮定法過去というのは、『 “現在”の事実に反すること 』を説明する時に使う表現だ。
生徒:
でも、なんで現在の事実に反していることを説明するのに、[過去形]を使うんですか?
松田塾長:
それは、『公式に過去形を使用しているから』と覚えてくれ。
ホワイトボードに書いた公式さえ覚えてしまえば簡単だから、例文で確認してみようか。
松田塾長:
例文を見てもらえばわかると思うが、普通、Iの後ろはamとかwasなのにもかかわらず、wereが来てるって時点で「ありえない」話なんだ。
だから公式ではbe動詞をwereにして使う。
こうやって頭に入れておくと、よりわかりやすいと思う。
それじゃあ次は、[仮定法過去完了]の説明をしていこうか。
塾長板書:5秒で解くための重要ポイント②
松田塾長:
仮定法過去完了の公式も、しっかり覚えるように。
仮定法過去完了は、『 “過去”の事実に反すること 』を説明する時に使う表現だ。
どうだ?公式さえ覚えてしまえば、5秒で解けそうだろ?
生徒:
はい!とってもわかりやすいです!
松田塾長:
よし、それじゃあ仮定法過去完了の例文も確認するぞ!
生徒:
はい!
松田塾長:
よし、試しにEx.4の英文を事実の文に言い換えてみてくれ。
生徒:
わかりました!
ええっと、仮定法過去完了は“過去の事実に反していること”を説明しているから…。
「彼女の住所を知らなかったから、手紙が書けなかった」のが事実なんですよね。
松田塾長:
そうだ。よくわかってるじゃないか。
なら、英文で表現するとどうなる?公式に当てはめて考えてみよう。
生徒:
Because he didn’t know her address, he didn’t write to her.
(彼は彼女の住所を知らなかったので、彼女に手紙を書けなかった。)
ですかね?
松田塾長:
正解だ!よくやったな。
ちなみに、今説明した例文だが、試験だとこのように出題される。
松田塾長:
仮定法を解く時のコツは、公式をしっかり覚えること。
Ex.1やEx.3のような出題をされたら、すぐ、後ろの形を見る。
そうすると、「あ、could+動詞の原形なら仮定法過去だな。」「would+have+p.pの形になっているから、これは仮定法過去完了だな。」という風に解ける。
Ex.2やEx.4のように、形を見た瞬間にIfから始まって「過去形」が来た時は「仮定法」かもしれないって考えること。
これがすごく大事。
Ifの後が過去形になっている、あ、仮定法過去の形に当てはめてみよう。
Ifの後ろが過去完了形になっているなら、仮定法過去の公式に当てはめてみる。
どうだ?公式さえマスターしてしまえば、とっても簡単だろ?
生徒:
はい!これなら僕にもできそうです。
あとはどういった時に仮定法が使われるのかというところを覚えておくことも大事ですね。
松田塾長:
おっ、よくわかっているじゃないか。
それじゃあ冒頭で間違えた[問題①]を改めて解いてみてくれ!
[問題①] 出題:関西学院大学
( )に適語を入れなさい。
“If I lost my key, I( )able to lock the door.”
①will not be
②will not have been
③wouldn’t be
④am not
生徒:
んーと、Ifから始まっている文で、Ifの後ろにすぐ過去形が来ているから、これは[仮定法過去]の表現ですね。
松田塾長:
その通りだ。じゃあ答えは何番になる?
生徒:
仮定法過去の公式に当てはめてみると、後ろの文がS’+would+動詞の原形になるから…答えは③しかありません!
松田塾長:
よし、よくやった!正解だ!
それじゃあ仮定法をより身につけるための練習問題をいくつか出題するから、全問正解を目指して解いてみてくれ!
練習問題に挑戦!
[練習問題①]
次の( )に適語を入れなさい。
If Mary( )how to swim, she would go to the beach more often.
①knows
②knew
③will know
④had known
[練習問題②]
次の( )に適語を入れなさい。
If my brother were here, he( )what to do.
①has known
②will know
③would know
④does know
[練習問題③]
次の( )に適語を入れなさい。
If I( )more time, I could have checked my report again.
①have
②had
③had had
④would have
[練習問題④]
次の( )に適語を入れなさい。
If Jane( )more, she may have a nervous breakdown.
①would not rest
②had not rested
③did not rest
④does not rest
松田塾長:
よし、それじゃあ答えを教えてくれ。
生徒:
練習問題1は、Ifから始まって、後ろの文がwould + 動詞の原形になっているので、[仮定法過去]ですね。
仮定法過去の公式に当てはめると、答えは②です。
練習問題2は前の文がIf+S+過去形になっているので、[仮定法過去]だと思うので、答えは③。
練習問題3はIfから始まって、後ろの文がcould+have+p.pになっているから、③。had hadってのもあるんですね。
松田塾長:
今のところ全問正解だ。
特に練習問題3だが、固定観念に囚われてると、had hadじゃないと思い込んで間違えてしまうから気をつけろよ。
練習問題4はどうだ?
生徒:
練習問題4は…。あれ?後ろの文がmayになってる…。
すみません。この問題わからないです…。
松田塾長:
まったく。
調子が良かったのはここまでか?ちゃんと説明するから覚えるように。
実はこの問題は、仮定法じゃないんだ。
生徒:
えっ、そうなんですか!?
じゃあ、これはどうやって解くんだろう?
松田塾長:
これは[時・条件の副詞節]の文章なんだ。
2回前の授業でやったな。
まず、Ifから始まって後ろの文を見て見ると、mayになってるよな。
仮定法として使うなら、mayは、mightにしなくちゃいけないんだけど、この英文ではmayになってる。
普通の形を使っているから、これは仮定法ではないんだ。
If〜moreまでがなくなっても、後ろの文だけで意味が成り立つ。
これは2回前の授業でやった、[時・条件の副詞節]で説明したのと同じだ。
わからない人は、[時・条件の副詞節]のWEB授業を見直してみてくれ。
それを踏まえて、もう一度考えてみてくれ。
生徒:
なるほど…。そうだったんですね。
じゃあ、普通の文として組み立てればいいだけだから、答えは④ですか?
松田塾長:
その通り!
ちゃんと復習しないとダメだぞ。
身につけるためには、繰り返し練習することだ。
生徒:
わかりましたぁ。
アタシ、これからも頑張りますぅ。
松田塾長:
…。
グレート・○スケもびっくりだな。
どうしたんだいきなり。
生徒:
うふふ。
アタシ、松田塾長に英語を教えてもらえて幸せですぅ。
松田塾長:
シャキッとしてくれ。
仮定法を勉強してみて、どうだった?
生徒:
わかりました。戻ります。
仮定法って、苦手だったんですけど、松田塾長の説明を聞いて理解できたと思います!
松田塾長:
お…おぉ…おかえり。
やっぱりいつも通りな方がしっくりくるな。
仮定法のポイントをしっかりおさえて、復習しておけよ!
生徒:
はい!僕もりもり復習しておきます!
松田塾長:
それじゃあ、また次回のWEB授業でお会いしましょう!
今日の授業まとめ
・仮定法は公式さえ覚えてしまえば簡単に解けるようになる。
・仮定法というのは『事実に反すること』を説明する時に使う。
・仮定法には大きく分けて『“今”の事実に反すること』を説明する[仮定法過去]と『“過去”の事実に反すること』を説明する[仮定法過去完了]がある。
・仮定法過去と仮定法過去完了がミックスになっている問題は、時制の単語に注目する。
今日の格言
眼明らかなれば、途に触れて皆宝なり。
毎日の生活のなかで、なにを見ても、素直な目で正しくものを見れる人間は折にふれてなにを経験しても、へんな先入観をもたずに素直にそれを身につける。
常に清らかでオープンな心を持つようにという言葉。
~空海~
プロフィール
松田 貴盛
リオン塾長
千葉県出身。小学校から高校卒業まで市原市で過ごし、高校卒業後は映画監督を目指しアメリカに単身留学。4つの州を1人渡り歩き、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校を卒業。その後、2年ほどLongBeachテレビ局のカメラマンとして従事する傍ら、グレイシー柔術道場に通う。アメリカで役者も経験。2005年に帰国後、大手進学塾で英語講師として活躍。8年間のアメリカ留学で培った英語力を武器に、わずか3ヶ月でトップ講師に登りつめる。2010年12月より「英語進学塾リオン」を経営、また、“朝日奈こうや”の芸名で俳優業も続け、テレビ朝日「検事・朝日奈耀子」シリーズに6年間出演中。人生をかけて勝負している生徒以上に、常に挑戦し続けている事で、生徒と教師の信頼関係が本当に強いものとなることを提唱。教師の育成にも全力で取り組んでいる。
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