高橋先生、早稲田大学の人間科学部を考えてるんですけど、2025年度入試改革で英語の試験時間が90分から60分に短くなったって聞きました。単純に短くなっただけなら受けやすくなったってことですか?
松田塾長そう単純でもないんです。試験時間が90分から60分に短縮された一方で、配点や大問構成自体はほぼそのままなので、実質的には「同じ分量をより速く処理する力」が問われるようになったと考えたほうがいいです。むしろ時間的な厳しさは増したという受け止め方が正確ですね。

高橋えっ、それって結構キツいじゃないですか(笑)! じゃあまず、人間科学部全体の配点から教えてください。
入試の全体像・配点構成
松田塾長人間科学部の一般選抜には〈国英型〉〈数英型〉〈数学選抜方式〉の3つがあって、このうち〈国英型〉と〈数英型〉は併願できません。出願時にどちらか1つを選ぶ必要があります。〈数学選抜方式〉は別枠なので、〈国英型または数英型〉と〈数学選抜方式〉の組み合わせでの併願は可能です。


高橋〈国英型〉と〈数英型〉で何が違うんですか?
松田塾長共通テストと大学独自試験を組み合わせる点は同じですが、独自試験で国語を受けるか数学を受けるかが違います。人間環境科学科・健康福祉科学科・人間情報科学科のどの学科も両方の型で受験できます。総点150点のうち、共通テストが60点、大学独自の外国語(英語)が50点、国語または数学が40点という配分です。

高橋なるほど、共通テストと大学独自試験が合算されるタイプなんですね。じゃあ英語の配点は具体的にどれくらいの重みなんですか?
英語配点・比率の詳細
松田塾長ここは表で見るのが早いです。

| 区分 |
配点 |
試験時間 |
備考 |
| 大学入学共通テスト |
60点 |
– |
必須1教科1科目(国語または数学)+選択1教科1科目 |
| 外国語(英語・独自試験) |
50点 |
60分 |
2025年度改革で90分から短縮 |
| 国語または数学(独自試験) |
40点 |
60分 |
〈国英型〉は国語、〈数英型〉は数学 |
| 総点 |
150点 |
– |
英語比率は約33% |
高橋総点150点のうち英語が50点だから、だいたい3割ちょっとってことですね! 共通テストの60点の中にも英語が入ってたりするんですか?
松田塾長いい着眼点です。共通テストの60点は必須1教科1科目(国語または数学)+選択1教科1科目の組み合わせで、選択科目に英語を充てることはできません。つまり英語の得点力がそのまま反映されるのは、独自試験の50点だけということになります。ここは共通テスト利用の学部と混同しやすいので注意してください。

高橋英語の素点50点がそのまま合否に使われるってことですよね?
松田塾長そのとおりです。50点満点の素点がそのまま合算されるので、圧縮も換算もありません。英語で1点伸ばせば、そのまま合計点が1点伸びる。とてもシンプルな仕組みです。配点はわかったところで、次は60分の中身がどうなっているか見ていきましょう。

大問構成・出題形式
松田塾長人間科学部の英語は60分で大問3構成、総語数は約1,800〜2,000語です。90分だった頃と比べて時間は縮んだのに、分量はそこまで減っていないので、これが受験生にとって一番の壁になっています。


高橋大問3つって、それぞれどんな問題なんですか?
松田塾長順番に説明しますね。

| 大問 |
形式 |
目安時間 |
特徴 |
| 大問I |
短文長文読解8題(総語数約1,600〜1,800語) |
40〜42分 |
各英文3〜4問、内容一致中心 |
| 大問II |
空所補充 |
8〜10分 |
「NO WORD」(何も入れない)の選択肢あり |
| 大問III |
正誤判定 |
8〜10分 |
「No error」(誤りなし)の選択肢あり |
高橋大問Iだけで8題も長文があるんですか! しかも200〜300語くらいの短めの英文が8本ってことですよね。
松田塾長そうです。1本1本は短くても、8本まとめて処理するので実質的な総語数はかなり多いんです。しかも各英文に3〜4問ずつ設問がつくので、読んで解いて次、読んで解いて次、というテンポの良さが求められます。ここを40〜42分で終わらせないと、大問IIとIIIに使える時間がなくなってしまいます。

高橋「NO WORD」とか「No error」っていう選択肢、初めて聞きました。それって普通の空所補充や正誤問題と何が違うんですか?
頻出文法テーマ・つまずきポイント
松田塾長ここが人間科学部の英語の一番の特徴です。普通の空所補充問題なら、選択肢の中から文法的・意味的に合う語句を選べば終わりですよね。でも大問IIには「NO WORD」、つまり空所に何も入れないのが正解というパターンが混ざっています。

高橋えっ、それって「何かを入れたくなる」心理を逆手に取られるってことですか?
松田塾長まさにそうです。受験生は無意識に「空所には何か単語が入るはず」と思い込んでしまうので、本当は何も入れなくていい文なのに、無理やり選択肢から単語を選んで間違えるケースが多いんです。文の構造を見て「これは本当に空所が必要な文なのか」を疑う癖をつけておく必要があります。

高橋大問IIIの「No error」も同じような罠なんですか?
松田塾長発想は同じです。通常の正誤判定は下線部のどこかに文法的な誤りがあることを前提に探しますが、「No error」つまり誤りなしという選択肢があるので、「絶対どこかに間違いがあるはずだ」と思い込んで、正しい英文の中に無理やり誤りを見つけてしまう受験生が続出します。冷静に「本当にここは間違っているか」を判断する訓練が必要です。

「NO WORD」「No error」の思い込み対策
この2つの選択肢は、他大学の一般的な空所補充・正誤判定問題には出てこない人間科学部特有の形式です。「絶対に何か入るはず」「絶対にどこか間違っているはず」という思い込みを外しておかないと、本番で確実に得点を落とします。
高橋なるほど、単純に文法知識があればいいわけじゃなくて、「疑いすぎない・思い込みすぎない」判断力も要るんですね! テーマとしてはどんな内容が多いんですか?
松田塾長環境論・医学論・心理学などの自然科学系から、教育論・社会問題などの社会科学系まで、テーマの振れ幅がかなり大きいのが特徴です。加えてAI・SNS・地球温暖化といった時事的なテーマも頻出です。人間科学部という学部名のとおり、人間や社会に関わるテーマが根底にある印象ですね。

高橋幅広いテーマに対応するのって大変そうですけど、大問ごとにどう解けばいいのか、具体的なやり方を教えてください。
大問別詳細解説
松田塾長大問ごとに時間配分と解き方の型を決めておくと、60分という短い時間でも慌てずに済みます。

steps
- 大問I(短文長文読解) — 1本の英文につき3分弱で読んで解くペースを体に染み込ませる。設問を先に見てから本文を読み、根拠になる段落だけを丁寧に読む
- 大問II(空所補充) — 空所の前後だけで判断せず、文全体・段落全体の構造を見て「本当に語句が必要か」を確認してから選択肢を検討する。「NO WORD」を最初から選択肢に入れて考える
- 大問III(正誤判定) — 下線部を機械的に疑うのではなく、まず英文として自然に成立しているかを読む。文法的に完璧なら「No error」を積極的に選ぶ判断力を持つ
- 見直し — 残り時間があれば、大問IIとIIIの「NO WORD」「No error」を選んだ設問だけもう一度見直す。ここが一番ミスの起きやすい箇所
高橋「NO WORD」や「No error」を最初から選択肢に入れて考えるっていうのは、目からウロコです! つい除外して考えちゃいそうです(笑)
松田塾長そうなんです。多くの受験生が「この特殊な選択肢は最後の手段」と思って後回しにするんですが、最初から対等な選択肢として扱うほうが、かえって冷静に判断できます。思い込みを外すという意味でも、練習の段階からこの選択肢を積極的に検討する習慣をつけておくといいですよ。

高橋大問Iの内容一致問題って、どういうところに気をつければいいんですか?
松田塾長本文の単語をそのまま使った選択肢ほど誤答であることが多く、本文と違う言い換え表現を使った選択肢が正解になりやすいのは、他の学部の長文読解と共通する傾向です。8題もあるので、この言い換えのパターンに慣れているかどうかで、正答率がかなり変わってきます。

高橋具体的にはどんな言い換えが多いんですか? イメージが湧かなくて……。
松田塾長たとえば本文に “The number of students who commute by bicycle has been rising steadily” とあったとして、正解の選択肢は “More students are choosing bicycles as a means of transportation” のように、単語をほとんど変えて同じ内容を表すことが多いです。逆に本文の “commute by bicycle” をそのまま使った選択肢は、微妙に因果関係や範囲をずらしてある誤答であるケースが目立ちます。単語の一致ではなく意味の一致で選ぶという基本を、8題という数の多さの中でも崩さないことが大事です。

高橋なるほど、単語が同じだから安心、じゃなくて、むしろ疑うくらいでちょうどいいってことですね!
高橋大問別の解き方はわかりました。じゃあ実際、英語で何割くらい取れれば合格ラインに乗るんですか?
配点・ボーダーシミュレーター
松田塾長人間科学部の合格ラインは60分で大問3つを最後まで処理しきる時間配分ができるかどうかが最優先という前提のうえで、実際に点数をシミュレーションしてみましょう。

steps
- 英語50点満点のうち7割 — 50 × 0.7 = 35点が目安ライン
- 国語または数学40点満点のうち6割前後だった場合 — 40 × 0.6 = 24点
- 独自試験の合計 — 35 + 24 = 59点。共通テスト60点を平均的な7割(42点)取れたと仮定すると、総合計は101点
- 総点150点のうちの割合 — 101 ÷ 150 = 約67%が一つの目安ライン
高橋だいたい7割弱くらいが目安ラインってことですね! 英語だけ8割まで伸ばせたらどうなりますか?
松田塾長50 × 0.8 = 40点になるので、独自試験の合計が35点から40点に伸びて、総合計も106点(約71%)まで上がります。50点という配点の中で1点を積み上げる価値は、150点満点の中でも決して小さくないので、英語を最優先で仕上げる価値は十分にあります。

ボーダー予想の扱いについて
ここで示した数値はあくまで配点構造から逆算した目安の計算例です。実際の合格最低点は年度・学科によって変動するため、最新の入試結果は必ず早稲田大学入学センターの公式発表で確認してください。
高橋シミュレーションの考え方はわかりました。じゃあ実際にどう対策すればいいのか、具体的に教えてください。
対策・攻略法
松田塾長60分という短い時間の中で大問3つをこなす以上、まず大前提としてスピードを落とさずに正確に読む力を仕上げる必要があります。

人間科学部英語 対策の優先順位
1. 短文長文の高速処理 — 200〜300語程度の英文を3分弱で読み切るペースを、過去問演習で体に覚え込ませる
2. 「NO WORD」「No error」への耐性づくり — 普段の演習から、この2種類の選択肢がある前提で問題を解く習慣をつける
3. 幅広いテーマへの日常的な接触 — 環境論・医学論・心理学・教育論・AI・SNS・温暖化など、人間科学部が好むテーマの英文に日頃から触れておく
高橋過去問は何年分やればいいですか(笑)? 90分だった頃の過去問も参考になりますか?
松田塾長2025年度以降の60分形式の過去問を最優先にしてください。90分時代の過去問はテーマや語彙の傾向をつかむ参考にはなりますが、時間配分の感覚は今のフォーマットとはかなり違うので、時間を計る練習には向きません。直近の60分形式が出そろってきたら、まずそちらを繰り返し解くのが効率的です。

時間配分の目安
大問Iに40〜42分、大問IIに8〜10分、大問IIIに8〜10分。60分ぴったりで終わる設計なので、見直しの時間はほぼ確保できません。だからこそ、1回目に解いた時点での正確さが合否を左右します。
高橋見直しの時間がほとんどないっていうのは、かなりシビアですね(笑)!
松田塾長60分という制限時間そのものが最大の敵だと思ってもらっていいです。だからこそ、普段の演習から本番と同じ60分で通しで解く練習を積み重ねておくことが、何よりの対策になります。

高橋対策の方向性はわかりました。最後に、全体の情報を表にまとめてもらえますか?
基本情報まとめ
松田塾長ここまでの内容を整理しておきますね。

| 項目 |
内容 |
| 大学名 |
早稲田大学 |
| 学部 |
人間科学部(人間環境科学科・健康福祉科学科・人間情報科学科) |
| 満点(国英型・数英型) |
150点 |
| 英語配点 |
50点(比率約33%) |
| 英語試験時間 |
60分(2025年度改革で90分から短縮) |
| 分析対象年度 |
2026年度 |
| 公式サイト |
https://www.waseda.jp/fhum/hum |
高橋同じ早稲田でも、共通テストと組み合わせる学部と、独自試験だけで完結する学部があるんですね。他の学部との違いも気になります。
類似する大学・学部との比較
松田塾長いい視点です。人間科学部のように
共通テストと学部独自試験を組み合わせる方式は、
早稲田大学 政治経済学部も同じ発想を採っています。ただし政治経済学部は総合問題120分・100点という別のフォーマットで、日本語長文・英語長文・自由英作文を含む総合力を問うタイプなので、人間科学部の「短文長文+特殊選択肢」とは出題の作り方がまったく違います。

高橋同じ「共通テスト併用」でも、中身が全然違うんですね! 共通テストを使わない学部もありますよね?
松田塾長早稲田大学 商学部は共通テストを使わず、独自試験90分だけで英語80点を判定する方式です。
共通テストとの組み合わせ型か、独自試験完結型かで対策の立て方も変わってくるので、志望学部を決める段階でこの違いを理解しておくと勉強計画が立てやすくなります。

高橋なるほど、学部によって配点の設計思想がぜんぜん違うのがよくわかりました! 最後にいくつか質問してもいいですか?
よくある質問
高橋〈国英型〉と〈数英型〉、どっちで受けるか迷ったらどう決めればいいですか?
松田塾長国語に自信があるなら国英型、数学に自信があるなら数英型を選ぶのが基本です。配点はどちらも独自試験40点分なので、得意な方を選べば単純に有利になります。

高橋「NO WORD」や「No error」は毎年必ず出るんですか?
松田塾長年度によって出題数の増減はありますが、この2つの学部特有の選択肢自体は継続して出題される特徴的な形式です。存在自体を知らないまま本番を迎えるのが一番危険なので、対策段階で必ず慣れておいてください。

高橋90分から60分に短縮されたのはなぜなんですか?
松田塾長大学側から短縮理由が詳しく公表されているわけではありませんが、他学部でも入試改革が進む2025年度前後のタイミングと重なっており、大学全体の入試制度の見直しの一環と捉えられています。理由の詮索よりも、今の60分形式にどう対応するかに時間を使うほうが建設的です。

高橋人間環境科学科・健康福祉科学科・人間情報科学科で、対策のやり方に違いはあるんですか?
松田塾長英語の試験問題自体は学科共通なので、英語の対策そのものは3学科とも同じで大丈夫です。違いが出るのは共通テストで選択する科目や、国英型・数英型のどちらを選ぶかという部分なので、志望学科の教育内容よりも、まずは自分の得意科目でどちらの型を選ぶかを先に決めてしまうのがおすすめです。

高橋最後に、これから対策を始める人に一言お願いします!
松田塾長60分という時間の短さを逆手に取って、無駄のない解き方を先に体に覚え込ませてください。分量に対して時間が厳しいからこそ、型を持っている人と持っていない人の差が大きく出る試験です。

高橋ありがとうございます! 今日から60分通しの過去問演習、さっそく始めてみます!
参考リンク
– 早稲田大学 人間科学学術院(公式): https://www.waseda.jp/fhum/hum
– 早稲田大学 入学センター 一般選抜: https://www.waseda.jp/inst/admission/undergraduate/system/general
Q. 早稲田大学人間科学部の英語配点は何点ですか?
総点150点のうち、外国語(英語)の独自試験は50点(比率約33%)です。これに大学入学共通テスト60点、国語または数学の独自試験40点が加わります。
Q. 英語の試験時間はどれくらいですか?
2025年度入試改革で90分から60分に短縮されました。大問構成や総語数はほぼ変わらないため、時間配分の厳しさが増しています。
Q. 「NO WORD」「No error」とはどんな選択肢ですか?
大問IIの空所補充では空所に何も入れない「NO WORD」、大問IIIの正誤判定では誤りなしを選ぶ「No error」という、学部特有の選択肢が用意されています。思い込みで別の選択肢を選ばないよう注意が必要です。
Q. 合格ボーダーの目安はどれくらいですか?
配点構造から逆算すると総点150点のうち7割弱が一つの目安になります。ただし年度・学科によって変動するため、最新の入試結果は入学センターの公式発表で確認してください。