高橋先生、東大の法学部を目指しているんですが、英語は入試でどれくらい効くんですか? そもそも法学部って、学部だけの入試があるわけじゃないですよね?
松田塾長結論から言いますね。東大に「法学部の入試」はなく、受験生は文科一類で出願して、入学後の進学選択で法学部へ進む仕組みです。その文科一類の二次試験では、英語(外国語)は120点で、二次440点の約27.3%を占めます。共通テストの英語(換算22点)を足すと142点で、550点満点の約25.8%です。ただ、数字そのものより大事なのは合格ラインとの距離で、2026年度の文科一類の合格最低点は325.01点、550点満点の約59.1%でした。

高橋えっ、法学部は入試じゃなくて進学選択なんですか! しかも550点満点の6割弱で受かるんですね?
松田塾長そうなんです。「満点を狙う入試」ではなく「6割前後を崩さず取り切る入試」なんですよ。ただし英語は要約、自由英作文、正誤判定、リスニングと形式が独特で、慣れていないと6割を取るのも簡単ではありません。この記事では、法学部に進む道筋、配点、大問ごとの解き方、文科一類の合格ラインからの逆算まで、順に見ていきましょう。

東大法学部に入る道筋と入試の全体像

松田塾長まず入口の話から始めます。東大は入学時に学部ではなく科類で募集していて、法学部を志望する人が出願するのは文科一類です。入学後は教養学部の前期課程で2年間学び、2年次の進学選択を経て法学部へ進みます。法学部の公式サイトには「法学部には、原則として、教養学部文科一類の学生が進学します」と書かれています。

高橋文科一類に入った人は、みんな法学部に行くんですか?
松田塾長2026年度の法学部進学者399人のうち、文科一類の出身者は336人で、約84%でした。2025年度は405人中345人で、約85%です。ただ、進学先は学生の志望や成績などをもとに決まる仕組みなので、「文科一類に入れば自動的に法学部」というわけではありません。募集要項の受入予定数を見ると、法学部の定数は420人で、そのうち357人が文科一類向けの枠です。

高橋残りの枠は、他の科類の人が入るんですか?
松田塾長他の科類向けの枠などです。法学部の公式案内によると、2008年から科類を指定しない全科類枠が設けられていて、他の科類から進む道も開かれています。ただし希望者が多いので、進学には極めて高い成績が必要になるのが通例だと説明されています。法学部を第一志望にするなら、やはり文科一類での合格が本筋になります。

高橋法学部の中でも、コースが分かれるんですか?
松田塾長第1類(法学総合コース)、第2類(法律プロフェッション・コース)、第3類(政治コース)の3つがあります。ただ、どのコースを選ぶかは進学選択のときの話なので、入試の英語には関係しません。入試の配点は、文科一類・二類・三類で共通です。表にすると次のとおりです。

| 区分 |
配点 |
内容 |
| 共通テスト(換算後) |
110点 |
1000点満点を110点に換算 |
| 第2次学力試験 |
440点 |
国語120・数学80・地理歴史120・外国語120 |
| 総合点 |
550点 |
合否判定に使う満点 |
高橋共通テストが110点って、意外と小さいですね……。二次の日程はどうなっていますか?
松田塾長2026年度入試は、2月25日(水)に国語と数学、2月26日(木)に地理歴史と外国語でした。外国語は14時から16時までの120分で、文科各類の試験場は駒場キャンパスです。2027年度入試は2027年2月25日(木)・26日(金)の実施で、出願期間は2027年1月25日(月)から2月3日(水)まで、合格者発表は3月10日(水)の12時ごろと公表されています。

高橋募集人員は変わるんですか?
松田塾長文科一類は、2026年度の401人から、2027年度は387人へと14人減ります。志願者が募集人員の約2.5倍に達すると、共通テストの成績で先に絞る第1段階選抜が行われます。387人の約2.5倍なら、およそ970人がひとつの目安です。

2027年度入試の最終確認は11月中旬の募集要項で
この記事の配点・試験時間・出題形式は、東京大学の2026年度入試(令和8年度募集要項)で確認できた内容が中心です。2027年度の募集要項は11月中旬に公表される予定なので、配点や試験時間に変更がないかを、公式の入試情報ページで確認してください。
高橋入口の仕組みは分かりました。じゃあ、その550点のうち、英語はどれだけの重みなんですか?
英語配点・比率の詳細

松田塾長二次試験の科目別の重みを、比率つきで表にしました。

| 科目 |
配点 |
二次440点に占める割合 |
| 国語 |
120点 |
約27.3% |
| 数学 |
80点 |
約18.2% |
| 地理歴史 |
120点 |
約27.3% |
| 外国語(英語) |
120点 |
約27.3% |
高橋英語、国語や地歴と同じ配点なんですね。数学だけ少し軽いんだ!
松田塾長そうです。法学部志望の人は国語や社会に時間を取られがちですが、二次の英語は国語・地歴と並ぶ最大配点です。さらに共通テストの英語は、リーディング100点とリスニング100点を、リーディング140点とリスニング60点に換算して200点分とし、1000点全体を110点に圧縮します。結果として共通テストの英語は22点分(リーディング約15.4点、リスニング約6.6点)で、二次の120点と合わせて142点、総合点の約25.8%になります。

高橋数字は分かったんですけど、これを受験の戦略にすると、どうなるんですか?
松田塾長一言でいうと、二次の英語1点は、そのまま総合点の1点です。2025年度から2026年度にかけて、文科一類の合格最低点は336.29点から325.01点へ11.28点下がりました。この幅は、二次英語120点の1割弱にあたります。つまり、英語の10点前後の差が、年度ごとの合格ラインの揺れと同じくらいの大きさなんですよ。

高橋英語で10点取れるかどうかで、合格ラインをまたぐこともあるってことですか?
松田塾長可能性はあります。もちろん、実際の合否は全科目の合計で決まります。次は、その120点を稼ぐために、どんな大問が並んでいるのかを見ていきましょう。

大問構成・出題形式
松田塾長2026年度の英語は、試験時間が120分で、記述式とマーク式の併用でした。大問は1〜5の5題で、3がリスニングです。分量は河合塾の分析で、英文の量が前年度から大幅に増えたとされています。大問ごとの中身を表にしますね。

| 大問 |
内容 |
2026年度の分量・形式 |
解答形式 |
| 1(A) |
要約 |
356語の英文を70〜80字の日本語で要約 |
記述 |
| 1(B) |
読解総合 |
871語。文補充5箇所(ダミー選択肢2つ)と語句整序 |
記号・記述 |
| 2(A) |
意見論述 |
What does it mean to be strong? に60〜80語で答える |
記述 |
| 2(B) |
和文英訳 |
日本語100字の英訳と、空所補充2箇所(選択肢6つ) |
記述・記号 |
| 3 |
リスニング |
(A)(B)(C)各5問。528語・513語・538語 |
記号 |
| 4(A) |
正誤判定 |
659語(前年度は462語)。5問 |
記号 |
| 4(B) |
下線部和訳 |
335語、下線部3つ |
記述 |
| 5 |
読解総合 |
1,003語の短編小説。説明2問と和訳1問 |
記述・記号 |
高橋リスニング以外で、読む英文はどのくらいあるんですか?
松田塾長1(A)、1(B)、4(A)、4(B)、5の語数を足すと3,224語です。ここに2(B)の英文と、自分で書く英作文2題、聞き取り約1,580語分の音声が加わります。約3,200語を読んだうえで、要約・英作文・和訳を書くのが、東大英語の本当の重さです。リスニングの30分程度を除いた約90分で割ると、1分あたり約36語のペースです。

高橋1分に36語かあ……。マーク式と記述式は、どんな割合なんですか?
松田塾長公表されている記号選択式の解答番号は(1)から(34)までです。一方で記述式は、要約、語句整序、自由英作文、和文英訳、和訳、説明と、ほぼすべての大問に「書く」が入っています。次は、こうした形式のどこでつまずきやすいのかを見てみましょう。

つまずきポイントと東大英語の特徴
松田塾長東大英語は、単語や文法が標準的でも点が崩れやすい試験です。理由は、「読んだ内容を、別の形で書き直す」問題が多いからなんです。

高橋「別の形で書き直す」って、たとえばどういうことですか?
松田塾長東京大学が公表している出題の意図に、その狙いが書かれています。要約では「重要概念を把握し、それをもとにして論理的な要約を日本語で作成する力」、作文では「意見が読み手に明確に伝わるよう、論理的で説得力のある文章を作成する能力」を見ると説明されています。英語が分かるだけでは足りず、日本語でも英語でも「筋道を立てて書く力」が点数になります。

高橋それって、法学部で勉強することにもつながりますか?
松田塾長入試の英語が法学部の授業と直結する、とまでは言えません。ただ、法学部の公式案内には、研究室図書室の蔵書が約82万冊で、その過半数が洋書だと書かれています。2026年度の入進学案内には、「倒産法の英語文献講読」「著作権法英語文献講読」「政治分析方法論英語文献講読」といった演習の名前も並んでいます。英語の文章を読んで論旨をつかみ、自分の言葉で書く力は、進学後にも使う場面があるということです。

高橋なるほど、入試で試されている力が、そのまま入学後にもつながっていくんですね!
松田塾長そうですね。話を入試に戻すと、特に落としやすいのは4つです。要約の字数調整、英作文の語数とミス、正誤判定で英文が長くなったときの時間切れ、選択肢が長くなったリスニングです。

高橋4つも挙がると、自分はどれなのか気になります……。どこで失点しているかは、人によって違うんですか?
松田塾長まったく違います。語彙が足りないのか、構文が取れないのか、日本語の圧縮が下手なのか、時間が足りないのか。原因が違えば、優先する練習も変わります。リオンでは、実際の答案を見ながら、どの大問でなぜ点を落としているのかを一緒に確認しています。

高橋自分の失点の原因って、独学だと見えにくいですよね……。まず各大問の中身を知っておきたいです。
松田塾長いい流れです。じゃあ次は、大問ごとの解き方を、思考過程つきで見ていきましょう。

大問別詳細解説
松田塾長大問ごとに「何を問われるか」と「どう考えるか」を順に説明します。答えの暗記ではなく、考え方を持ち帰ってください。なお、同じ試験を扱った
東京大学 教養学部(文系)の記事でも別の例題で解説しているので、あわせて読むと練習量が増えます。

1(A) 要約
高橋最初の要約は、70〜80字と聞きました。かなり短いですよね?
松田塾長2026年度は356語の英文を70〜80字にまとめる問題で、答案の書き出しが与えられていました。素材はフロイトの著作の影響力を論じた文章で、特に第2段落は論の流れがつかみにくかったと分析されています。コツは、いきなり書き始めないことです。まず各文の役割を「主張」「理由」「具体例」に分けて、主張だけをつなぐと字数に収まります。

高橋練習するなら、どんな英文がいいですか?
松田塾長短い段落で型を体に入れましょう。オリジナルの例を作りました。”Laws do not enforce themselves. A rule that is written but never applied is only a suggestion, and citizens soon learn to ignore it. Yet strict enforcement alone is not enough, for people obey rules mostly when they believe the rules are fair.” です。1文目が主張、2文目がその理由、Yet 以降が筆者の本音ですね。

高橋本音は Yet の後ろなんですね。まとめるなら「法は書かれただけでは機能せず、運用されて初めて意味を持つが、人々が従うのは公正だと感じる場合が中心である」でしょうか?
松田塾長上出来です! 具体例を削って、主張と逆接の後ろをつなげました。本番はこれを70〜80字に収める必要があるので、書いたあとに必ず字数を数えて調整してくださいね。

1(B) 読解総合(文補充と語句整序)
高橋1(B)は空所を埋める問題ですよね? 選択肢の数が気になります。
松田塾長2026年度は871語の英文で、文補充(ア)が5箇所、選択肢は7つでした。つまり選択肢のうち2つはどこにも入らないダミーです。語句整序(イ)は、並べ替える要素が7つでした。空所の中には確定させにくい箇所があったと分析されているので、確実に決まる空所から埋めて、残りを消去で絞る順番が大切です。

高橋空所は、前後の何を手がかりに決めるんですか?
松田塾長指示語(this, such)、代名詞、接続の言葉(but, so)、そして直前直後の文が「何の話をしているか」の3点です。たとえば空所の直後が This で始まるなら、空所の文には This が指せる内容が入るはずですよね。語句整序は、まず主語と動詞の骨組みを決めてから、修飾語を足していくと崩れにくいです。

2(A) 自由英作文
高橋2026年度の自由英作文は What does it mean to be strong? でしたよね。60〜80語で、どう組み立てればいいんですか?
松田塾長テーマが日本語ではなく英語で与えられたのが、年度による違いでした。型は「立場を決める→具体例を1つ→言い直して結ぶ」の3ステップです。練習用の答案を書いてみますね。”To me, being strong means staying fair even when it costs you something. When a teammate broke a rule during a school event, staying silent would have been easier. I told our teacher, and some classmates were angry with me for weeks. Still, protecting a shared rule takes more courage than protecting a friendship at any price. Strength is the ability to act on what is right without waiting for approval.” で、語数は約70語です。

高橋ちゃんと範囲に収まってる! でも、こんな答案を本番で書ける自信がないです……。
松田塾長大丈夫です。凝った表現より、使い慣れた構文で正確に書くほうが点になります。上の答案も、動名詞を主語にした文、when を使った副詞節、to 不定詞の形容詞的用法と、高校で習う標準的な構文だけです。1文を10〜15語くらいに揃えると、語数の調整もしやすいですよ。

2(B) 和文英訳
高橋和文英訳は、日本語が長いと大変そうです。2026年度は100字ぐらいでしたよね?
松田塾長1つの段落から成る英文の中で、日本語で示された100字ほどの部分を英語にする形式でした。さらに空所補充が2箇所、選択肢は6つ。英訳自体は工夫が要る箇所もあるものの、極端に難しくはないと分析されています。鉄則は、日本語をそのまま英語にしようとしないことです。

高橋どうやって日本語を「そのまま」にしないんですか?
松田塾長練習例で見てみましょう。「法は、書かれているだけでは人の行動を変えず、人々がそれを公正だと感じて初めて守られるようになる」という日本語です。まず「法は行動を変えない」「公正だと感じて初めて守られる」の2つの骨組みに分けます。すると “A law does not change people’s behavior just by being written down; it is obeyed only when people feel it is fair.” と、無理なくつなげられます。「〜て初めて」は only when、「〜だけでは」は just by 〜ing で処理しました。

高橋分けてから英語にするんですね。それなら私でもできそうです!
3 リスニング
高橋リスニングは30分程度って、長いですよね。どんな内容なんですか?
松田塾長2026年度は(A)がドイツの教育制度についての講義、(B)がイギリスの刑務所の設計についてのポッドキャスト、(C)が樹皮や岩石に着生する地衣類についての講義で、それぞれ5問、計15問でした。英文の長さは528語、513語、538語です。選択肢の分量が前年度より増えたので、聞きながら選択肢を読む負荷が上がっています。

高橋聞いたことのない話題ばかりで、不安になりそうです(笑)。
松田塾長話題が専門的でも、問われるのは「講義の内容と一致する選択肢」や「講義の主旨」といった基本的な理解です。聞く前に選択肢のキーワードだけ拾っておき、聞きながら印をつける練習が効果的です。共通テストのリスニングは60点に換算されるので、共通テスト対策と二次対策は、音声に慣れるという点でつながっています。

4(A) 正誤判定
高橋正誤判定は、2026年度に長くなったんですよね?
松田塾長英文は462語から659語に増えて、5問(22)〜(26)を解きます。2019年度から正誤判定の出題が続いていて、文法・語法の誤りと、文脈上の誤りが混ざっています。2026年度は(23)と(26)で文脈上の誤りに気づく必要があったと分析されています。オリジナルの例で試してみましょう。”Although the new regulation was widely (a) praised as too strict, it (b) has been quietly accepted by most companies. Some critics (c) argued that it would raise costs sharply, but the actual figures (d) showed only a slight increase. The debate shows that fear of change is often (e) stronger than the change itself.” さて、どれが誤りだと思いますか?

高橋文法は全部合ってそうなので……(a)の praised が怪しいです。「厳しすぎると praised」は変ですよね?
松田塾長正解です! 文法的には何も間違っていませんが、too strict とつながらないので、criticized などが正しい流れです。正誤判定では、文法チェックの前に「この文は前後と論理がつながるか」を確認する癖をつけてください。文法上の誤りのほうは、主語と動詞の一致、分詞の形、関係詞の使い分けといった標準的な項目が中心です。

4(B) 下線部和訳
高橋和訳は下線部が3つで、335語の英文でしたよね?
松田塾長そうです。語句の意味と使い方、文構造、文法事項の基本的な知識を見る問題です。長い文章の一部が下線になる場合は、前後の文脈を踏まえて訳す力も試されます。2026年度は(イ)で、unweaving の内容を補って訳すよう求められ、どうまとめるかで苦労した人が多かったようです。

高橋直訳だとダメなんですか?
松田塾長直訳が間違いとは限りませんが、文脈の情報を補わないと意味が通らない箇所があります。オリジナルの例文を見てください。”Slowing down does not mean giving up; it means unlearning the reflex to prove your worth at every moment.” です。直訳の「習慣を学び捨てること」だけだと、何の習慣か分かりません。「あらゆる瞬間に自分の価値を証明しようとする反射的な習慣を、捨て去ることなのだ」と、修飾の内容を補って日本語にします。

5 長文読解
高橋最後の大問5は、2026年度は小説だったそうですね。
松田塾長1,003語の短編小説で、妻を亡くした雇用主の家で家政婦が見つけたしみを描く話でした。エッセーが続いていた東大の出題としては素材の変化で、マーク式の設問では描写の仕方を問う問題が出ました。記述式は説明が2問、和訳が1問です。小説は気持ちが直接書かれず、行動や物の描写から心情をつかむ必要があります。

高橋文章から読み取るしかないんですね。どうやって練習すればいいですか?
松田塾長「登場人物は何をしているか」「その行動から、どんな気持ちが読み取れるか」を1文ずつ日本語にしてみましょう。出題の意図にも、細部の表現に込められた登場人物の心情や価値観、ものの見方を的確に理解することが重要とあります。じゃあ次は、これらの大問で何割取ればいいのか、合格ラインから逆算していきます。

配点・ボーダーシミュレーター

松田塾長ここまでで各大問の中身は見えたので、次は「英語で何割取れれば合格ラインに乗るのか」を計算してみましょう。まず、文科一類の過去4年間の合格最低点と合格者平均です。2023〜2025年度は東京大学の募集要項、2026年度は合格発表後の報道によるデータです。

| 年度 |
合格最低点 |
550点満点に対する割合 |
合格者平均点 |
| 2023年度 |
343.89点 |
約62.5% |
371.41点 |
| 2024年度 |
331.02点 |
約60.2% |
357.89点 |
| 2025年度 |
336.29点 |
約61.1% |
359.74点 |
| 2026年度 |
325.01点 |
約59.1% |
352.77点 |
高橋2026年度の最低点は、2023年度より約19点も下がっているんですね! じゃあ、2026年度の水準を目標にしていいんですか?
松田塾長そこは慎重にいきましょう。合格最低点は毎年動くので、「この年度の点数」で決め打ちするのは危険です。2026年度は、文科二類の最低点(330.47点)が文科一類を5.46点上回るという、2025年度とは逆の結果でした。ここでは4年間の幅である325〜344点を、ひとつの目安として見てください。

高橋目安があれば十分です! その目安から、二次で何点必要か逆算できますか?
松田塾長できますよ。2026年度の文科一類の最低点(325.01点)を例に、共通テストの得点率を仮に85%として計算します。

steps
- 共通テストの得点を換算する — 1000点満点の85%は850点で、110点満点に換算すると約93.5点
- 合格最低点から共通テスト分を引く — 325.01点から93.5点を引いて、二次で約231.5点。二次440点の約52.6%が必要
- 二次の英語120点を6割(72点)取れた場合 — 国語・数学・地理歴史の合計320点で約159.5点(約49.8%)でよい
- 英語が7割(84点)なら約147.5点(約46.1%)、5割(60点)にとどまれば約171.5点(約53.6%)が必要
高橋英語が5割だと、ほかの3科目で5割を超えないといけないんですね! 英語が7割なら、5割を切ってもいいのか……。
松田塾長そこが大事なポイントです。英語の得点が10%動くと、ほかの3科目で必要な得点率は約3.75%動く計算になります。共通テストの得点率でも、二次で必要な割合は変わります。表にしてみましょう。

| 共通テストの得点率 |
換算点 |
最低点(325.01点)に必要な二次得点率 |
合格者平均(352.77点)に必要な二次得点率 |
| 80% |
88.0点 |
約53.9% |
約60.2% |
| 85% |
93.5点 |
約52.6% |
約58.9% |
| 90% |
99.0点 |
約51.4% |
約57.7% |
高橋共通テストが5%違っても、二次の必要得点率は1〜2%くらいしか動かないんですね!
松田塾長はい。共通テストは110点に圧縮されるので、二次のほうが得点の動く幅が大きいんです。だからこそ、二次の英語120点をどれだけ安定して取れるかが、合否を分ける場面が出てきます。

このシミュレーションは単純化した目安です
科目ごとの合格者平均点や、大問ごとの得点分布は公表されていません。上の計算は「共通テスト80〜90%」という仮定を置き、残りを二次の得点率として割り戻しただけの目安です。実際の合否は、各科目の採点結果と、その年度の合格最低点で決まります。
高橋目安としては分かりやすいです。でも、自分の現在地が、この計算のどこにいるのかがピンと来ません。
松田塾長それが自然な反応です。必要な得点は計算で出せても、今の自分が二次の英語で何点取れるのか、どの大問で失点するのかは、自分の答案を見ないと分かりません。では、今のあなたは、英語で何割取れそうですか? 要約で伸びないのか、英作文の減点なのか、リスニングで崩れているのかで、残りの期間にやるべき対策の優先順位は大きく変わります。リオンでは、今の英語力と文科一類の合格最低点との差を、大問ごとに一緒に確認しています。

高橋差が分かれば、やることも見えてきそうですね。じゃあ、具体的な対策を教えてください!
対策・攻略法
松田塾長対策は「何を・どの順で・いつまでに」で組み立てます。2027年2月25日(木)・26日(金)の本番から逆算して、時期を3つに分けましょう。

東大文科英語の対策ロードマップ
2026年10月〜12月は、単語・構文・文法の穴を埋めながら、大問ごとの「型」を作る時期です。要約は週に1題、自由英作文は週に2題を目安に書き、必ず第三者に添削してもらいます。
2027年1月は、共通テストのリーディングとリスニングの仕上げを優先します。東大形式の練習は週に1回の通し演習を維持して、記述の感覚を落とさないようにします。
共通テスト後から2月25日までは、過去問を2026年度と同じ14時から16時の120分で通して解きます。リスニング30分程度を含めた時間配分を体に入れ、2022〜2026年度の5年分を目安に2周します。
高橋通しで解く練習は、本番と同じ時間帯でやるといいんですね!
松田塾長体のリズムも大事ですからね。もう一つ、点の取り方を決めておきます。

記述式を「点を落としにくい形」にする
記述式は、1(A)要約、2(A)自由英作文、2(B)和文英訳、4(B)下線部和訳、5の説明と和訳の5カ所です。完璧を目指すより、大きな減点を避けるほうが合格ラインに近づきます。要約は字数超過をしない、英作文は語数と文法ミスを減らす、和訳は文脈の情報を補う、という「減点されにくい書き方」を過去問で繰り返し練習しましょう。
高橋時間配分は、どう決めればいいですか?
松田塾長一つの目安として、120分を次のように使う方法があります。1(A)に15分、1(B)に10分、2(A)に15分、2(B)に10分、3リスニングに30分程度、4(A)に10分、4(B)に10分、5に20分です。あくまで練習用の目安なので、自分の苦手な大問に合わせて数分単位で調整してください。国語や地理歴史との勉強時間の配分も同じで、英語だけを完璧にする必要はありません。じゃあ次は、受験生が陥りやすい失敗を見ておきましょう。

よくある失敗・注意点
松田塾長東大英語でよくある失敗を3つ挙げます。1つ目は、「英語は得意だから対策は要らない」という判断です。

模試の英語が得意でも東大の形式には別の練習が要る
要約、正誤判定、30分程度のリスニング、小説の記述説明は、他の大学ではあまり見ない形式です。学校の定期テストや一般的な模試の点数が高くても、東大の形式に慣れていないと、120分の中で時間が足りなくなることがあります。
高橋得意だと思っている人ほど、油断しそうですね(笑)。2つ目は何ですか?
松田塾長共通テスト対策で、二次の記述が鈍ることです。共通テスト直前の1月は、マーク式の演習が中心になり、書く練習がおろそかになりがちです。要約と英作文を週1回でも続けておかないと、共通テスト後の立て直しに時間がかかります。

高橋3つ目は?
松田塾長大問ごとの時間配分を決めないままにすることです。正誤判定の英文が長くなったように、1つの大問に想定以上の時間を取られる年度もあります。「この大問は何分で切り上げる」というルールを決めて練習しておくと、本番で焦りが減ります。

不安になりすぎる必要はありません
ここで挙げた失敗は、いずれも早めに気づいて練習を組み直せば対応できるものです。大事なのは「自分はどれに当てはまりそうか」を確認することです。
高橋じゃあ、次は自分の場合を確認したいです!
自己診断(セルフチェック)
松田塾長次のチェックリストに、当てはまるものがいくつあるか確認してみてください。

文科一類の英語セルフチェック
– 英文の意味は分かるのに、日本語で80字以内にまとめようとすると長くなってしまう
– 自由英作文を書くと、60〜80語に収まらない、または途中で文法が不安になる
– 正誤判定で、文法の誤りは分かるのに文脈上の誤りに気づけない
– リスニングの選択肢が長いと、聞いている間に内容が抜け落ちる
– 小説の記述問題で、登場人物の気持ちを日本語で説明するのが苦手
– 過去問を120分で通して解くと、最後の大問に十分な時間が残らない
– 国語や地理歴史に時間を取られて、二次の記述式の答案を第三者に見てもらったことがない
高橋うわあ、自由英作文の語数と、通しで解いたら時間が足りない、が思い当たります(笑)。
松田塾長それは典型的です。ここで大事なのは、当てはまる項目が同じでも、原因は人によって違うということです。同じ「語数に収まらない」でも、語彙が少なくて言い換えができない人と、日本語の段階で内容をまとめられていない人では、やるべき練習が違いますよね。次のセクションで、基本情報を一覧にしておきます。

基本情報まとめ
松田塾長ここまでの数字を、一覧にしておきます。

| 項目 |
内容 |
| 大学名・学部 |
東京大学 法学部(入試は文科一類で出願) |
| 入試方式 |
一般選抜(前期日程) |
| 総合点(満点) |
550点(共通テスト110点+第2次学力試験440点) |
| 第2次学力試験の科目配点 |
国語120点・数学80点・地理歴史120点・外国語120点 |
| 英語の配点 |
二次120点(二次の約27.3%)、共通テスト換算22点、合計142点(総合点の約25.8%) |
| 英語の試験時間 |
120分(聞き取り試験は30分程度) |
| 英語の大問数 |
5題(1〜5、記述式とマーク式の併用) |
| 文科一類の合格最低点 |
2023年度343.89点、2024年度331.02点、2025年度336.29点、2026年度325.01点 |
| 法学部の受入予定数 |
定数420人(うち文科一類向け357人) |
| 分析対象の年度 |
2026年度入試(令和8年度募集要項・2023〜2026年度の合格最低点) |
| 2027年度入試の日程 |
2027年2月25日(木)・26日(金) |
| 公式サイト |
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_02_01.html |
高橋こうして見ると、120点という数字のうしろに、大問5題と3,000語を超える英文があるんですね。
松田塾長そのとおりです! じゃあ最後に、ほかの大学と比べてみましょう。

類似する大学・学部との比較
松田塾長同じ東大でも、
東京大学 教養学部(文系)の記事は、文科一類・二類・三類をまとめて扱っています。英語の試験は法学部志望でも同じなので、大問別の別の例題や、文科三類までの最低点の比較を見たいときに役立ちます。共通テストと二次の二段構えは国公立に共通で、
東北大学 文学部は二次試験1300点のうち英語が500点で、約38.5%を占めます。東大の英語は二次の約27.3%と比率は低めですが、問われる力の種類が多い点が特徴です。

高橋私立との併願だと、どこが違うんでしょう?
松田塾長併願の代表として、
早稲田大学 政治経済学部は共通テスト100点と総合問題100点の200点満点で、英語の重みは全体の50%です。
早稲田大学 文学部は英語75点、総点200点で、比率は37.5%です。東大は120分で記述中心、早稲田文学部は大問5題でマーク式が中心と、時間感覚も解答形式もかなり違います。

高橋併願するなら、東大対策とは別に、私大対策の時間も確保しないといけないですね!
よくある質問
高橋最後に、みんなが気になりそうな質問をまとめて聞いてもいいですか?
松田塾長もちろんです。順番に答えていきますね。

高橋東大に法学部だけの入試はありますか?
松田塾長ありません。東大は科類ごとの入試で、法学部を志望する人は文科一類で出願します。入学後に教養学部で2年間学び、2年次の進学選択で法学部へ進みます。

高橋法学部志望(文科一類)の英語の配点は何点ですか?
松田塾長第2次学力試験の外国語が120点で、二次440点の約27.3%です。共通テストの英語は換算22点なので、合計142点、550点満点の約25.8%になります。

高橋文科一類の合格最低点はどれくらいですか?
松田塾長2026年度は325.01点でした。2023年度が343.89点、2024年度が331.02点、2025年度が336.29点で、550点満点の約59〜63%の範囲です。毎年動くので、目安として見てください。

高橋英語で何割取れれば合格圏に入りますか?
松田塾長英語だけで決まる数字はありません。目安として、共通テストが85%なら、2026年度の最低点に届くには二次で約52.6%が必要です。英語を6割(72点)取れれば、ほかの3科目は約49.8%でよい計算になります。

高橋文科二類や文科三類から法学部に進めますか?
松田塾長進めます。法学部の公式案内によると、2008年から科類を指定しない全科類枠が設けられています。ただし希望者が多いので、進学には極めて高い成績が必要になるのが通例と説明されています。

高橋東大の二次試験の英語にリスニングはありますか?
松田塾長あります。英語試験の一部分に、30分程度の聞き取り試験が入ります。2026年度は(A)(B)(C)の3つの音声で、各5問、計15問でした。

高橋先生、ここまでで東大法学部を目指す人の英語が、どういう試験なのかはかなり見えてきました。
松田塾長文科一類の英語は、二次の120点、大問5題、約3,200語の英文、30分程度のリスニングという構成でした。合格最低点は550点満点の6割前後で、英語は国語・地理歴史と並ぶ最大配点です。ここまでが、東大法学部を目指す受験生に共通する話です。ただ、実際にどこから手をつけるかは、人によってまったく違います。

高橋同じ「東大英語が苦手」でも、違うんですか?
松田塾長違います。たとえば「要約が80字に収まらない」という症状でも、英文の構造が取れていない人、日本語の圧縮が苦手な人、書き出しの指定から論理をつなげられない人と、原因はいろいろです。「リスニングで崩れる」も、語彙が足りない人、音声のスピードに慣れていない人、選択肢を読む時間が足りない人で、練習が変わります。国語や地理歴史と並行して進める文科一類の受験生は、英語に使える時間も限られますよね。

高橋時間が限られているのに、間違った練習を続けてしまうと、もったいないですよね……。
松田塾長そこが一番もったいないところです。勉強していないことより、優先順位を間違えたまま数カ月が過ぎてしまうことのほうが、大きな損失になりやすいんです。逆に、現状、合格最低点との差、優先して直すべき弱点、やるべき勉強が見えれば、迷わず積み上げられます。英語進学塾リオンでは、今の英語力と東大法学部(文科一類)という志望校を確認しながら、何を・どの順番で改善すべきかを一緒に整理しています。現在どの大問でつまずいているのか、合格最低点との差はどのくらいか、今の勉強法を続けてよいのかを持ち帰れるので、気になる方は一度確認してみるといいですよ。

参考リンク
Q. 東大に法学部だけの入試はありますか?
ありません。東大は科類ごとの入試で、法学部を志望する人は文科一類で出願します。入学後に教養学部で2年間学び、2年次の進学選択で法学部へ進みます。
Q. 法学部志望(文科一類)の英語の配点は何点ですか?
第2次学力試験の外国語が120点で、二次440点の約27.3%です。共通テストの英語は換算22点なので、合計142点、550点満点の約25.8%になります。
Q. 文科一類の合格最低点はどれくらいですか?
2026年度は325.01点でした。2023年度が343.89点、2024年度が331.02点、2025年度が336.29点で、550点満点の約59〜63%の範囲です。毎年動くので、目安として見てください。
Q. 英語で何割取れれば合格圏に入りますか?
英語だけで決まる数字はありません。目安として、共通テストが85%なら、2026年度の最低点に届くには二次で約52.6%が必要です。英語を6割(72点)取れれば、ほかの3科目は約49.8%でよい計算になります。
Q. 文科二類や文科三類から法学部に進めますか?
進めます。法学部の公式案内によると、2008年から科類を指定しない全科類枠が設けられています。ただし希望者が多いので、進学には極めて高い成績が必要になるのが通例と説明されています。
Q. 東大の二次試験の英語にリスニングはありますか?
あります。英語試験の一部分に、30分程度の聞き取り試験が入ります。2026年度は(A)(B)(C)の3つの音声で、各5問、計15問でした。