高橋先生、東大の文科を受けようと思っているんですが、英語は120点満点って聞きました。でも東大って共通テストも二次試験もありますよね? 結局、英語は合否にどれくらい効くんですか?
松田塾長結論から言いますね。文科各類の二次試験では、英語は120点、二次全体440点の約27%です。共通テスト110点を足した550点満点で見ると、共通テストの英語分(22点)と合わせて142点、全体の約26%になります。ただ、数字そのものより大事なのは合格ラインとの関係です。2026年度の合格最低点は、文科一類で325.01点、文科三類で316.32点でした。550点満点の6割弱、つまり「満点を狙う入試」ではなく「6割前後を崩さず取り切る入試」なんですよ。

高橋えっ、6割弱でいいんですか! 東大って全部ほぼ満点じゃないと受からないイメージでした……。
松田塾長そのイメージは多くの人が持っていますが、実際の合格最低点を見るとだいぶ違います。ただし英語は「要約」「自由英作文」「正誤判定」「リスニング」と形式が独特で、慣れていないと6割を取るのも簡単ではありません。ここから、配点、大問構成、大問ごとの解き方、合格ラインからの逆算まで順に見ていきましょう。

入試の全体像・配点構成
松田塾長まず全体像です。この記事で扱う「教養学部(文系)」は、文科一類・文科二類・文科三類の3つの科類を指します。東大は入学時に学部ではなく科類で募集して、入学後は前期課程で教養学部に所属し、後期課程で各学部へ進む仕組みです。進学先は入学後の志望や成績などをもとに決まります。


高橋共通テストが110点って、ずいぶん小さくないですか? 共通テストは1000点満点ですよね?
松田塾長そこが東大らしいところです。共通テストの1000点満点を110点に換算して使い、そこに第2次学力試験の440点を足して550点満点にします。表にすると次のとおりです。

| 区分 |
配点 |
内容 |
| 共通テスト(換算後) |
110点 |
1000点満点を110点に換算。国語200・地歴公民200・数学200・理科100・外国語200・情報100 |
| 第2次学力試験 |
440点 |
国語120・数学80・地理歴史120・外国語120 |
| 総合点 |
550点 |
合否判定に使う満点 |
高橋共通テストは換算されて小さくなるけど、二次が440点もあるんですね。二次の試験日程はどうなっていますか?
松田塾長2026年度入試では、2月25日(水)に国語と数学、2月26日(木)に地理歴史と外国語でした。外国語はその日の14時から16時までの120分です。試験場は文科各類が駒場キャンパスでした。2027年度入試は2月25日(木)と26日(金)の実施と公表されていて、出願期間は2027年1月25日から2月3日まで、合格者発表は3月10日の予定です。

2027年度入試の最終確認は11月中旬の募集要項で
この記事の配点・試験時間・出題形式は、東京大学の2026年度入試(令和8年度募集要項)で確認できた内容が中心です。2027年度の募集要項は11月中旬に公表される予定なので、配点や試験時間に変更がないかを自分の目で確認してください。
高橋募集人員も気になります。文科一類・二類・三類で人数はどれくらいなんですか?
松田塾長2027年度入試の募集人員は、文科一類387人、文科二類341人、文科三類453人です。2026年度の401人、353人、469人から、それぞれ14人、12人、16人減る予告が出ています。あわせて、志願者が募集人員の約2.5倍に達すると、共通テストの成績で先に絞る第1段階選抜が行われます。じゃあ次は、この550点のうち英語がどれだけの重みなのかを見ていきましょう。

英語配点・比率の詳細
松田塾長二次試験の科目別の重みを、比率つきで表にしました。

| 科目(第2次学力試験) |
配点 |
二次440点に占める比率 |
| 国語 |
120点 |
約27.3% |
| 数学 |
80点 |
約18.2% |
| 地理歴史 |
120点 |
約27.3% |
| 外国語(英語) |
120点 |
約27.3% |
| 合計 |
440点 |
100% |
高橋国語も地歴も英語も同じ120点なんですね! 数学だけ80点で軽いのは、文系にはちょっとありがたいかも(笑)。
松田塾長そう見えますよね。でも英語は国語・地歴と並ぶ最大配点で、しかも共通テストの英語もあります。共通テストの外国語は、リーディング100点とリスニング100点の計200点を、リーディング140点・リスニング60点に換算して使います。それを550点満点の中に110点分として組み込むので、共通テストの英語分は22点。二次の120点と合わせて、英語は合計142点、全体の約25.8%です。

高橋二次のほうが圧倒的に大きいんですね。共通テストの英語は22点しか効かないんだ……。
松田塾長22点は小さく見えますが、油断は禁物です。2026年度の文科一類の合格最低点は、2025年度より11.28点低くなりました。22点は、その年度間の低下幅の約2倍にあたる数字なんです。共通テストで英語を1割落とすと2.2点、二次で英語を1割落とすと12点。この差を頭に置いておくと、二次の英語にどれだけ時間を割くべきかが見えてきます。

大問ごとの配点は募集要項に載っていません
募集要項で確認できるのは、外国語120点という科目ごとの配点までです。「要約は何点」「自由英作文は何点」という大問別の配点は載っていません。ネット上にある大問別の配点は予備校などの推定なので、この記事でも大問別の点数は断定せず、出題の意図(東京大学の公表資料)をもとに解説します。
高橋大問別の配点が分からないと、どこを優先すればいいか迷いますね……。
松田塾長気持ちは分かります。だからこそ、次に見る大問構成と、それぞれで何を問われるかを押さえることが対策の土台になるんです。

大問構成・出題形式
松田塾長英語は試験時間120分、大問5題の構成です。記述式とマーク式が併用されていて、英語試験の一部分に聞き取り試験が入ります。聞き取りの時間は30分程度と公表されています。


高橋30分もリスニングがあるんですか! 120分のうちの4分の1ですよね?
松田塾長そうなんです。残りの約90分で、要約、英作文2題、長文読解、正誤判定、和訳をこなすことになります。2026年度の各大問を表にまとめますね。語数は河合塾が公表している分析にもとづく数字です。

| 大問 |
形式 |
2026年度の分量・内容 |
解答形式 |
| 1(A) |
要約 |
356語の英文を70〜80字の日本語で要約 |
記述 |
| 1(B) |
読解総合 |
871語。文補充5箇所(ダミー選択肢2つ)と語句整序 |
記号・記述 |
| 2(A) |
意見論述 |
What does it mean to be strong? に60〜80語で答える |
記述 |
| 2(B) |
和文英訳 |
100字の日本語部分を英訳、空所補充2箇所(選択肢6つ) |
記述・記号 |
| 3 |
リスニング |
(A)(B)(C)各5問。528語・513語・538語 |
記号 |
| 4(A) |
正誤判定 |
659語(前年度は462語)。5問 |
記号 |
| 4(B) |
下線部和訳 |
335語、下線部3つ |
記述 |
| 5 |
読解総合 |
1,003語の短編小説。説明2問と和訳1問 |
記述・記号 |
高橋リスニング以外の英文の語数を足すと……3,000語を超えるってことですか?
松田塾長鋭いですね。1(A)、1(B)、4(A)、4(B)、5の語数を足すと3,224語です。ここに2(B)の英文と、自分で書く英作文2題が加わります。英文を約3,200語読んで、その上で要約・英作文・和訳を書くのが、東大英語の本当の重さです。しかも2026年度は、英文の量が前年度より大きく増えたと分析されています。

高橋量が増えたのは、リスニング以外の大問ですか?
松田塾長特に4(A)の正誤判定が、462語から659語へ200語近く増えました。1問あたりの英文が長くなって、処理がしにくくなったわけです。次は、こうした形式のどこでつまずきやすいのかを見てみましょう。

つまずきポイントと東大英語の特徴
松田塾長東大英語は、単語や文法が標準的でも点が崩れやすい試験です。理由は「形式が特殊」だから。つまずきやすい場所を、大問ごとに見ていきましょう。

高橋「単語や文法が標準的」って、東大なのに意外です! 何で崩れるんですか?
松田塾長東京大学が公表している出題の意図を読むと分かります。要約では「重要概念を把握し、論理的な要約を日本語で作成する力」、作文では「意見が読み手に明確に伝わるよう、適切な語句や表現を用いて論理的で説得力のある文章を作成する力」を見ています。つまり、英語がわかるだけでなく、日本語でも英語でも「整理して書く力」が問われるんです。

高橋書く問題が多いんですね……。全部で何カ所くらいあるんですか?
松田塾長記述式は、1(A)の要約、1(B)の語句整序、2(A)の自由英作文、2(B)の和文英訳、4(B)の和訳、5の説明と和訳です。ほぼ全ての大問に「書く」が入っています。マーク式は、公表されている解答番号が(1)から(34)までなので、記号で答える問題もそれなりの数です。

高橋単語を知っていても、日本語でまとめられなかったらアウトってことですか(笑)。
松田塾長そういうことです。特に落としやすいのは、要約の字数調整、英作文の語数とミス、正誤判定の文脈上の誤り、選択肢が長くなったリスニングの4つですね。ただ、この4つのうちどこで失点しているかは人によってまったく違います。語彙が足りないのか、構文が取れないのか、日本語の圧縮が下手なのか、時間が足りないのか。原因が違えば、優先する練習も変わります。リオンでは、実際の答案を見ながら、どの大問でなぜ点を落としているのかを一緒に整理しています。

高橋自分の失点の原因って、独学だと見えにくいですよね……。まず各大問の中身を知っておきたいです。
松田塾長いい流れです。じゃあ次は、大問ごとの解き方を、思考過程つきで見ていきましょう。

大問別詳細解説
松田塾長大問ごとに「何を問われるか」「どう考えるか」を順番に説明します。答えを暗記するのではなく、考え方を持ち帰ってください。

1(A) 要約
高橋最初の要約が難しいって聞きます。70〜80字って、ものすごく短いですよね?
松田塾長2026年度は356語の英文を70〜80字にまとめる問題で、答案の書き出しが指定されていました。素材はフロイトの著作が読者に与える影響を論じた文章で、特に第2段落は論の流れがつかみにくかったと分析されています。コツは、いきなり書き始めないことです。まず各段落の主張を10字程度の一言にして、段落同士の関係(対比・逆接・因果)を確認してから、具体例を削って、主張だけをつなぐんです。

高橋具体例は全部削っていいんですか?
松田塾長「たとえば」で始まる部分は、原則として削ります。逆に、”However” や “Yet” の後ろには筆者の本音があることが多いので、そこは残す候補です。書き出しが指定されている場合は、指定の言葉から自然につながる形で、主張の核を1つか2つ入れましょう。字数は超えたら失点になりやすいので、書いたあとに必ず数えて調整してくださいね。

1(B) 読解総合(文補充と語句整序)
高橋1(B)は空所を埋める問題ですよね? 選択肢の数が気になります。
松田塾長2026年度は871語の英文で、文補充(ア)が5箇所、選択肢は7つでした。つまり選択肢のうち2つはどこにも入らないダミーです。語句整序(イ)は、並べ替える要素が7つでした。空所の中には確定させにくい箇所があったと言われているので、確実に決まる空所から埋めて、残りを消去で絞る順番が大切です。

高橋空所は前後の何を手がかりに決めるんですか?
松田塾長指示語(this, such)、代名詞、接続の言葉(but, so)、そして直前直後の文が「何の話をしているか」の3点です。たとえば空所の直後が “This” で始まるなら、空所の文は “This” が指せる内容を含んでいるはずですよね。手がかりが強い空所から確定させると、残りが狭まって楽になります。

2(A) 自由英作文
高橋2026年度の自由英作文は “What does it mean to be strong?” でしたよね。60〜80語って、どう組み立てればいいんですか?
松田塾長テーマが英語で与えられたのも、日本語で示されてきた年度との違いでした。型は3ステップです。①自分なりの定義を1文、②理由か具体例を2〜3文、③言い直して結論を1〜2文。実際に練習用の答案を書いてみますね。”To me, being strong means being able to keep going without pretending to be unbreakable. In my first year of high school, I lost my place in the tennis team’s regular lineup and wanted to quit. What changed my mind was asking a senior player for advice, which was embarrassing but useful. So strength is not the absence of weakness. It is the courage to admit it and still take the next step.”(73語)

高橋おおっ、ちゃんと60〜80語に収まってる! でも、こういう答案を本番で書ける自信がないです……。
松田塾長大丈夫、ポイントは「凝った表現より、使い慣れた構文で正確に書く」ことです。上の答案も、動名詞を主語にした文、関係代名詞の what、not A but B と、高校で習う標準的な構文だけで書いています。語数は1文10語前後を目安に積み上げると、数えやすくて調整も楽ですよ。

2(B) 和文英訳
高橋和文英訳は、日本語が長いと大変そうです。2026年度は100字ぐらいだったんですよね?
松田塾長2026年度は、1つの段落から成る英文の中で、日本語で示された100字ほどの部分を英語にする形式でした。さらに空所補充が2箇所、選択肢は6つ。英訳自体は工夫が要る箇所もあるものの、極端に難しくはないと分析されています。ここで日本語をそのまま英語にしようとしないのが鉄則です。たとえば「派手な表現を使わなくても、控えめな言葉のほうが読み手の心に強く残ることがある」という日本語を考えてみましょう。

高橋「〜ことがある」とか「〜のほうが」とか、どう訳せばいいのか迷います。
松田塾長まず日本語を、主語と動詞がはっきりした形に言い換えます。「控えめな言葉が、派手な言葉より長く読み手の心に残ることもある」とすれば、”Restrained words can sometimes stay in a reader’s mind longer than showy ones.” と、無理なくつながりますよね。「〜ことがある」は can sometimes、「〜のほうが」は比較級で処理しています。

3 リスニング
高橋リスニングは30分程度って、ものすごく長いですよね。どんな内容なんですか?
松田塾長2026年度は(A)がドイツの教育制度についての講義、(B)がイギリスの刑務所の設計についてのポッドキャスト、(C)が樹皮や岩石に着生する地衣類についての講義で、それぞれ5問、計15問でした。英文の長さは528語、513語、538語です。選択肢の分量が前年度より増えたので、聞きながら選択肢を読む負荷が上がっています。

高橋聞いたことのない話題ばかりで、不安になりそうです(笑)。
松田塾長話題が専門的でも、問われるのは「講義の内容と一致する選択肢」や「講義の主旨」といった基本的な理解です。聞く前に選択肢のキーワードだけ拾っておき、聞きながら印をつける練習が効果的です。共通テストのリスニングは60点に換算されるので、共通テスト対策と東大の二次対策は、音声に慣れるという点でつながっています。

4(A) 正誤判定
高橋正誤判定は、2026年度に長くなったんですよね?
松田塾長英文は659語になり、5問(22)〜(26)を解きます。2019年度から正誤判定の出題が続いていて、文法・語法の誤りと、文脈上の誤りが混ざっています。2026年度は(23)と(26)で文脈上の誤りに気づく必要があったと言われています。練習用にオリジナルの例を作ってみました。”Because so little happens on the stage, a single gesture is easily (a) overlooked. The actor therefore (b) avoids unnecessary movement, and every motion (c) is made to count. Audiences may find this (d) tedious at first, but they learn that restraint is not (e) a lack of expression.” さて、どれが誤りだと思いますか?

高橋うーん……(a)の overlooked が怪しい気がします。「動きが少ないから、ひとつの動作が見逃されやすい」だと、後ろの「一つ一つの動作に意味を持たせる」とつながらないですよね。
松田塾長正解です! 文法的には何も間違っていないのに、文脈と合っていないのが(a)です。「舞台上で起こることが少ないから、ひとつの動作は簡単に目立つ(noticed)」が正しい流れですよね。正誤判定では、文法チェックの前に「この文は前後と論理がつながるか」を確認する癖をつけてください。

高橋文法上の誤りのほうは、どんなものが出るんですか?
松田塾長標準的な文法・語法の項目です。主語と動詞の一致、分詞の形、関係詞の使い分けのような基本事項が中心で、難問ではありません。ただ英文が長いので、誤りを見つけるより先に時間が消えていきます。基本の文法項目を短時間で判断できるように、日頃から音読しながらリズムで覚えておくと強いですよ。

4(B) 下線部和訳
高橋和訳は下線部が3つで、335語の英文でしたよね?
松田塾長そうです。出題の意図としては、語句の意味と使い方、文構造、文法事項の基本的な知識を見ています。長い文章の一部が下線になる場合は、前後の文脈を踏まえて訳す力も試されます。2026年度は(イ)で、unweaving(ほどくこと)の内容を補って訳すよう求められ、どうまとめるかで苦労した人が多かったようです。

高橋直訳だとダメなんですか?
松田塾長直訳は間違いではないんですが、文脈の情報を補わないと意味が通らない箇所があるんです。下線部だけを見て訳さず、前の2〜3文を読んで「何のことを言っているのか」を確認してから訳出しましょう。

5 長文読解
高橋最後の大問5は、2026年度は小説だったそうですね。
松田塾長1,003語の短編小説で、妻を亡くした雇用主の家で家政婦が見つけたしみを描く話でした。エッセーが続いていた東大の出題としては素材の変化で、マーク式の設問では描写の仕方を問う問題が出ました。記述式は説明が2問、和訳が1問です。小説は登場人物の気持ちが直接書かれず、行動や物の描写から心情をつかむ必要があります。

高橋文章から読み取るしかないんですね。どうやって練習すればいいですか?
松田塾長「登場人物は何をしているか」「その行動から、どんな気持ちが読み取れるか」を1文ずつ日本語にする練習が効果的です。出題の意図でも「細部の表現に込められた書き手や登場人物の心情や価値観、ものの見方を的確に理解する」ことが重要とされています。じゃあ次は、これらの大問で何割取ればいいのか、合格ラインから逆算していきましょう。

配点・ボーダーシミュレーター
松田塾長ここまでで各大問の中身は見えたので、次は「英語で何割取れれば合格ラインに乗るのか」を計算してみましょう。まず、過去4年間の合格最低点です。2023〜2025年度は東京大学の募集要項、2026年度は合格発表後の報道によるデータです。

| 年度 |
文科一類 |
文科二類 |
文科三類 |
| 2023年度 |
343.89点 |
342.44点 |
340.33点 |
| 2024年度 |
331.02点 |
332.23点 |
331.09点 |
| 2025年度 |
336.29点 |
332.24点 |
321.93点 |
| 2026年度 |
325.01点 |
330.47点 |
316.32点 |

高橋2026年度は、文科二類が文科一類より高いんですね! 5点も違うんですか?
松田塾長5.46点、文科二類のほうが上でした。2025年度は逆で、文科一類が4.05点上だったので、科類間の順番も毎年入れ替わります。合格最低点は毎年動くので、「この年度はこの点数」という決め打ちは危険です。550点満点で見ると、2026年度の最低点は文科一類で約59.1%、文科二類で約60.1%、文科三類で約57.5%でした。

高橋約6割かあ。じゃあ二次で何点取ればいいのか、逆算できますか?
松田塾長できますよ。次の手順で、文科一類の2026年度最低点(325.01点)を例に計算してみましょう。

steps
- 共通テストの得点率を仮に85%とする — 1000点満点の85%は850点。これを110点満点に換算すると約93.5点
- 合格最低点325.01点から共通テスト分を引く — 325.01点 − 93.5点 = 約231.5点。二次440点の約52.6%が必要になる
- 二次のうち英語120点を6割(72点)取れた場合 — 国語・数学・地歴の合計320点で約159.5点(約49.8%)が必要
- 英語を7割(84点)取れた場合は約147.5点(約46.1%)、5割(60点)にとどまった場合は約171.5点(約53.6%)が必要になる
高橋英語が5割だと、ほかの3科目で5割を超えないといけなくなるんですね! 英語が7割だと、ほかの科目は5割を切ってもいいんだ。
松田塾長そこが大事なポイントです。英語の得点が10%動くと、ほかの3科目で必要な得点率は約3.75%動く計算です。もちろん最低点ぎりぎりを狙うわけではなく、2026年度の文科一類の合格者平均は352.77点でした。同じ共通テスト85%の仮定で計算すると、二次で約259点(約58.9%)が平均的な合格者の水準になります。

このシミュレーションは単純化した目安です
科目ごとの合格者平均点や、大問ごとの得点分布は公表されていません。上の計算は「共通テスト85%」という仮定を置き、残りを二次の得点率として割り戻しただけの目安です。実際の合否は、各科目の採点結果と、その年度の合格最低点で決まります。
高橋目安としては分かりやすいです。でも、自分の現在地がこの計算のどこにいるのか、まだピンと来ません。
松田塾長それが自然な反応です。必要な得点は計算で出せても、今の自分が二次の英語で何点取れるのか、どの大問で失点するのかは、ご自身の答案を見ないと分かりません。要約で点が伸びないのか、英作文の減点なのか、リスニングで崩れているのか。原因によって、残りの期間にやるべき対策の優先順位は大きく変わります。リオンでは、今の英語力と東大文科の合格最低点との差を、大問ごとに一緒に確認しています。

高橋差が分かれば、やることも見えてきそうですね。じゃあ、具体的な対策を教えてください!
対策・攻略法
松田塾長対策は「何を・どの順で・いつまでに」で組み立てます。2027年2月25日(木)・26日(金)の本番から逆算して、時期を3つに分けましょう。

東大文科英語の対策ロードマップ
2026年10月〜12月は、単語・構文・文法の穴を埋めながら、大問ごとの「型」を作る時期です。要約は週に1題、自由英作文は週に2題を目安に書き、必ず第三者に添削してもらいます。
2027年1月は、共通テストのリーディングとリスニングの仕上げを優先します。東大形式の練習は週に1回、通し演習を維持して、記述の感覚を落とさないようにします。
共通テスト後から2月25日までは、過去問を2026年度と同じ14時から16時の120分で通して解きます。リスニングの30分程度を含めた時間配分を体に入れ、2022〜2026年度の5年分を目安に2周します。
高橋通しで解く練習は、本番と同じ時間帯でやるといいんですね!
松田塾長体のリズムも大事ですからね。もう一つ、点数の取り方を決めておきます。

記述式5カ所を「点を落としにくい形」にする
記述式の大問は、1(A)要約、2(A)自由英作文、2(B)和文英訳、4(B)下線部和訳、5の説明と和訳の5カ所です。完璧を目指すより、大きな減点を避ける方が合格ラインに近づきます。要約は字数超過をしない、英作文は語数と文法ミスを減らす、和訳は文脈の情報を補う、という「減点されにくい書き方」を過去問で繰り返し練習しましょう。
高橋時間配分は、どう決めればいいですか?
松田塾長一つの目安として、120分を次のように使う方法があります。1(A)要約に15分、1(B)に10分、2(A)自由英作文に15分、2(B)に10分、3リスニングに30分程度、4(A)に10分、4(B)に10分、5に20分です。あくまで練習用の目安なので、自分の苦手な大問に合わせて数分単位で調整してください。じゃあ次は、受験生が陥りやすい失敗を見ておきましょう。

よくある失敗・注意点
松田塾長東大英語でよくある失敗を3つ挙げます。1つ目は、「英語は得意だから対策は要らない」という判断です。

模試の英語が得意でも東大の形式には別の練習が要る
要約、正誤判定、30分程度のリスニング、小説の記述説明は、他の大学ではあまり見ない形式です。学校の定期テストや一般的な模試の点数が高くても、東大の形式に慣れていないと、120分の中で時間が足りなくなることがあります。
高橋得意だと思っている人ほど油断しそうですね(笑)。2つ目は何ですか?
松田塾長共通テスト対策で二次の記述が鈍ることです。共通テスト直前の1月は、マーク式の演習が中心になり、書く練習がおろそかになりがちです。要約と英作文を週1回でも続けておかないと、共通テスト後の立て直しに時間がかかります。

高橋3つ目は?
松田塾長大問ごとの時間配分を最後まで決めないことです。正誤判定の英文が長くなったように、1つの大問に想定以上の時間を取られる年度もあります。「この大問は何分で切り上げる」というルールを決めて練習しておくと、本番で焦りが減ります。

不安になりすぎる必要はありません
ここで挙げた失敗は、いずれも早めに気づいて練習を組み直せば対応できるものです。大事なのは「自分はどれに当てはまりそうか」を確認することです。
高橋じゃあ、次は自分の場合を確認したいです!
自己診断(セルフチェック)
松田塾長東大英語の対策で、次のチェックリストに当てはまるものがいくつあるか確認してみてください。

東大英語セルフチェック
– 英文の意味は分かるのに、日本語で80字以内にまとめようとすると長くなってしまう
– 自由英作文を書くと、60〜80語に収まらない、または途中で文法が不安になる
– 正誤判定で、文法の誤りは分かるのに文脈上の誤りに気づけない
– リスニングの選択肢が長いと、聞いている間に内容が抜け落ちる
– 小説の記述問題で、登場人物の気持ちを日本語で説明するのが苦手
– 過去問を120分で通して解くと、最後の大問に十分な時間が残らない
– 共通テスト形式の演習ばかりで、記述の答案を第三者に添削してもらったことがない
高橋うわあ、自由英作文の語数と、通しで解いたら時間が足りない、が思い当たります(笑)。
松田塾長それは典型的です。ここで大事なのは、当てはまる項目が同じでも、原因は人によって違うということです。同じ「語数に収まらない」でも、語彙が少なくて言い換えができない人と、日本語の段階で内容を整理できていない人では、やるべき練習が違いますよね。次のセクションで基本情報を一覧にしておきます。

基本情報まとめ
松田塾長ここまでの数字を、一覧にしておきます。

| 項目 |
内容 |
| 大学名・学部 |
東京大学 教養学部(文科一類・文科二類・文科三類) |
| 入試方式 |
一般選抜(前期日程) |
| 総合点(満点) |
550点(共通テスト110点+第2次学力試験440点) |
| 第2次学力試験の科目配点 |
国語120点・数学80点・地理歴史120点・外国語120点 |
| 英語の配点 |
二次120点(二次の約27.3%)、共通テスト換算22点、合計142点(総合点の約25.8%) |
| 英語の試験時間 |
120分(聞き取り試験は30分程度) |
| 英語の大問数 |
5題(1〜5、記述式とマーク式の併用) |
| 2026年度の合格最低点 |
文科一類325.01点・文科二類330.47点・文科三類316.32点 |
| 分析対象の年度 |
2026年度入試(令和8年度募集要項・2023〜2026年度の合格最低点) |
| 2027年度入試の日程 |
2027年2月25日(木)・26日(金) |
| 公式サイト |
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_02_01.html |
高橋こうして見ると、120点という数字のうしろに、大問5題と3,000語超の英文があるんですね。
松田塾長そのとおりです! じゃあ最後に、ほかの大学と比べてみましょう。

類似する大学・学部との比較
松田塾長東大文科のように、共通テストと二次試験の両方で合否を決める国公立の文系は、志望校を選ぶときに他大学との比較が欠かせません。たとえば
東北大学 文学部は、二次試験1300点のうち英語が500点で、約38.5%を占めます。東大の英語は二次の約27.3%と比率は低めですが、要約・正誤判定・リスニングと問われる力の種類が多い点が特徴です。

高橋比率が低くても、出題の中身は東大のほうが多彩なんですね。私立との併願だと、どこが違うんでしょう?
松田塾長併願の代表として、
早稲田大学 政治経済学部は共通テスト100点と総合問題100点の200点満点で、英語の重みは全体の50%です。
早稲田大学 文学部は英語75点、総点200点で、比率は37.5%、試験時間は90分です。東大は120分で記述中心、早稲田文学部は90分で大問5題のうちマーク式が中心と、時間感覚も解答形式もかなり違います。

高橋併願するなら、東大対策と別枠で早慶対策の時間も確保しないといけないですね!
よくある質問
高橋最後に、みんなが気になりそうな質問をまとめて聞いてもいいですか?
松田塾長もちろんです。順番に答えていきますね。

高橋東大の二次試験の英語にリスニングはありますか?
松田塾長あります。英語試験の一部分に、30分程度の聞き取り試験が入ります。2026年度は(A)(B)(C)の3つの音声で、各5問、計15問でした。

高橋文科一類・二類・三類で、英語の配点は違いますか?
松田塾長違いません。第2次学力試験の外国語は、文科各類とも120点です。違いは合格最低点で、2026年度は文科一類が325.01点、文科二類が330.47点、文科三類が316.32点でした。

高橋英語で何割取れれば合格圏に入りますか?
松田塾長英語だけで決まる数字はありません。目安として、共通テストが85%なら、文科一類の2026年度の最低点に届くには二次で約52.6%が必要です。英語を6割(72点)取れれば、ほかの3科目は約49.8%でよい計算になります。

高橋英語以外の外国語でも受験できますか?
松田塾長できます。ドイツ語、フランス語、中国語も、出願時に届け出ることで受験できます。ただし、この記事は英語で受験する場合の解説です。

高橋先生、ここまでで東大文科の英語がどういう試験かは、かなり見えてきました。
松田塾長東大文科の英語は、二次の120点、大問5題、約3,200語の英文、30分程度のリスニングという構成でした。合格最低点は550点満点の6割前後で、英語は国語・地歴と並ぶ最大配点です。ここまでが、東大文科の受験生に共通する話です。ただ、実際にどこから手をつけるべきかは、人によってまったく違います。

高橋同じ「東大英語が苦手」でも、違うんですか?
松田塾長違います。たとえば「要約が80字に収まらない」という症状でも、英文の構造が取れていない人、日本語の圧縮が苦手な人、書き出しの指定から論理をつなげられない人と、原因はいろいろです。「リスニングで崩れる」も、語彙が足りない人、音声のスピードに慣れていない人、選択肢を読む時間が足りない人で、練習が変わります。

高橋間違った練習を続けてしまうと、時間がもったいないですよね……。
松田塾長そこが一番もったいないところです。勉強していないことより、優先順位を間違えたまま数カ月が過ぎてしまうことのほうが、大きな損失になりやすいんです。逆に、現状、合格最低点との差、優先して直すべき弱点、やるべき勉強が見えれば、迷わず積み上げられます。英語進学塾リオンでは、今の英語力と東大文科という志望校を確認しながら、何を・どの順番で改善すべきかを一緒に整理しています。現在どの大問でつまずいているのか、合格最低点との差はどのくらいか、今の勉強法を続けてよいのかを持ち帰れるので、気になる方は一度確認してみるといいですよ。

参考リンク
Q. 東大の二次試験の英語にリスニングはありますか?
あります。英語試験の一部分に、30分程度の聞き取り試験が入ります。2026年度は(A)(B)(C)の3つの音声で、各5問、計15問でした。
Q. 文科一類・二類・三類で、英語の配点は違いますか?
違いません。第2次学力試験の外国語は、文科各類とも120点です。違いは合格最低点で、2026年度は文科一類が325.01点、文科二類が330.47点、文科三類が316.32点でした。
Q. 英語で何割取れれば合格圏に入りますか?
英語だけで決まる数字はありません。目安として、共通テストが85%なら、文科一類の2026年度の最低点に届くには二次で約52.6%が必要です。英語を6割(72点)取れれば、ほかの3科目は約49.8%でよい計算になります。
Q. 英語以外の外国語でも受験できますか?
できます。ドイツ語、フランス語、中国語も、出願時に届け出ることで受験できます。ただし、この記事は英語で受験する場合の解説です。