高橋 塾長、日本大学芸術学部、略して日藝(にちげい)って呼ばれる学部を志望してる子の相談を受けたんですけど、入試の英語の配点ってどれくらいなんですか?日本大学って学部によって方式がたくさんあるイメージなんですが。
松田塾長 いいところに気づきましたね。実は芸術学部は、他の日本大学の学部とはかなり違う作りになっているんですよ。結論から言うと、芸術学部の一般選抜はN全学統一方式(N方式)だけ です。法学部にあるようなA個別方式やAN共通日程方式、C共通テスト利用方式は芸術学部では実施されていません。
高橋 えっ、方式が1つだけなんですか!てっきり他の学部みたいに5つも6つもあるのかと思ってました。
松田塾長 方式自体はシンプルなんですが、その中身が学科によって全然違うんです。N方式には「学力検査型」と「専門試験併用型」の2つのトラックがあって、しかも学科ごとに教科数も配点も変わります。結果として、英語の配点比率は学科・トラックによって20%〜50%まで開きがある んですよ。同じ日本大学芸術学部でも、英語がめちゃくちゃ効く学科と、実技が主役で英語は脇役になる学科があるということです。
高橋 同じ学部なのにそんなに違うんですね…!じゃあ「芸術学部は実技が全部」みたいなイメージで英語を後回しにするのは危ないってことですか?
松田塾長 まさにそこが今日お伝えしたいポイントです。順番に数字で見ていきましょう。
日本大学を目指す君へ。 その問題、5秒で解く方法を知っていますか?
今までの解き方とは違う「5秒解答法」。まずは実際の解き方を動画で確かめてください。
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VIDEO
日本大学芸術学部の入試は「N方式」だけ|まず全体像をつかもう
松田塾長 まずは全体像からいきます。芸術学部は写真学科・映画学科・美術学科・音楽学科・文芸学科・演劇学科・放送学科・デザイン学科の8学科で構成されていて、2027年度(令和9年度)の一般選抜はすべてN全学統一方式 で行われます。第1期が2027年2月1日、第2期が2027年3月4日です。
高橋 第1期と第2期で何か違いはあるんですか?
松田塾長 あります。第1期だけ「学力検査型」と「専門試験併用型」の2トラックが選べて、第2期は学力検査型のみです。学力検査型は実技試験なしで全国の会場で受験できる方式、専門試験併用型は学力検査(国語・外国語)に加えて学科ごとの実技や小論文、面接などの専門試験が課される方式です。
区分
実施時期(2027年度)
学力検査型
専門試験併用型
N全学統一方式 第1期
2月1日(学力検査)〜2月8日(専門試験)
実施あり
実施あり
N全学統一方式 第2期
3月4日
実施あり
実施なし
高橋 じゃあ、法学部にあったA個別方式とかAN共通日程方式とか、C共通テスト利用方式は芸術学部では本当に一切ないってことですね?
松田塾長 そうです。日本大学全体で見ると、A個別方式は文理学部・国際関係学部・理工学部など10学部程度で実施されていますが、芸術学部は対象に入っていません。AN共通日程方式も法学部・経済学部・商学部・国際関係学部・危機管理学部・スポーツ科学部が対象で、こちらも芸術学部は含まれていません。日本大学法学部の記事では5つの方式を比較しましたが、芸術学部を目指すなら「方式を選ぶ」という発想自体が不要で、その分学科選びとトラック選び(学力検査型か専門試験併用型か)に集中できる のが特徴です。
高橋 なるほど、方式で迷わなくていいのは逆にシンプルでありがたいかもしれないですね(笑)。じゃあ、その学力検査型の配点を詳しく教えてください。
英語配点は学科で20%〜50%|学力検査型の配点構成
松田塾長 学力検査型は、受験する教科数によって2パターンに分かれます。写真学科・美術学科・音楽学科は国語100点+外国語(英語)100点の2教科200点満点 。映画学科・文芸学科・演劇学科・放送学科・デザイン学科は、そこに地歴公民数学理科から1科目を加えた3教科300点満点 です。英語の試験時間はどちらも60分・100点で共通です。
高橋 ということは、2教科の学科は英語が100点÷200点で50%、3教科の学科は100点÷300点で約33.3%ってことですか?
松田塾長 その通りです。計算が早いですね!写真・美術・音楽を学力検査型で受ける人にとっては、英語1科目が合否の半分を左右する くらいの重みなんですよ。
学科
受験教科数
満点
英語配点
英語比率
写真・美術・音楽
2教科(国語+外国語)
200点
100点
約50.0%
映画・文芸・演劇・放送・デザイン
3教科(国語+外国語+選択1科目)
300点
100点
約33.3%
高橋 50%って、他の大学の入試と比べてもかなり高い方ですよね!
松田塾長 かなり高いです。一般的な私立大学の3教科入試だと英語比率は33%〜40%くらいが相場なので、写真・美術・音楽学科の学力検査型は英語の比重がトップクラスに重い部類に入ります。「美術系だから英語は関係ない」というイメージを持っている受験生ほど危ない 、というのが正直なところです。
高橋 それはちょっと怖い話ですね…。じゃあ専門試験併用型の方はどうなんですか?実技がある分、英語の比重は軽くなるんですか?
専門試験併用型は学科でさらに差が開く|総合点300〜500点
松田塾長 専門試験併用型は、学力検査(外国語100点+国語100点=200点、これは全学科共通)に、学科・コースごとの専門試験(実技・小論文・面接など100点〜300点)を足した総合点で判定します。総合点は学科によって300点から500点までバラバラです。
高橋 専門試験の配点が学科で違うから、結果的に英語の比率も変わってくるってことですね。
松田塾長 その通りです。例えば文芸学科は専門試験が面接のみで100点、総合300点なので英語比率は約33.3%。一方で美術学科や音楽学科、デザイン学科は専門試験が300点もあるので総合500点になり、英語比率は約20.0%まで下がります。写真学科や演劇学科・放送学科は専門試験200点、総合400点で英語比率は25.0%です。
学科
専門試験の内容(例)
専門試験配点
総合点
英語比率
文芸学科
面接(自己アピール記入含む)
100点
300点
約33.3%
写真学科
面接
200点
400点
約25.0%
演劇学科(舞台構想コース)
作文+面接
200点
400点
約25.0%
放送学科
作文+面接
200点
400点
約25.0%
映画学科(監督コースほか)
小論文+面接
150点
350点
約28.6%
美術学科(絵画・彫刻コース)
実技(デッサン等)+レポート+面接
300点
500点
約20.0%
音楽学科
実技または口頭試問+面接
300点
500点
約20.0%
デザイン学科
実技(デッサン等)+面接
300点
500点
約20.0%
高橋 専門試験の配点だけ見ると実技が強い学科ほど英語は軽視できそうに見えますけど、そんな単純な話でもないんですよね?
松田塾長 はい、ここがとても大事なところです。実は専門試験併用型だけに出願することはできないという決まりがあるんですよ。募集要項には「専門試験併用型に出願するためには、学力検査型を1学科以上出願し、外国語(英語)及び国語を受験する必要がある」 とはっきり書かれています。つまり専門試験併用型を受ける人も、必ず英語の試験そのものからは逃げられない仕組みになっているんです。
高橋 えっ、専門試験併用型だけ受けるっていう選択肢自体がないんですね!実技に自信があるから英語は最低限でいい、っていう逃げ方はできないと。
松田塾長 そうなんです。募集要項にも「国語と英語の2科目に自信がある人は学力検査型向き、小論文や面接、実技に自信がある人は専門試験併用型向き」という案内がありますが、専門試験併用型を選んだとしても学力検査(英語+国語)からは逃げられません。だからこそ、どの学科・どのトラックを選んでも英語で一定の得点を確保しておくことが前提条件 になるわけです。
高橋 じゃあ次は、その英語の試験が実際どんな問題構成になってるのか知りたいです。
N全学統一方式 英語の出題構成|60分100点・大問8題
松田塾長 N全学統一方式は日本大学の16学部86学科・短期大学部3学科、合計89学科が同一試験日・同一問題で実施する統一入試です。つまり芸術学部の英語も、法学部や経済学部などと全く同じ問題 を解くことになります。試験時間は60分・100点満点、全問マークシート方式です。
高橋 同じ問題なんですか!じゃあ、他学部志望の受験生のデータも参考にできるってことですね。
松田塾長 その通りです。予備校系の出題分析によると、N全学統一方式第1期の英語は大問8題・総設問数45問という構成になっています。大問I文法・語法(6問)、大問II語彙(6問)、大問III熟語(6問)、大問IV空所補充(5問)、大問V長文内容一致・英問英答(5問)、大問VI会話文・案内文(5問)、大問VII整序作文(6問)、大問VIII長文中の整序作文(6問)です。
高橋 文法・語彙・熟語だけで45問中18問もあるんですね。長文は2題だけなんですか?
松田塾長 はい、長文読解にあたるのは大問Vと大問VIIIくらいで、残りの大問はほとんどが文法・語彙・熟語・整序作文という知識と処理スピードを問うタイプの出題 です。難問奇問を解く試験というより、基礎知識をどれだけ速く正確に使えるかを問う試験だと考えておくとよいですよ。
高橋 なるほど、じゃあ単語帳を眺めるだけじゃなくて、文法と熟語もちゃんと仕上げておかないと厳しいってことですね。
頻出の文法・語彙テーマとつまずきポイント
松田塾長 大問I(文法・語法)と大問IV(空所補充)でよく狙われるのは、時制の一致、仮定法、関係詞、比較、分詞構文あたりです。たとえば「If I ( ) more time, I could have finished the report.」のような仮定法過去完了の文で、単純に”had”を選んでしまい、実は”had had”が正解というパターンに引っかかる受験生が多いんです。
高橋 あ、それ分かります!「had」って見た瞬間に過去形だと思っちゃいます。
松田塾長 そうなんですよ(笑)。これは典型的なつまずきパターンで、仮定法過去完了の形を「暗記」はしていても「とっさに使う」練習が足りていないケースです。大問III(熟語)は、句動詞(phrasal verb)の意味を正確に覚えているかがそのまま得点に直結します。たとえば”put off”(延期する)と”put up with”(我慢する)のように、似た形の句動詞を混同しやすいので要注意です。
高橋 大問VIIとVIIIの整序作文はどうですか?文法は分かっても、並べ替えって苦手な人多い気がします。
松田塾長 整序作文でつまずく一番の原因は、文全体の構造(SVOC)を先に決めずに、知っている単語の並びだけで組み立てようとしてしまう ことです。まず動詞を探して文型を決め、そこに修飾語を当てはめていく順番で解く癖をつけると、ミスがぐっと減ります。長文中の整序作文(大問VIII)は、前後の文脈とのつながりもヒントになるので、文法知識だけでなく文脈読解力も問われる、意外と総合力が必要な大問です。
大問別の解き方|なぜその答えになるのか
高橋 具体的に、大問Vの長文内容一致ってどう解けばいいんですか?時間が足りなくなりがちで…。
松田塾長 大問Vは英問英答形式の内容一致なので、まず設問文を先に読んで「何を聞かれているか」を把握してから本文を読むのがコツです。設問に出てくる固有名詞や数字をチェックしておくと、本文中の該当箇所を見つけるスピードが上がります。選択肢を先に全部読んでから本文に戻るより、段落ごとに「この段落は設問の何に対応するか」を確認しながら読み進める 方が、60分という短い試験時間では効率的です。
高橋 大問VI(会話文・案内文)はどうですか?なんとなく雰囲気で解いちゃってるんですけど。
松田塾長 会話文は口語表現の知識がそのまま得点になります。”I couldn’t agree more.”(大賛成です)のような、直訳すると意味がつかみにくい口語表現は、フレーズごと覚えておく必要があります。案内文は、日付・料金・場所といった具体的な情報を正確に拾う問題が中心なので、感覚ではなく本文中の該当箇所に線を引きながら照合する 解き方が安全です。
高橋 整序作文(大問VII)の解き方も、もう少し詳しく知りたいです。
松田塾長 たとえば「彼は忙しすぎてパーティーに来られなかった」を英作文にする場合、まず日本語から動詞(was)を特定し、”too ~ to …”の構文だと判断してから単語を当てはめます。”He was too busy to come to the party.”という形です。先に構文の型を決めてから単語を埋めていくと、並べ替えている途中で迷子にならずに済みます。これは大問VIIIの長文中整序作文でも同じ考え方が使えますよ。
合格者最低点から見るボーダーシミュレーター
松田塾長 ここからは、実際にどれくらい得点できれば合格ラインに乗るのかを見ていきましょう。日本大学芸術学部は毎年、学科・コースごとの合格者最低点を募集要項で公表しています。推測ではなく実際の合格実績データ なので、目標点を決めるときの一番の判断材料になります。
steps
自分の志望学科・トラックの満点を確認する : 学力検査型なら200点か300点、専門試験併用型なら300点〜500点と学科によって違います。
直近の合格者最低点(得点率)を確認する : 下の表の得点率を目安にします。年度によって変動するので、2年分の推移も見ておきます。
英語で何割取ればいいか逆算する : 総合点の得点率がそのまま英語に必要な得点率とは限りませんが、まずは「総合点で合格者最低点+αを取る」ために英語で何点必要かを考えます。
高橋 具体的な数字を見てみたいです!
松田塾長 学力検査型の2026年度(直近)の合格者最低点はこのようになっています。
学科・コース
満点
2026年度合格者最低点
得点率
2025年度合格者最低点
写真学科
200点
120点
60.0%
141点
美術学科(絵画専攻)
200点
141点
70.5%
―
音楽学科(情報音楽コース)
200点
145点
72.5%
178点
映画学科(映像表現・理論コース)
300点
221点
73.7%
222点
文芸学科
300点
212点
70.7%
224点
放送学科
300点
220点
73.3%
193点
デザイン学科
300点
224点
74.7%
252点
高橋 学力検査型は得点率6割〜7割半ばくらいなんですね。専門試験併用型はどうですか?
松田塾長 専門試験併用型は実技や面接の得点も加わる分、総合の得点率はやや下がる傾向があります。
学科・コース
満点
2026年度合格者最低点
得点率
2025年度合格者最低点
写真学科
400点
231点
57.8%
218点
映画学科(監督コース)
350点
240点
68.6%
240点
美術学科(絵画専攻)
500点
341点
68.2%
―
音楽学科(情報音楽コース)
500点
321点
64.2%
340点
文芸学科
300点
180点
60.0%
148点
演劇学科(舞台構想コース)
400点
206点
51.5%
244点
放送学科
400点
179点
44.8%
196点
デザイン学科
500点
307点
61.4%
340点
高橋 放送学科の専門試験併用型、得点率44.8%ってかなり低くないですか!
松田塾長 そうなんです。これは実技・面接の配点(200点)の比重が大きく、学力検査(英語+国語)と専門試験のバランスによって合格者最低点の得点率が下がりやすい学科・年度があるということを示しています。ただしこれは総合点の得点率であって、英語だけの得点率ではない 点に注意してください。英語で大きく失点しても専門試験でカバーできる学科もあれば、学力検査型のように英語の失点がそのまま響く学科もあります。自分の学科・トラックの配点構造を理解した上で、目標点を決めることが大切です。
外部検定利用で英語を”免除”する選択肢
外部の英語資格・検定試験による得点換算
N全学統一方式では、外部の英語資格・検定試験のスコアを外国語の得点として利用できます。
– 実用英語技能検定CSEスコア(CSE2.0): 2,304以上→90点、2,142以上→80点、1,980以上→70点
– TEAP(R/L+W/S): 309以上→90点、267以上→80点、225以上→70点
– GTEC: 1,180以上→90点、1,055以上→80点、930以上→70点
– IELTS: 5.5以上→90点、5.0以上→80点、4.5以上→70点
– TOEFL iBT: 72以上→90点、57以上→80点、42以上→70点(2026年1月20日以前実施分の基準)
松田塾長 スコアを提出すれば、N方式の外国語試験を受験しなくても出願できます。ただし試験を受けた場合は高得点の方が合否判定に使われる ので、スコアを持っているから絶対に受けない方がいい、というわけでもありません。
高橋 英検2級でも使えるんですか?
松田塾長 ここは注意が必要なところです。
外部検定利用の注意点
– 実用英語技能検定は2級以上を受験し、4技能すべてのスコアを取得していること が条件です(合格・不合格は問われません)。準2級以下のスコアは換算対象外です。
– いずれも4技能合計のスコアが対象で、異なる回の各技能を組み合わせることはできません。複数回受験しても各技能の最高点を合算することもできません。
– TOEFL ITP(団体受験用)のスコアは利用できません。TOEFL iBTのみが対象です。
– 各資格・検定試験のスコアは2025年1月以降に受験したもの に限り有効です。古いスコアは使えません。
高橋 意外と細かい条件があるんですね…。英検を持ってるから安心、じゃなくて、条件を満たしてるか確認しないといけないんですね。
松田塾長 その通りです。特に「4技能すべてのスコアが必要」という条件を見落として、リーディングとライティングのスコアしか持っていなかった、というケースは実際によくあります。出願前に必ず最新の募集要項で自分のスコアが条件を満たしているか確認してくださいね。
高橋 じゃあ、ここまで分かった配点と出題形式を踏まえて、実際にどう対策を進めればいいんでしょうか?
対策・攻略法|学力検査型か専門試験併用型かで優先順位を変える
英語対策の優先順位
1. 大問I〜IVの知識系(文法・語彙・熟語・空所補充)を先に固める : 45問中23問を占める最大の得点源です。ここが安定すると総合点の土台ができます。
2. 整序作文(大問VII・VIII)は「構文の型」から解く練習をする : 単語の意味は分かっていても、文型を決めずに並べ替えようとすると時間切れになりやすい大問です。
3. 長文(大問V)は設問先読みで時間を節約する : 60分という短い試験時間の中で、最後まで解き切るための時間配分の練習を過去問で重ねます。
松田塾長 学力検査型で2教科(写真・美術・音楽)を受ける人は、英語の比率が50%と非常に高いので、英語を苦手なまま放置するリスクが一番大きい 選択です。逆に言えば、英語を得意科目にできれば大きなアドバンテージになります。専門試験併用型を受ける人も、必ず学力検査(英語+国語)を受けることになるので、「実技が得意だから英語は後回し」という考え方は危険です。
高橋 マジですか。実技の練習に時間を使いすぎて英語がおろそかになる人、結構いそうですね。
松田塾長 実際によくあるパターンです。特にデッサンや実技の課題は練習時間がどうしても長くなるので、英語の学習時間が削られがちなんですよ。だからこそ、文法・語彙・熟語のような短時間で効率よく積み上げられる分野 から優先して仕上げておくのがおすすめです。実技の練習時間を確保しながらでも、知識系の大問はスキマ時間の反復で得点を伸ばせます。
よくある失敗・注意点
芸術学部受験でよくある失敗
– 実技対策に時間を使いすぎて英語の基礎固めが後回しになる : 専門試験併用型でも学力検査(英語+国語)は必須科目です。
– 「2教科だから300点より楽」と誤解する : 2教科(写真・美術・音楽)は満点が低い分、英語1科目の失点がそのまま比率として重くのしかかります。
– 外部検定のスコア条件を確認せずに安心してしまう : 英検は2級以上・4技能全てのスコアが必要で、準2級やスコア不足では換算対象外です。
– 専門試験併用型だけ出願しようとする : 募集要項上、学力検査型を1学科以上出願していないと専門試験併用型には出願できません。
高橋 「2教科だから楽」って誤解、めちゃくちゃしそうです…。むしろ2教科の方が1科目あたりの重みが増すんですね。
松田塾長 そうなんですよ(笑)。科目数が少ない=負担が軽い、とは限らないというのが、芸術学部の配点構造を見るときの大事なポイントです。
自己診断セルフチェック
松田塾長 ここで一度、自分の状況をチェックしてみましょう。当てはまる項目が多いほど、優先して手を打つべきポイントがはっきりします。
自己診断セルフチェック
– 文法問題(時制・仮定法・関係詞など)を見た瞬間に、正しい形がぱっと浮かばない
– 熟語(句動詞)を、似た形のものと混同してしまうことがある
– 整序作文で、単語を並べ始めてから文型が違うことに気づいてやり直すことが多い
– 長文を読むのに時間がかかり、大問VやVIIIで時間切れになったことがある
– 実技や小論文の対策に時間を取られて、英語の勉強時間が週に数時間しか取れていない
– 外部検定のスコアを持っているが、換算基準を満たしているか正確には確認していない
高橋 うわ、3個も当てはまりました!これって、原因は人によって違うんですよね?
松田塾長 その通りです。同じ「整序作文が苦手」という症状でも、単語の意味自体を知らないのか、文型の作り方が身についていないのか、時間配分の問題で焦って崩れているのかによって、やるべき対策は全く変わります。ここを自己判断だけで進めてしまうと、本来やるべき優先順位とズレたまま貴重な時間を使ってしまうことになりかねません。
日本大学芸術学部 入試情報まとめ
項目
内容
大学名
日本大学
学部
芸術学部(写真・映画・美術・音楽・文芸・演劇・放送・デザインの8学科)
一般選抜の方式
N全学統一方式のみ(第1期:学力検査型+専門試験併用型、第2期:学力検査型)
学力検査型の満点
200点(写真・美術・音楽)または300点(映画・文芸・演劇・放送・デザイン)
専門試験併用型の満点
300点〜500点(学科・コースにより異なる)
英語配点
60分・100点(全トラック共通)
英語比率
約20.0%〜約50.0%(学科・トラックにより異なる)
出題形式
全問マークシート、大問8題・45問
2027年度試験日
第1期 2月1日(学力検査)〜2月8日(一部専門試験)、第2期 3月4日
公式サイト
日本大学芸術学部 入試情報
高橋 最後に、似たような学部を目指す人のために、他の大学とも比較してみたいです。
他学部・他大学と比較してみる
松田塾長 まず同じ日本大学の中でも、
日本大学法学部 は英語配点33.3%でA個別方式・AN共通日程方式・C共通テスト利用方式まである5方式構成でしたね。それに対して芸術学部はN方式一本ですが、学科・トラックによって英語比率が20%〜50%と、法学部以上に幅があるのが特徴です。
高橋 デザイン学科を考えてる子もいるんですけど、他大学のデザイン系学部とはどう違うんですか?
松田塾長 デザイン系で比較するなら
法政大学デザイン工学部 が参考になります。法政大学デザイン工学部は方式によって英語比率が23.5%〜50%と幅があり、理系要素も含む設計寄りのデザイン学部です。一方、日本大学芸術学部デザイン学科は実技(デッサン・デザインプレゼンテーション)と面接が中心で、より美術・表現寄りのデザイン教育という違いがあります。
高橋 文芸学科や放送学科みたいな、表現や文化を学べる学部も他にありますか?
松田塾長 青山学院大学総合文化政策学部 は、文化・メディア・アートマネジメントなど複数の切り口から表現や文化を学べる学部で、文芸学科や放送学科を検討している受験生の併願先として名前が挙がることがあります。どちらも「表現を学ぶ」学部ですが、芸術学部は学科ごとに専門的な実技・創作が中心、総合文化政策学部は文化を分析・企画する視点が中心という違いがあるので、自分がやりたいことに近い方を選ぶとよいでしょう。
よくある質問
高橋 最後に、よく聞かれそうな質問をまとめて聞いてもいいですか?
松田塾長 もちろんです。いくつかまとめて答えますね。
高橋 日本大学芸術学部には、A個別方式みたいな英語以外の筆記試験で受けられる方式はないんですか?
松田塾長 ありません。芸術学部の一般選抜はN全学統一方式のみで、学力検査型も専門試験併用型も必ず英語(外国語)と国語を含む学力検査を受ける必要があります。「英語を避けて受けられる方式」は用意されていないので、英語の対策は避けて通れないと考えておいてください。
高橋 外部の英語検定を持っていれば、英語の勉強はしなくていいんですか?
松田塾長 換算基準を満たすスコアがあれば、N方式の外国語試験を受けなくても出願できます。ただし実用英語技能検定なら2級以上かつ4技能全てのスコアが必要で、2025年1月以降に受験したものに限られるなど条件が細かいです。また試験を受けた場合は高得点の方が合否判定に使われるので、スコアがボーダーぎりぎりの場合は、保険として英語の対策を続けておく受験生も多いですよ。
高橋 専門試験併用型だけ受験して、学力検査型は受けないということはできますか?
松田塾長 できません。募集要項に明記されている通り、専門試験併用型に出願するには芸術学部の学力検査型を1学科以上出願し、外国語(英語)及び国語を受験することが必須要件です。専門試験併用型のみの出願は認められていないので、実技に自信があっても英語からは逃げられない仕組みになっています。
高橋 2教科(写真・美術・音楽)と3教科(映画・文芸・演劇・放送・デザイン)、英語対策の優先度は変わりますか?
松田塾長 変わります。2教科は満点が200点と少ない分、英語の比率が50%まで上がるので、英語の失点がより重く響きます。3教科は選択科目でカバーできる余地がある分、比率は33.3%まで下がりますが、それでも3科目の中では国語と並ぶ最重要科目であることに変わりはありません。どちらのパターンでも、英語を「後回しにできる科目」と考えるのは避けた方がよいでしょう。
松田塾長 ここまで、日本大学芸術学部の英語の配点、出題構成、そしてつまずきやすいポイントをお伝えしてきました。芸術学部はN方式だけとはいえ、学科・トラックによって英語比率は20%〜50%まで変わり、しかもどのトラックを選んでも英語からは逃げられません。実技が主役に見える学部だからこそ、英語の配点構造を正しく理解しているかどうかで差がつきやすいんです。
高橋 配点と出題形式は分かったんですけど、結局自分がこの試験で何点取れそうかっていうのは、まだ自分では判断がつかないです。
松田塾長 そこが一番大事なところです。同じ「整序作文が苦手」「長文で時間が足りない」という受験生でも、単語量が足りていないのか、文法を長文や整序作文で使えていないのか、時間配分で失点しているのかによって、やるべき対策の順番は全く変わります。ここを間違えたまま実技の練習と並行して勉強時間だけを増やしてしまうと、本番が近づいた頃に「英語の基礎からやり直さないといけない」と気づく、という一番避けたいパターンに陥りやすいんです。
高橋 それは本当に怖いですね…。
松田塾長 だからこそ、今の自分がどこでつまずいているのかを早めに把握しておくことが、遠回りを避ける一番の近道になります。現状が分かれば、志望学科との差、優先して埋めるべき弱点、そしてどの順番で何をやるべきかが見えてきて、実技の練習と両立させながら迷わず積み上げていけるようになります。英語進学塾リオンでは、今の英語力と志望する日本大学芸術学部の配点を照らし合わせながら、何を・どの順番で・いつまでに改善すべきかを一緒に整理しています。まずは話を聞いてから判断していただいて構わないので、気になる方は一度確認してみてください。
参考リンク
Q. 日本大学芸術学部には、A個別方式みたいな英語以外の筆記試験で受けられる方式はないんですか?
ありません。芸術学部の一般選抜はN全学統一方式のみで、学力検査型も専門試験併用型も必ず英語(外国語)と国語を含む学力検査を受ける必要があります。「英語を避けて受けられる方式」は用意されていないので、英語の対策は避けて通れないと考えておいてください。
Q. 外部の英語検定を持っていれば、英語の勉強はしなくていいんですか?
換算基準を満たすスコアがあれば、N方式の外国語試験を受けなくても出願できます。ただし実用英語技能検定なら2級以上かつ4技能全てのスコアが必要で、2025年1月以降に受験したものに限られるなど条件が細かいです。また試験を受けた場合は高得点の方が合否判定に使われるので、スコアがボーダーぎりぎりの場合は、保険として英語の対策を続けておく受験生も多いですよ。
Q. 専門試験併用型だけ受験して、学力検査型は受けないということはできますか?
できません。募集要項に明記されている通り、専門試験併用型に出願するには芸術学部の学力検査型を1学科以上出願し、外国語(英語)及び国語を受験することが必須要件です。専門試験併用型のみの出願は認められていないので、実技に自信があっても英語からは逃げられない仕組みになっています。
Q. 2教科(写真・美術・音楽)と3教科(映画・文芸・演劇・放送・デザイン)、英語対策の優先度は変わりますか?
変わります。2教科は満点が200点と少ない分、英語の比率が50%まで上がるので、英語の失点がより重く響きます。3教科は選択科目でカバーできる余地がある分、比率は33.3%まで下がりますが、それでも3科目の中では国語と並ぶ最重要科目であることに変わりはありません。どちらのパターンでも、英語を「後回しにできる科目」と考えるのは避けた方がよいでしょう。