高橋先生、相談です。うちの中学生の子が、学校に行かないだけでなく、ほとんど家から出なくなりました。友だちにも会わず、部屋で過ごす時間が長くて。「ひきこもり」という言葉が頭に浮かんで検索してみたのですが、どこに相談すればいいのか、家で何をすればいいのか、勉強はどうなるのか、分からないことばかりです。
松田塾長この記事にたどり着くまでに、お一人で、ずいぶん悩まれたと思います。先にお伝えしておきたいことがあります。お子さんが家で過ごす時間が長くなったのは、保護者の方の育て方のせいでも、お子さんの怠けでもありません。厚生労働省のひきこもり支援のサイトにも、「怠け」「親の甘やかし」といった見方は誤解であり偏見で、ひきこもりは誰にでも起こりうることだ、と書かれています。

高橋そう言っていただけるだけで、少し息がつけます。
高橋絞ってもらえると助かります。
松田塾長前提が2つあります。1つ目は、この記事のねらいが、お子さんを外に出すことでも、学校に戻すことでもない点です。外に出るかどうかも、勉強を再開するかどうかも、先に尊重したいのは、お子さんの気持ちと心身の状態です。2つ目は、私は医療の専門家ではないため、お子さんの状態の診断や、「ひきこもりかどうか」の判断はできない点です。心や体の不調が気になるときは、まず医療機関や公的な相談窓口に、あわせて学校の先生やスクールカウンセラーにも、相談してください。

まず結論 相談先を知り、家で安心して過ごせる環境を整え、勉強は本人の状態を見てから
高橋結論から教えてください。ひきこもり状態の中学生の保護者は、何から始めればいいのでしょうか。
松田塾長順番に並べると、次の5つです。1つずつの中身は、このあと順番にお話しします。

| 順番 |
やること |
ねらい |
| 1 |
ひきこもりと不登校の違いを知る |
今の状況を、落ち着いて整理する |
| 2 |
相談先を知り、保護者だけでも相談してみる |
一人で抱え込まない |
| 3 |
心や体の不調が気になるときは、専門の窓口に相談する |
勉強や工夫より先に、安全と健康を確かめる |
| 4 |
家で、安心して過ごせる環境を整える |
本人が休める場所を守る |
| 5 |
勉強は、本人の意思と状態を見て、小さな入口から考える |
無理のない形で、学びの選択肢を残す |
高橋全部、今すぐやらなければいけないのでしょうか。
松田塾長全部を一度にやる必要はありません。表の2番の「相談してみる」だけで、最初の数週間が過ぎることもあります。順番は決めても、進む速さはお子さんと保護者の方が決めてよいのです。5番の勉強は、ずっと後で構いません。まず、ひきこもりという言葉が何を指すのかを確かめましょう。

ひきこもりとは何か 不登校との違いと、重なること

高橋「不登校」と「ひきこもり」は、同じ意味ではないのですか。
松田塾長別の言葉です。厚生労働省の「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」(2010年)では、ひきこもりを、様々な要因の結果として、就学、就労、家庭外での交遊などの社会的参加を避け、原則として6か月以上にわたって、おおむね家庭にとどまり続けている状態、と説明しています。他者と交わらない形での外出をしていてもよい、とも書かれています。ガイドラインは、これを「現象概念」と呼んでいます。病名ではなく、状態を表す言葉だということです。

高橋不登校のほうは、どう説明されているのですか。
松田塾長文部科学省の令和6年8月29日付け通知は、不登校の児童生徒を、何らかの心理的、情緒的、身体的もしくは社会的な要因や背景によって、学校生活への適応が困難なために、相当の期間出席しない、またはできない状況にある児童生徒、と説明しています。不登校かどうかは、調査の「年間30日以上の欠席」が一つの参考になるものの、判断は学校またはその設置者が行う、とも書かれています。ひきこもりは家庭にとどまる状態、不登校は学校との関わりの状況、というように、見ているところが違います。

高橋でも、学校に行かずに家にいる子は、両方に当てはまりませんか。
松田塾長重なることはあります。ひきこもりの説明に「義務教育を含む就学」が入っているので、学校に行かず、家庭にとどまる状態が続いているお子さんは、不登校でもあり、ひきこもりの説明にも当てはまることがあります。ただ、不登校のお子さんが全員そうだ、という意味ではありません。放課後や休日に外出したり、友だちと会ったりするお子さんもいます。そして、お子さんがどちらに当たるのかは、保護者の方や私たち塾が決めることではなく、専門の相談機関と一緒に考えることです。

不登校とひきこもりの違い(公的資料での説明)
– 不登校 ― 学校生活への適応が困難なために、相当の期間、出席しない・できない状況。年間30日以上の欠席が一つの参考で、判断は学校またはその設置者が行う(文部科学省 令和6年8月29日付け通知)
– ひきこもり ― 就学・就労・家庭外での交遊などの社会的参加を避け、原則6か月以上、おおむね家庭にとどまっている状態を指す「現象概念」。他者と交わらない形での外出をしていてもよい(厚生労働省 ガイドライン)
– 重なり ― 学校に行かず、家にとどまる状態が続くと、両方の説明に当てはまることがある。当てはまるかどうかは、保護者が決めることではない
– 診断名ではない ― どちらも、状態や状況を表す言葉
高橋「6か月」という言葉が出てきました。6か月たっていないと、相談できないのでしょうか。
松田塾長そんなことはありません。令和7年1月の厚生労働省の「ひきこもり支援ハンドブック」には、支援の対象となる状態にある期間は問わない、と書かれています。以前の定義の期間を厳密に当てはめて、「6か月たってからまた来てください」と言われた方がいたことが、課題として挙げられています。ですから、気になったときが、相談してよいときです。

高橋同じ悩みの家庭は、どれくらいあるのでしょうか。
松田塾長厚生労働省のページには、令和4年度に内閣府が行った調査で、15歳から64歳の50人に1人がひきこもり状態にあると公表されている、と書かれています。ただ、この調査の対象は15歳以上なので、中学生だけの数字ではありません。それでも、お子さんだけに起きた特別なことではない、という目安にはなります。気づいた時点で相談してよいということと、一人ではないということを、覚えておいてください。

高橋相談してよいと分かったところで、中学生の場合、どこに相談すればいいのか、迷います。
松田塾長ここが一番つまずきやすいところです。次の章でお話しします。

我孫子市の相談先 中学生の保護者が使える窓口

高橋我孫子市に、ひきこもりの相談窓口はありますか。
松田塾長市の公式サイトに「ひきこもりの相談について」というページがあります。ただ、このページに載っているのは、千葉県ひきこもり地域支援センターの電話相談で、対象は「原則18歳以上」と書かれています。中学生のお子さんの場合は、別の窓口から始めることになります。2026年10月時点で、我孫子市の公式ページで確認できた窓口を、順番に挙げます。

高橋「ひきこもり」という名前の窓口でなくても、相談してよいのですか。
松田塾長大丈夫です。市の窓口のページに「ひきこもり」という言葉が書かれているわけではありませんが、学校に行きにくい、家庭の悩みがある、といった相談を受けている窓口なので、「家にいる時間が長くなっている」と話して構いません。窓口ごとの特徴は、次のとおりです。

| 窓口 |
対象と主な相談内容 |
受付 |
電話 |
| 我孫子市 教育相談センター |
市内在住の小中学生の本人や保護者。学校に行くことが難しい、学習が遅れがち、友だちとのコミュニケーションなど |
電話は月曜〜金曜(祝日・年末年始を除く)の午前9時から午後4時30分。来所は午前9時から午後4時で要予約 |
04-7187-4600 |
| 我孫子市 こども家庭センター |
子育てや家庭の悩み、困りごと。子ども自身からの相談も受け付けている |
平日の午前8時30分から午後5時(土日祝日・年末年始は休み) |
04-7185-1123(相談専用ダイヤル) |
| こども家庭センター かるがも(我孫子駅前) |
同上。我孫子駅南口のアビイクオーレ2階 |
平日の午前10時から午後5時 |
窓口で相談 |
| 我孫子市 子ども・子育て相談窓口(LINE) |
市内在住の子ども本人や保護者。学習・進路・学校のこと、家庭のことなど |
24時間受付。回答には時間がかかる場合がある |
我孫子市公式LINEに登録して利用 |
| 我孫子市 ひきこもりの相談について(障害者支援課のページ) |
原則18歳以上のひきこもりに関する問題を抱えた本人、家族等。千葉県ひきこもり地域支援センターの電話窓口を案内している |
千葉県の窓口の受付に準じる |
043-307-3812 |
高橋教育相談センターと、こども家庭センターは、どう使い分ければいいですか。
松田塾長はっきりした線引きはありません。学校のこと、学習のこと、登校のことが中心なら、教育相談センター。家庭全体の困りごとや、保護者の方自身が疲れてしまっているなら、こども家庭センター、というのが、わかりやすい目安です。教育相談センターの相談員は、ケースワーカー、指導主事、公認心理師、言語聴覚士と、市のページに書かれています。こども家庭センターは、社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士、保健師などの専門職が相談に応じ、電話やLINEのほか、ご自宅への訪問相談も行っている、と書かれています。お子さんが外に出にくい場合は、訪問の相談ができるかどうかを、電話で聞いてみてもよいと思います。

高橋学校には、先に言っておいたほうがいいのでしょうか。
松田塾長担任の先生や、スクールカウンセラーには、早めに状況を伝えておくと、あとで学校に確認したいことが出てきたときに、相談しやすくなります。文部科学省の令和元年10月25日付けの通知にも、学校がスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを活用して、相談支援体制をつくることが書かれています。ただ、「学校に話したくない」という気持ちが強いときは、市の窓口から先に相談しても構いません。

高橋相談のとき、何を話せばいいのか分からなくて、構えてしまいそうです。
松田塾長うまく話そうとしなくて大丈夫です。話しやすくなるよう、メモしておくとよいことを、次にまとめます。

相談の前に、メモしておくと話しやすいこと
– いつごろから ― 家で過ごす時間が増えたのは、いつごろからか。正確な日付でなくてよい
– 学校とのやり取り ― 担任の先生と連絡が取れているか、学校に伝えたこと
– 家での様子 ― 食事や睡眠、家族との会話、気になった言葉や行動
– 本人が話せること・嫌がること ― 話題にすると落ち着くこと、避けたほうがよさそうなこと
– 保護者の方が、いま一番困っていること ― 「どうすればいいか分からない」だけでも十分
高橋それなら、書けそうです。市の窓口のほかに、県の窓口もあると聞きました。
松田塾長千葉県には、ひきこもりの専門窓口があります。ただ、ここにも対象年齢の注意があるので、次の章で確かめましょう。

千葉県・国の窓口 対象年齢に注意して選ぶ
高橋千葉県ひきこもり地域支援センターは、中学生の相談もできるのでしょうか。
松田塾長ここは、正直に整理してお話しします。千葉県のページには、千葉市を除く県内在住の方が対象で、ひきこもり状態にある本人、家族、関係機関など、どなたでも相談できると書かれています。相談例には「子どもがひきこもっている状態にあり、相談したい」も挙がっています。一方、我孫子市のページには、対象が「原則18歳以上」と書かれています。県のページには、対象の年齢は書かれていません。パンフレットの注記には、15歳から39歳までの相談は「ライトハウスちば」を利用できる、と書かれています。ですから、中学生のお子さんのことで、どこまで受け付けてもらえるかは、公式の資料だけでは判断できません。

高橋では、電話で聞いてみるのがいいのでしょうか。
松田塾長そうですね。最初から「中学生の子どものことで相談したい」と伝えて、受け付けの範囲を確かめてください。電話は043-307-3812で、月曜から金曜(祝日・年末年始を除く)の午前9時30分から午後4時30分です。来所は予約制で、事情があって来所が難しい場合は、出張相談も対応できる、と書かれています。メールでの相談は受け付けていない、と明記されています。

高橋「ライトハウスちば」とは、何ですか。
松田塾長千葉県子ども・若者総合相談センターのことです。ひきこもり、ニート、不登校など、社会生活を円滑に営むうえで困難を抱える、概ね39歳までの子ども・若者を支援するために、県が設けている相談窓口です。本人だけでなく、家族や学校の先生も相談できます。「どこに相談すればよいか分からない」ときに、まず電話してよいと、県のページに書かれています。

| 窓口 |
対象と主な相談内容 |
受付 |
電話 |
| 千葉県子ども・若者総合相談センター「ライトハウスちば」 |
ひきこもり、ニート、不登校など、困難を抱える概ね39歳までの子ども・若者と、その家族・関係者。電話相談と、予約制の面接相談 |
火曜〜日曜の午前10時から午後5時(月曜・年末年始は休み。月曜が祝日の場合は翌火曜も休み) |
043-420-8066 |
| 千葉県「子どもと親のサポートセンター」 |
学校生活のこと、心や身体のこと、進路や適性のことなど。本人、保護者、教職員が対象 |
電話は24時間。来所は平日の午前9時から午後5時(新規は電話で申し込み) |
0120-415-446(県内は無料) |
| 千葉県ひきこもり地域支援センター |
ひきこもり状態にある本人、家族など。千葉市を除く県内在住が対象。我孫子市のページには「原則18歳以上」とある |
月曜〜金曜(祝日・年末年始を除く)の午前9時30分から午後4時30分 |
043-307-3812 |
高橋「ライトハウスちば」には、保護者向けの集まりもあるのですか。
松田塾長親の会を、年に6回開く、と県のページに書かれています。ニート、ひきこもり、不登校などのお子さんを持つ保護者の方が孤立しないように、悩みを共有できる場として開かれています。日時や内容は、ライトハウスちばのウェブサイトで確認できます。ひきこもり地域支援センターにも、同じような悩みを持つ家族が学んだり語り合ったりする「ひきこもり家族教室」があります。参加には事前の面談が必要、参加費は無料です。ただ、家族教室の対象となる年齢は公式の資料からは分からないので、電話で確かめてください。

高橋若者向けの支援プログラムもありましたが、中学生は使えますか。
松田塾長県のページでは、家にこもりがちな若者を対象にした支援プログラムの対象者が「義務教育終了後から30歳前後まで」と書かれています。中学生のお子さんは、このプログラムの対象にはなりません。電話相談や面接相談で、どのような支援があるかを聞くところから始めるのが現実的です。

高橋国の窓口はありますか。
松田塾長厚生労働省が運営する、ひきこもり支援のポータルサイト「ひきこもりVOICE STATION」があります。ひきこもりに関する基礎情報や、全国の相談窓口の一覧、当事者や家族の声などが載っています。電話や来所の窓口ではなく、情報を読むためのサイトです。お子さんにすぐ見せるというより、保護者の方が、状況を知ったり、他の人の声を読んだりするための場所だと考えてください。

高橋市の窓口、県の窓口とあって、どこから電話すればいいか、まだ迷います。
松田塾長迷うときは、お子さんの年齢と状況に近いところから、1か所選んでください。一度の電話で解決しなくても構いません。複数の窓口に相談しても問題ありませんし、窓口同士がつないでくれることもあります。次は、心や体の不調が気になるときのことです。

心や体の不調が気になるとき 勉強や工夫より先に
高橋家にいる時間が長くなると、心や体の具合が悪いのではと、心配になります。
松田塾長その心配は、大切にしてください。ひきこもりの背景に、心や体の不調が関わっていることもあります。ただ、それを見分けて診断するのは、医療機関など専門の機関の役割です。私にも、保護者の方にもできません。ですから、気になる様子があるときは、勉強や家庭での工夫より先に、次のような窓口に相談してください。

心や体の不調が気になるときの相談先
– 学校 ― 担任の先生、養護教諭、スクールカウンセラー。保護者の方から連絡して構いません
– 医療機関 ― かかりつけ医や、心の不調に対応する医療機関。どこを受診すればよいか分からないときは、学校のスクールカウンセラーや、下の精神保健福祉センターに相談してもよい
– 千葉県精神保健福祉センター ― 心の健康、精神科医療、思春期の精神保健などの電話相談(こころの電話相談 043-307-3360。月曜〜金曜、祝日・年末年始を除く午前9時から午後6時30分)。面接相談は予約制。千葉市を除く県内が所管
– 子どもと親のサポートセンター ― 心や身体のこと、学校生活のこと(0120-415-446。電話は24時間)
– お子さん自身が使える窓口 ― 千葉県教育委員会のSNS相談(県内の小中高生を対象としたLINE相談)、我孫子市の児童生徒の悩み相談ホットライン(04-7188-7867。市内小中学校の児童生徒が対象)、文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310。千葉県の相談窓口一覧に掲載)
高橋相談を急いだほうがいい様子は、ありますか。
松田塾長これは診断ではなく、私の経験にもとづく一般的な整理です。食事や睡眠が大きく崩れている、自分を傷つけるような言葉や行動がある、家族や物に激しく当たる、体の具合が悪そうなのに受診を嫌がる。こうした様子が見られたときは、「様子を見よう」と一人で抱えず、そのまま相談窓口に伝えてください。当てはまらなくても、不安なら相談して構いません。

高橋LINE相談は、緊急のときも使えますか。
松田塾長市のページには、LINE相談の回答には時間がかかる場合がある、と書かれています。虐待の通告や健康状態の相談など、緊急の回答が必要なときは、児童相談所の虐待対応ダイヤル(189)、警察(110)、子ども医療電話相談(#8000)、救急安心センター(#7119)を使うよう、市が案内しています。お子さんの命や安全に関わると思うときは、迷わず、こうした窓口や、警察(110)・救急(119)に連絡してください。

高橋相談先は分かりました。家では、何をすればいいのでしょう。
松田塾長次の章で、家庭でできることをお話しします。

家庭でできること 安心して過ごせる環境と、短い会話から
高橋家庭では、親として何ができるのでしょうか。
松田塾長厚生労働省の「ひきこもり支援ハンドブック」は、支援する人向けの資料ですが、家族について大切なことが書かれています。保護者の方が焦って叱咤激励し、無理に外へ連れ出そうとしても、状況は改善しない。一方で、家の中で本人が過ごしやすい、安全・安心な環境を整えることで、本人の気持ちや家族への対応が変わることがある、という内容です。

高橋外に出すことを目指さない、ということですね。
松田塾長目指さなくてよい、と私は考えます。まず必要なのは、外に出すことより、家が安心して休める場所であることです。同じハンドブックは、ひきこもり支援の目指す姿を、本人が社会参加や就労をすることのみをゴールにするのではなく、本人とその家族が、自分の意思で今後の生き方や社会との関わり方を決められるようになること(自律)を目標とする、と説明しています。そう考えると、保護者の方ができることが、少し見えてきます。次に挙げるのは、私の経験にもとづく一般的な整理で、お子さんによって、合う関わり方は違います。

家庭でできること(まずここから)
– 安心して過ごせる環境を守る ― 休んでいる本人を、責めたり急かしたりしない。生活の場所を、本人が落ち着ける状態に保つ
– 短い声かけを続ける ― 「おはよう」「ごはんできたよ」など、返事を求めない一言から。反応がなくても続ける
– 日課をゆるやかに保つ ― 食事の時間など、家族の生活のリズムは保ちつつ、本人に同じリズムを求めすぎない
– 本人の意思を聞く ― 相談に行くこと、勉強を始めることを、本人に黙って決めない
– 保護者の方自身も相談する ― 家族だけで抱えない。保護者が相談に行って学んでいることを、本人に伝えるのも一つの方法
高橋保護者が相談に行っていることを、本人に伝えてもいいのですか。
松田塾長同じハンドブックには、本人と家族が話す機会に、「本人のことが心配で、家族が学ぶためにひきこもり相談に行った」と伝えてもらうのもよい、という内容が書かれています。家族の変化を通じて、相談窓口への安心感や信頼が生まれることがある、とも書かれています。ただ、伝え方や、伝えるかどうかは、お子さんの様子によって違います。窓口の相談員と一緒に考えてください。

高橋親の対応で、やってはいけないことは、ありますか。
高橋保護者自身も、疲れてしまいます。
松田塾長そうですよね。保護者の方が相談して、少し楽になることも、お子さんが安心して過ごせる家につながります。ここまでの話は、勉強とは別の話です。勉強については、次の章でお話しします。

学習面 無理に再開させず、本人の状態と意思を尊重して

高橋家にいる間、勉強はどうなるのでしょうか。遅れが心配です。
松田塾長心配なのは、よく分かります。国の考え方も、2つの面があります。文部科学省の令和元年10月25日付けの通知には、不登校の支援は、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、本人が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要がある、と書かれています。同じ通知には、不登校の時期が休養や自分を見つめ直す積極的な意味を持つことがある一方で、学業の遅れや進路選択上の不利益に留意することも書かれています。休むことの意味も、遅れの心配も、どちらも本当のことです。

高橋それなら、いつ勉強を始めればいいのでしょうか。
松田塾長始める時期の決まりは、ありません。勉強の再開は、本人の意思と心身の状態が先で、時期は後から決まるものだと考えてください。学校の勉強の話題を出したときに、お子さんが落ち着いて聞けるか。そこを見守りながら、負担の小さい入口を用意しておく、という考え方です。図の順番は一例で、1番で止まっていても、何も問題はありません。

高橋負担の小さい入口とは、たとえば、どんなものですか。
松田塾長家にいる状態でも選べるものを、表にまとめます。どれが正しいということではなく、お子さんの様子に合う形を探すための材料です。

| 学び方 |
向きやすいお子さん |
確かめたいこと |
| 家庭で教科書やワーク |
外出や人との接触が負担で、自分のペースで始めたい |
保護者の関わり方、続け方、学校のプリントの受け取り方 |
| 映像授業(録画) |
顔を出さずに、好きな時間に、繰り返し見たい |
質問できるか、続ける仕組みがあるか |
| オンラインのライブ授業 |
生活のリズムを少しずつ作りたい、先生とやり取りしたい |
顔出しの扱い、時間帯、欠席した日の対応 |
| 我孫子市の教育支援センター |
学校の外に、人と過ごせる場所がほしい |
登室までの流れ、本人の意志の確認 |
| 民間の塾・学習支援(対面・オンライン) |
学び方を一緒に決めたい、1対1のほうが安心 |
先生との相性、料金、通う場所や通信環境、体験の有無 |
高橋我孫子市の教育支援センターは、ひきこもり状態の子も使えるのでしょうか。
松田塾長市の保護者向け案内には、教育支援センター「かけはし」「ひだまり」は、学校への登校に不安や困難を抱える児童生徒の居場所となり、一人ひとりに寄り添って支援する場だと書かれています。市内小中学校に在籍する児童生徒が対象で、利用料はかかりません(校外学習の施設利用料や昼食代などは実費)。よくある質問には、家にいる時間が長いお子さんが、「家の外に出て人と関わる」という目標で、登室して少し話してすぐ帰宅する使い方も考えられる、と書かれています。また、登室は在籍する学校の「出席扱い」になる、とも書かれています。ひきこもり状態のお子さんがそのまま対象になるかどうかは、市の案内にはっきり書かれていないので、教育相談センター(04-7187-4600)に聞いてください。

高橋家で勉強した分や、塾の学習は、学校ではどう扱われるのでしょうか。
松田塾長ここは、思い込まないでください。文部科学省の令和元年10月25日付けの通知の別記を見ると、扱いが場面ごとに違います。学校外の施設で相談・指導を受けるとき(別記1)は、保護者と学校との連携や、本人の社会的自立を目指す指導であることなどの要件を満たす場合に、校長が指導要録上出席扱いにできる、とされています。施設は、教育支援センターなどの公的機関が基本で、公的機関に通えないなどの場合は民間施設も考慮してよい、と書かれています。施設に通所または入所して相談・指導を受ける場合が前提で、民間施設が適切かどうかは、校長が教育委員会と連携して判断します。

高橋自宅での学習は、どうですか。
松田塾長別記2は、家庭にひきこもりがちな不登校の児童生徒の支援を趣旨に挙げています。一定の要件を満たしたうえで、自宅でICT等を活用した学習を行った場合、校長は出席扱いにして、成果を評価に反映できる、とされています。要件には、保護者と学校の連携のほか、訪問等による対面指導が適切に行われることなどが含まれ、基本的には、学校外の施設で相談・指導を受けられないような場合の学習活動とされています。さらに、令和6年8月29日付けの通知では、文部科学大臣が定める要件の下で、欠席中に行った学習の成果を、学校の判断で成績評価に考慮できる、とされています。通知の対象は、いずれも「不登校児童生徒」です。

高橋つまり、塾に通えば出席になる、というわけではないのですね。
松田塾長そうなんです。通知の書き方からは、出席扱いは校長が、成績評価は学校が、要件を踏まえて判断する、と受け止めておくのが正確です。実際の扱いは、学校や教育委員会によって違います。お子さんが通知の対象になるかどうかも含めて、先に担任の先生や学校の相談窓口に確認しておいてください。

出席扱いについて、先に知っておきたいこと
– 塾や教室の説明だけで決めない ― 出席扱いにするかどうかを決めるのは、在籍する学校(校長)
– 通知の対象は「不登校児童生徒」 ― お子さんが対象になるかも、学校に確認する
– 学校との連携が要件に含まれる ― 学習の様子を学校に伝える場面が出てくることがある
– 自宅学習の出席扱いには、訪問等による対面指導が含まれる ― 家で動画を見るだけで、自動的に出席になるわけではない
– 出席扱いのために勉強しない ― 本人の気持ちと状態が先で、制度は後から考えてよい
高橋勉強の話を出したら、本人が嫌がった場合は、どうすればいいですか。
高橋学び方の選択肢の一つとして、先生の塾のことも聞きたいです。
松田塾長はい。押しつけにならないように、事実だけをお話しします。

英語進学塾リオンの場合 無料体験・無料の個別相談と、保護者だけの相談
高橋先生の教室では、不登校やひきこもりのお子さんを、見ているのですか。
松田塾長不登校の生徒の指導は、リオンが長く続けてきたことの一つです。3校とも、対応コースの「その他」に「不登校・引きこもり対策」の項目があります。校舎は、千葉校と、全国から受講できるオンライン校、そして我孫子駅南口から徒歩1分の柏・我孫子校の3つです。

高橋家で過ごす時間が長かったお子さんは、その後どうなったのでしょうか。
松田塾長ひとつのケースにすぎず、ほかのお子さんにも同じように当てはまるとは限りません。家で過ごす時間が長く、小学生のころから学校に行けなかった生徒が、いま高校生になり、生き生きとした毎日を送っています。そういう生徒もいた、という事実だけをお伝えします。

高橋外に出るのが難しい場合は、どうすればよいでしょうか。
松田塾長無料体験授業は、Zoomでも対面でも受けられます。ご自宅から、Zoomで参加することもできます。柏・我孫子校と千葉校のほか、全国から受講できるオンライン校もあります。

高橋顔を出すのが難しい場合は、どうなりますか。
松田塾長通常授業での顔出しの扱いは、お子さんの様子を伺ってからご案内します。お問い合わせで直接ご確認ください。

高橋親だけで相談する、ということもできますか。
松田塾長保護者の方のみの参加・相談も歓迎しています。無料の個別相談で、まず保護者の方が状況を話して、お子さんに話すかどうかは、そのあとで決められます。

高橋授業を受けてみたくなったときは、どうなりますか。
松田塾長無料体験授業は中学生が対象で、保護者の方のみの相談もできます。Zoomと対面のどちらでも受けられます。英語のほか、数学・国語・日本史・世界史・社会なども学べる環境が揃っています。ひきこもりの状態にある中学生をはじめ、高校生も学べる環境です。お電話は、フリーダイヤル 0120-241-261(オンライン校)へ。受付は月〜土の10時〜22時です。LINEと問い合わせフォームの案内もあります。「オンデマンド講座」という自宅での映像授業もありますが、対象や進め方は、お問い合わせで聞いてみてください。

高橋通常の授業や、料金はどうなりますか。
松田塾長通常の授業の受け方と、ひきこもり状態のお子さん向けの具体的な進め方は、記事では書けないため、お問い合わせで聞いてみてください。個別授業の料金と、学校への報告や出席扱いについての対応も、同様です。授業料の金額は、コースごとに違うため、ここでは触れません。

高橋話を聞くだけでも、問い合わせてよいのでしょうか。
松田塾長かまいません。お子さんの学び方について、保護者の方がお一人で状況を話してみるだけでも、問い合わせてよいと思います。出席扱いなど学校の判断が関わることは、塾に聞く前に、学校に確認しておくことをおすすめします。

よくある質問
高橋ひきこもりと不登校は、同じ意味ですか?
松田塾長別の言葉です。不登校は、学校生活への適応が困難なために、相当の期間、出席しない、またはできない状況を指します。ひきこもりは、就学・就労・家庭外での交遊などの社会的参加を避け、原則として6か月以上、おおむね家庭にとどまっている状態を指すと、厚生労働省のガイドラインに書かれています。学校に行かず家にとどまる状態が続くと、両方の説明に当てはまることもあります。どちらに当たるかは保護者の方が決めることではないので、学校や相談窓口に相談してください。

高橋中学生の子のことでも、千葉県ひきこもり地域支援センターに相談できますか?
松田塾長千葉県のページには、千葉市を除く県内在住の、ひきこもり状態にある本人や家族などが対象と書かれていますが、年齢の記載はありません。我孫子市のページには、対象が「原則18歳以上」と書かれています。中学生のお子さんの場合の受け付けの範囲は、公式の資料だけでは判断できないので、電話(043-307-3812)で確認してください。我孫子市の教育相談センター(04-7187-4600)、こども家庭センター(04-7185-1123)、千葉県のライトハウスちば(043-420-8066)にも相談できます。

高橋本人が相談に行きたがりません。保護者だけで相談できますか?
松田塾長相談できる窓口があります。我孫子市の教育相談センターは、小中学生の本人や保護者が対象で、来所は予約制です。千葉県のライトハウスちばは、家族や学校の先生からの相談も受け付けていると書かれています。厚生労働省のハンドブックにも、ひきこもり支援では本人より先に家族が相談に来ることが多い、と書かれています。本人に黙って決めず、相談したことを本人にどう伝えるかも、窓口で一緒に考えてください。

高橋部屋から出てこない子に、勉強の話をしてもよいですか?
松田塾長本人が落ち着いて聞けそうな日に、短く、返事を求めずに話す程度がよいと考えています。これは私の指導経験にもとづく一般的な考え方で、お子さんによって違います。話題にして表情が固くなったり黙り込んだりするときは、勉強の話はいったん置いて、休むことを優先してください。文部科学省の令和元年10月25日付けの通知にも、登校という結果のみを目標にしないことが書かれています。心や体の不調が気になるときは、学校の先生、スクールカウンセラー、公的な相談窓口、医療機関に相談してください。

高橋家で勉強したことは、出席扱いや成績になりますか?
松田塾長出席扱いや成績評価にするかどうかは、在籍する学校(校長)の判断です。文部科学省の令和元年10月25日付けの通知の別記には、一定の要件を満たした場合に、校長が自宅でのICT等を活用した学習を出席扱いにし、成果を評価に反映できると書かれています。要件には、保護者と学校の連携や、訪問等による対面指導が含まれ、通知の対象は不登校児童生徒です。学校や教育委員会によって扱いが違うので、担任の先生や学校の相談窓口に確認してください。「塾に通えば出席扱いになる」とは限りません。

では、お子さんの場合は、何から始めるのがよいでしょうか
松田塾長ここまで、ひきこもりと不登校の違い、我孫子市と千葉県の相談先、心や体の不調が気になるときの窓口、家庭でできること、勉強の考え方をお話ししてきました。ただ、ここまでの話は、多くのご家庭に当てはまる一般的なことです。お子さんの場合にどうなのかは、記事だけでは分からないところが残ります。

高橋確かに、うちの子の場合、どこから始めればいいのか、まだ見えていません。
松田塾長同じ「家で過ごす時間が長い」でも、まず休むことが必要なお子さん、家では落ち着いていて外の人との関わりを少しずつ試したいお子さん、勉強の話題なら聞けるお子さん、勉強は考えられないお子さんと、さまざまです。原因や背景も、一人ひとり違います。だから、相談先も、勉強の入口も、お子さんによって変わります。

高橋お子さんに合わない関わり方のまま進めると、どうなりますか。
松田塾長気がかりなのは、頑張ろうとしている保護者の方が、お子さんの今の状態とずれたところから、動いてしまうことです。家族や支援者から「外に出ること」「就労すること」を求められて、本人がさらに傷つき、支援から遠ざかったり、家族との距離が離れたりした事例がある、と厚生労働省のハンドブックに書かれています。勉強の再開を急ぐ場合も、同じような行き違いが起きないよう、お子さんの様子を見ながら進めたいところです。反対に、今の状態に合った窓口にたどり着ければ、保護者の方の気持ちが少し楽になり、お子さんが安心して過ごせる環境も、整えやすくなることがあります。相談先と学び方を、お子さんのペースに合わせて選べれば、無理のない形で次の一歩を考えられます。

高橋体験では、どんなことが分かりますか。
松田塾長無料体験授業は、中学生が対象です。体験では、いまの英語力を確かめ、そこから先のロードマップを作ります。進め方や授業料は、お問い合わせでご確認ください。まず話を聞いて、判断していただいて構いません。市や県の窓口に相談しながら、学び方を考える場の一つとして、使ってください。

参考リンク
Q. ひきこもりと不登校は、同じ意味ですか?
別の言葉です。不登校は、学校生活への適応が困難なために、相当の期間、出席しない、またはできない状況を指します。ひきこもりは、就学・就労・家庭外での交遊などの社会的参加を避け、原則として6か月以上、おおむね家庭にとどまっている状態を指すと、厚生労働省のガイドラインに書かれています。学校に行かず家にとどまる状態が続くと、両方の説明に当てはまることもあります。どちらに当たるかは保護者の方が決めることではないので、学校や相談窓口に相談してください。
Q. 中学生の子のことでも、千葉県ひきこもり地域支援センターに相談できますか?
千葉県のページには、千葉市を除く県内在住の、ひきこもり状態にある本人や家族などが対象と書かれていますが、年齢の記載はありません。我孫子市のページには、対象が「原則18歳以上」と書かれています。中学生のお子さんの場合の受け付けの範囲は、公式の資料だけでは判断できないので、電話(043-307-3812)で確認してください。我孫子市の教育相談センター(04-7187-4600)、こども家庭センター(04-7185-1123)、千葉県のライトハウスちば(043-420-8066)にも相談できます。
Q. 本人が相談に行きたがりません。保護者だけで相談できますか?
相談できる窓口があります。我孫子市の教育相談センターは、小中学生の本人や保護者が対象で、来所は予約制です。千葉県のライトハウスちばは、家族や学校の先生からの相談も受け付けていると書かれています。厚生労働省のハンドブックにも、ひきこもり支援では本人より先に家族が相談に来ることが多い、と書かれています。本人に黙って決めず、相談したことを本人にどう伝えるかも、窓口で一緒に考えてください。
Q. 部屋から出てこない子に、勉強の話をしてもよいですか?
本人が落ち着いて聞けそうな日に、短く、返事を求めずに話す程度がよいと考えています。これは私の指導経験にもとづく一般的な考え方で、お子さんによって違います。話題にして表情が固くなったり黙り込んだりするときは、勉強の話はいったん置いて、休むことを優先してください。文部科学省の令和元年10月25日付けの通知にも、登校という結果のみを目標にしないことが書かれています。心や体の不調が気になるときは、学校の先生、スクールカウンセラー、公的な相談窓口、医療機関に相談してください。
Q. 家で勉強したことは、出席扱いや成績になりますか?
出席扱いや成績評価にするかどうかは、在籍する学校(校長)の判断です。文部科学省の令和元年10月25日付けの通知の別記には、一定の要件を満たした場合に、校長が自宅でのICT等を活用した学習を出席扱いにし、成果を評価に反映できると書かれています。要件には、保護者と学校の連携や、訪問等による対面指導が含まれ、通知の対象は不登校児童生徒です。学校や教育委員会によって扱いが違うので、担任の先生や学校の相談窓口に確認してください。「塾に通えば出席扱いになる」とは限りません。