高校受験でも頻繁に出題される「受動態」。
受動態を簡単に説明すると、「(主語が)~される」という受け身の文です。
馴染みの深い受動態ですが、意外と文法が曖昧な人も多いのではないでしょうか?
また、どんな場面で使うのか、よくわからないと言う方も多いはずです。
今回は受動態の正しい知識を皆さんにレクチャーします。 https://www.youtube.com/embed/QgKNXsshF1M
生徒:
塾長…。俺もうダメです…。
松田塾長:
おっ、まさおじゃないか。久しぶりだな。
どうしたんだ?
生徒:
先週、彼女にフラれてしまって、部活でやってる柔道の練習にも身が入らないし、今日やった学校での英語テストも散々でした…。
松田塾長:
それは気の毒だったな。
理由は聞いたのか?
生徒:
はい。
「会話が受け身で弾まないからつまらない」と言われてしまったんです。
松田塾長:
なるほどな。
いいか、まさお。よーく聞いてくれ。
柔道で受け身は大切だが、人生は受け身じゃダメだ!
![](https://lion-institution.co.jp/wp-content/uploads/2019/11/DL_button02-640x80.png)
英語のテストでもうまくいかなかったようだし、せっかくだから今日は高校受験でもよく出題される「受動態」について説明していこう。
![図1](https://lion-institution.co.jp/wp-content/uploads/2017/03/795316b92fc766b0181f6fef074f03fa.png)
Contents
重要ポイントと例文
松田塾長:
受動態とは何か。
例えば、「手紙を書く」、「手紙を送る」というのは「能動態」だよな。
自分が能動的にする動作だからな。
そして「受動態」というのは、その名の通り、「受け身」の用法。
「〜される」という時に使うんだ。
さっきの例えに対応させると、「手紙を送ってもらう」が受動態になる。
そこでまずは受動態の基本形について覚えてもらいたい。
塾長板書:5秒で解くための重要ポイント①
![受動態授業修正](https://lion-institution.co.jp/wp-content/uploads/2017/03/37ed7d4420431b37c1e456f845208093.png)
松田塾長:
受動態をわかりやすく説明するために、能動態についての説明も書いておいた。
ホワイトボードの通り、受動態は「〜される」という表現をする時に使う。
受動態の公式を覚えてしまえば、能動態の文章を5秒で受動態に直せるはずだ。
例文を紹介するから、ちょっと見てくれ。
![図3](https://lion-institution.co.jp/wp-content/uploads/2017/03/c8856789ec11ab8b1013037cef6929f9.png)
![図4](https://lion-institution.co.jp/wp-content/uploads/2017/03/3a4f695a458cb0ac0aceaa2eb13ac2dd.png)
松田塾長:
byの後に来る「行為者」だが、代名詞の場合は[目的格]に直すことを忘れないようにしてくれ。
Ex.1は受動態の基本となる形と、それを様々な時制に合わせて変化させたものだ。
まさお、次の能動態の文を受動態に直せるか?
![syuusei2](https://lion-institution.co.jp/wp-content/uploads/2017/03/syuusei2.png)
受動態の疑問文にすぐに直すのが難しいという人は、まず、最初の能動態の疑問文を肯定文に直す。
そしてそれを受動態にするんだ。
あとはそれを疑問文に直すだけだ。
![syuusei3](https://lion-institution.co.jp/wp-content/uploads/2017/03/syuusei3.png)
慣れたらこの手間を省くことができるようになるはずだ。
それと、受動態は基本的にはby+行為者が文中にあるのだが、byを省く場合がある。
塾長板書:5秒で解くための重要ポイント②
![syuusei4](https://lion-institution.co.jp/wp-content/uploads/2017/03/syuusei4.png)
松田塾長:
①の場合、「英語はカナダでカナダ人によって話される。」なんて言う必要ないだろう?
②は「大統領は昨夜襲われました。」と言う文だが、誰に襲われたかわからない場合があるよな。
って、正男…。何でここにいるんだ!?
大丈夫だったのか!?
生徒:
な、何の話ですか…?
ちなみに、俺は、「正男」ではなくて「正夫」ですよ!
松田塾長:
わるい、わるい。
つい。
さ、続きに戻ろうか。
③の場合も、店主の名前を言わなくても、意味が通じるだろ?
どうだ?なんとなくわかったか?
生徒:
はい!とにかく、by〜がなくても文の意味が成立する場合は、省略できるんですね。
松田塾長:
その通りだ、まさお。
それじゃあ、練習問題をやってみようか。
練習問題に挑戦 ①!
[練習問題1](聖心女子大)
次の( )に当てはまる正しい組み合わせを答えなさい。
The royal wedding which took place last week( )by millions simultaneously on TV.
①will be seen
②was seen
③might be seen
④is seen
[練習問題2](京都学院大)
次の( )に当てはまる正しい組み合わせを答えなさい。
If poisons like DDT ( )to control insects, there will be serious environmental damage.
①are used
②is used
③use
④used
松田塾長:
よし、1問5秒で解けたか?
試験時間には限りがあるから、普段から時間を気にして問題に取り組むこと。
それじゃあ、答えを教えてくれ!
生徒:
練習問題1は、選択肢を見ると動詞を入れる問題なので、last weekまでが主語ですよね。
そして、関係代名詞のwhich〜last weekをかっこで括ると、大事な主語はthe royal wedding ですよね。
それで( )の後ろにbyがあるとなると…
これは受動態の問題ですね!
松田塾長:
そうだ。そしてもうひとつ大事なポイントはどこだ?
生徒:
わかった!
以前、時制の授業で教わったlast week がある時は過去形になるということですね!
それじゃあ、答えは②ですね!
松田塾長:
OKだ。last 〜って単語が出てきた時は、過去形になるからな。
この文が受動態になる理由として、The royal wedding、つまり王室の結婚式は、大衆に見られるもの。
だから、受動態を使っているんだ。
よし、練習問題2もテンポよく答えを教えてくれ。
生徒:
If poisons like DDT…
塾長、DDTって何ですか?
松田塾長:
DDTっていうのはデンジャラス・ドライバー・天龍のことだ。
▼DDT参考URL
お前、柔道部なのに知らないのか?
生徒:
は、はい。
松田塾長:
プロレス技でもおなじみだが、DDTとは毒の一種だ。
ちなみに、このlikeっていうのは[前置詞]だ。
[前置詞]の後には[名詞]がくると前の授業でも話したと思うが、[前置詞]+ [名詞]を見つけたらかっこで括るようにな。
ま、とにかく一番大事なのはThe poisonsという名詞だ。
まさお、毒というのは使う、使われる、どっちだ?
生徒:
そりゃあ、使われるもの、ですよね。
松田塾長:
正解だ。
で、poisonsときてるわけだ。
さて、答えは何になると思う?
生徒:
poisonsで複数形になっているから、①だと思います!
松田塾長:
正解だ。
今日はこれで終わりじゃない。
最後は、[群動詞]の受動態だ。
[群動詞]とは、動詞が副詞や前置詞と組み合わさって1つの動作を表すものだ。
まあ、平たく言えば、2語、あるいは3語で動詞の役割をするものだ。
例えば、take care of〜(〜の世話をする)がその例として挙げられるな。
その群動詞が用いられた英文を受動態にする場合は、どのように変化させて使うのかを覚えて欲しい。
![syuusei5](https://lion-institution.co.jp/wp-content/uploads/2017/03/syuusei5.png)
塾長板書:5秒で解くための重要ポイント③
![syuusei6](https://lion-institution.co.jp/wp-content/uploads/2017/03/syuusei6.png)
松田塾長:
この例文で挙げたように、群動詞が使われている英文でも、受動態の公式をそのまま使うんだ。
S+be動詞+p.p+by+行為者が公式だったな。
なので、
He took care of my dog.
(彼は私の犬の世話をした。)
という文は、犬を主語にすると
My dog was taken care of by him.
(私の犬は、彼に世話をされた。)
という風に変化する。だから受動態なんだ。
take care ofでひとつの動詞だから、ofの後にbyが来るのがおかしいといって勝手にbyを省略するんじゃないぞ!
いいか、何事も「思い込み」で問題を解くと、思わぬミスに繋がってしまう。
基本に忠実に。
素直な心があれば、きっと間違えないはずだ。
受験の役に立つように、受動態でよく用いられる群動詞をまとめたから、覚えるように。
![syuusei7](https://lion-institution.co.jp/wp-content/uploads/2017/03/syuusei7.png)
松田塾長:
群動詞を覚える時は、どの単語と同じ意味を持っているのかなど、範囲を広げて覚えると効率的だぞ。
さて、今教えたことをもとに今日も練習問題やってみるか!
柔道の稽古より厳しくいくぞ!まさお!
5秒で解く心構えで取り組んでくれ!
生徒:
オッス!毒にも負けないように頑張るっす!
練習問題に挑戦!②
[練習問題3](関東学院大)
次の( )に当てはまる正しい組み合わせを答えなさい。
He was laughed ( )all his classmates.
①by at
②at
③at by
④by
生徒:
あっ、この問題は[群動詞]が使われていますね。
laugh at で (〜を笑う)という意味になるから、答えは③です!
松田塾長:
正解だ。
laughed at byになるからといって、勝手にbyを取るのは間違いだ。
群動詞は覚えておくと非常に役に立つからな。
生徒:
受動態にも色々あるんですね…。
改めて勉強になりました。
俺、もう一度彼女にアタックしてみようかな。
生徒?:
あっ、まさおくん、今日来てたんだね。
そういえば、そるみちゃんにこの前告白されたんだけど、まさおくん、彼女とはもう別れたんだよね?
生徒:
えっ…。そうだけど…。
そ、それはどういう…。
生徒?:
それなら、僕OKしちゃうね〜!
じゃあまた〜!
松田塾長:
恋は時に残酷だな…。
聞けば気の毒、見れば目の毒とはこのことか。
まさお、今年は「毒」に気をつけろよ。
生徒:
(・・・放心状態・・・)
受け身な自分を変えなきゃいけないんだな…。ううっ…。
松田塾長:
よ、よし。
まさおを励まさなきゃならないから、今回はこの辺で終わりにするか!
まさお、気を落とすな。
It’s never too late to be who you might have been.
(なりたかった自分になるのに遅すぎるということはない。)
今からでも、積極的な男になれるさ。
生徒:
塾長…。
俺、英語も自分磨きも頑張ってみます!
松田塾長:
リオンは英語を学ぶだけの場所じゃない。
君たち、若い世代が人生に希望を持って生きるための知恵と意志を育む場所でもあるからな!
学びを通して、大きな男になってくれると信じているぞ!
![図10](https://lion-institution.co.jp/wp-content/uploads/2017/03/e99cc3808964d9e08ec8fb27d43842de.png)
今日の授業まとめ
・受動態とは「〜される」という受け身の表現。
・byの後に来る「行為者」は、受動態を用いる場合は[目的格]に直
す。
・by〜を省略できる条件は
①行為者が一般の人々の場合
②行為者がわからない場合
③行為者を言う必要がない時
・群動詞は2語、あるいは3語で動詞の役割をする動詞のこと。
![](https://lion-institution.co.jp/wp-content/uploads/2019/11/DL_button02-640x80.png)
今日の格言
It’s never too late to be who you might have been.
なりたかった自分になるのに遅すぎるということはない。
〜ジョージ・エリオット(英国の女性作家)〜
なりたかった自分になるのに遅すぎると言うことはない。
勉強をしてこなかったから、行きたい大学に行けないかもしれない。
いつも臆病だから、新しいことに挑戦できない。
そう思い、後悔することもあるだろう。
でもそれが成長の糧となる。
行動してみよう。
明日からではなく、今からでも。
まずは意識を変えていこう。
なりたい自分になるために。
勉強も自分磨きも、目標に向かって進むことに遅すぎることはないのだから!
プロフィール
松田 貴盛
リオン塾長
千葉県出身。小学校から高校卒業まで市原市で過ごし、高校卒業後は映画監督を目指しアメリカに単身留学。4つの州を1人渡り歩き、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校を卒業。その後、2年ほどLongBeachテレビ局のカメラマンとして従事する傍ら、グレイシー柔術道場に通う。アメリカで役者も経験。2005年に帰国後、大手進学塾で英語講師として活躍。8年間のアメリカ留学で培った英語力を武器に、わずか3ヶ月でトップ講師に登りつめる。2010年12月より「英語進学塾リオン」を経営、また、“朝日奈こうや”の芸名で俳優業も続け、テレビ朝日「検事・朝日奈耀子」シリーズに6年間出演中。人生をかけて勝負している生徒以上に、常に挑戦し続けている事で、生徒と教師の信頼関係が本当に強いものとなることを提唱。教師の育成にも全力で取り組んでいる。
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