高橋先生、僕、今高2なんですけど、周りでも「英語、そろそろ本格的に始めないとヤバいよね」みたいな話がちらほら出てて。でも高3になってからでいいのか、夏休みに何をすればいいのか、正直よく分かってないんです。
松田塾長いいところに気づきましたね。結論から言うと、高2・高3・夏休みでは、やるべきことの優先順位がはっきり違います。同じ「英語を頑張る」でも、高2でやるべきことを高3の夏にやっていたら、それはもう手遅れに近い。逆に高2のうちから高3のことを焦ってやっても、土台が無いので空回りします。

高橋え、そんなにはっきり分かれるんですか?
松田塾長はい。ざっくり言うと、高2は「単語・文法の土台を作る時期」、高3の春から夏までは「その土台を長文に使える形に仕上げる時期」、そして夏休みは「1年間で一番まとまった時間が取れる、弱点をつぶす集中期間」です。この3つを混同すると、時間はかけているのに点数が伸びない、という一番もったいない状態になります。

高2の英語学習で最優先すべきこと
高橋じゃあ、まず高2は何をすればいいんですか?部活もあるし、あんまり時間は取れないんですけど。
松田塾長高2で最優先なのは、単語と文法という「道具」を揃えることです。長文が読めないと感じている高3生のほとんどは、実は読解力そのものより先に、単語か文法のどちらかが不足しています。だから高2のうちに、この2つを無理のないペースで固めておくと、高3でのスタートダッシュがまったく違います。

高橋単語帳って、どれを使えばいいのか迷うんですよね……。
松田塾長定番どころで言うと、システム英単語(駿台文庫)や英単語ターゲット1900(旺文社)あたりが、高2から高3まで長く使える単語帳です。どちらも共通テストから難関私大レベルまでカバーしているので、1冊を最後までやり切ることが大事です。何冊も手を出すより、1冊を100語区切りで繰り返すほうが定着します。

高橋文法はどうですか?僕、正直中学レベルから怪しいかもしれません……。
松田塾長それなら大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】(大岩秀樹著、東進ブックス)のような、中学内容からやり直せる講義系の参考書から入るのがおすすめです。逆に文法の基礎に不安がない人は、いきなりNext Stage 英文法・語法問題(桐原書店)や英文法・語法 Vintage(いいずな書店)のような問題演習系に入って構いません。ここは今の自分のレベルによって入り口を変えるべきところです。

高2のうちにやるべきこと
単語帳1冊を最後まで繰り返す(システム英単語 or ターゲット1900など)。文法は基礎に不安があれば講義系(大岩など)から、無ければ問題演習系(Next Stage・Vintageなど)から。長文は無理に難しいものをやらず、教科書レベルの音読・精読を積む。
高3春〜夏前:文法から長文への橋渡し
高橋高3になったら、次は何をすればいいんですか?
松田塾長高3の春から夏前にかけては、高2で固めた文法の知識を「長文の中で使える形」に変換する時期です。文法問題集を1周終えたら、次にやるべきは英文解釈です。1文を正確に構造で読む練習ですね。

高橋英文解釈って、文法とは違うんですか?
松田塾長近い部分もありますが、目的が違います。文法問題集は「正しい形を選ぶ」練習、英文解釈は「長い1文の主語・動詞・修飾関係を正確に見抜いて日本語に落とす」練習です。ここが弱いと、単語も文法も分かっているのに長文になると急に意味が取れない、という状態になります。英文解釈の技術100(杉野隆・桑原信淑著、桐原書店)のような、構文パターンを100個の例文で学べる参考書が、この橋渡しの役割を果たしてくれます。

高橋なるほど、いきなり長文に行くんじゃなくて、間に1文単位の練習を挟むんですね。
松田塾長そうです。そのうえで、短めの長文から少しずつ距離を伸ばしていきます。このタイミングで使う長文問題集としてはやっておきたい英語長文300(杉山俊一ほか著、河合出版)のような300語程度のものから始めるのが自然です。

松田塾長ちなみに、ここまでの話はあくまで一般的な目安です。実際には、高3の春の時点で文法がどこまで固まっているかは人によってかなり差があります。単語は覚えているのに文法が抜けている人もいれば、逆に文法問題は解けるのに、いざ長文の中に出てくると同じ知識を使えない人もいます。英語進学塾リオンでは、今の学年だけでなく、実際にどこまで仕上がっているかを見たうえで、次に何をやるべきかを一緒に整理しています。気になった人は、一度自分の状況を確認してみるといいですよ。

夏休みという「まとまった時間」の使い方
高橋じゃあ、夏休みは結局何をすればいいんですか?よく「夏を制する者が受験を制す」とか言われますけど。
松田塾長夏休みは、1年間で唯一、部活や学校の授業に時間を取られずに英語だけに集中できるまとまった期間です。だからこそ、ここで何をするかで秋以降の伸び方が変わってきます。優先順位は大きく2つです。1つ目は、それまでにやってきた単語・文法・解釈のうち、あいまいなまま残っている部分をつぶすこと。2つ目は、長文の演習量を一気に増やすことです。

高橋両方やるのは、けっこう大変そうですね……。
松田塾長だからこそ、夏休みの前半と後半で役割を分けるといいです。前半は今までの総復習、後半はやっておきたい英語長文500(河合出版)のように、少し語数の長い問題集に移行して演習量を増やす、というイメージです。目安として、300語レベルがある程度読めるようになったら500語、それも安定してきたら700語へと、無理のない範囲で語数を伸ばしていきます。

steps
- 夏休み前半(7月中): それまでの単語・文法・解釈の総復習と弱点の洗い出し
- 夏休み中盤(8月上旬〜中旬): 弱点分野を集中的につぶす(単語の抜け・文法の頻出ミス・構文が取れない箇所など)
- 夏休み後半(8月下旬): 長文演習の語数と本数を増やし、時間を計って解く練習に移行
よくある失敗パターン
高橋逆に、やりがちな失敗ってどんなものがあるんですか?
松田塾長一番多いのは、参考書を完璧にしてから次に進もうとして、結局1冊目から動けなくなるパターンです。単語帳を100%覚えてから文法に進もう、文法を完璧にしてから長文に進もう、と思っていると、いつまで経っても次の段階に進めません。7〜8割の完成度で次に進んで、後から戻って復習する方が、結果的に全体の完成度が上がります。

高橋あと何かありますか?
松田塾長もう1つは、夏休みに長文ばかりやって、単語・文法の復習を後回しにしてしまうパターンです。長文をたくさん解くと「頑張っている感」は出やすいのですが、単語・文法の抜けがあるまま長文だけ積んでも、結局9月以降に同じところでつまずきます。逆に、高2のうちに単語・文法をやりすぎて長文に触れる時間がゼロ、というのも良くありません。バランスを取ることが大事です。

完璧主義と偏った演習に注意
1冊を100%仕上げてから次へ、という進め方は時間を失いやすい。7〜8割の完成度で次に進み、後で戻って復習する方が効率的。また、夏休みに長文だけ・単語文法だけ、と偏らせず、総復習と演習量アップの両方を行う。
自己診断:あなたは今どの段階ですか?
高橋自分が今どの段階にいるか、どうやって判断すればいいんでしょう?
松田塾長簡単なチェックをしてみましょう。単語帳を見て、知らない単語が半分以上あるなら、まずは単語が最優先です。文法問題を解いて、正答率が7割に届かないなら、長文より先に文法を固めるべきです。単語も文法もある程度できているのに、長文になると時間内に終わらない、または内容が頭に入ってこないなら、それは英文解釈か演習量の問題です。この3つのどこに当てはまるかで、次にやるべきことは大きく変わります。

高橋自分の場合、単語はまあまあ分かるんですけど、文法がちょっと怪しくて、長文はほぼ手つかずです……。
松田塾長それなら、今の時期でも優先順位は文法の立て直しからですね。長文に手が回っていないこと自体は焦らなくて大丈夫です。順番さえ間違えなければ、そこから十分に追いつけます。

学年別・時期別のやるべきことまとめ
| 時期 |
最優先事項 |
使う参考書の例 |
| 高2 |
単語・文法の土台作り |
システム英単語 / 英単語ターゲット1900、大岩のいちばんはじめの英文法、Next Stage・Vintage |
| 高3春〜夏前 |
文法から長文への橋渡し(英文解釈) |
英文解釈の技術100、やっておきたい英語長文300 |
| 夏休み前半 |
単語・文法・解釈の総復習 |
それまで使ってきた単語帳・文法問題集・解釈本の再演習 |
| 夏休み後半 |
長文の演習量アップ |
やっておきたい英語長文500 |
よくある質問
高橋最後にいくつか聞いていいですか。高2の冬から本格的に始めても間に合いますか?
松田塾長間に合わないとは言い切れませんが、高2のうちに単語・文法の土台があるかどうかで、高3でのペースがかなり変わってきます。早く始めるに越したことはありませんが、大事なのは開始時期そのものより、今の自分に必要な段階を正しく踏むことです。

高橋夏休みに1日どれくらい英語に時間を使えばいいですか?
松田塾長一概には言えませんが、他の科目とのバランスを見ながら、総復習と長文演習の両方に無理なく時間を配分することが大切です。時間の量より、その時間で「何を」やるかの優先順位のほうが結果を左右します。

高橋単語帳と文法問題集、両方同時に進めてもいいですか?
松田塾長構いません。むしろ、単語は毎日少しずつ、文法はまとまった時間で、というように並行して進める人が多いです。順番として大事なのは「単語・文法が一段落してから長文に本格着手する」という大きな流れの方です。

では、あなたの場合はどこから始めますか
松田塾長ここまで、高2・高3春・夏休みという時期ごとに、やるべきことの優先順位をお話ししてきました。ただ、実際に一番大事なのはここからです。「自分は今、どの段階にいるのか」は、学年だけでは決まりません。

高橋確かに、同じ高3でも、文法が終わっている人とそうでない人がいますもんね。
松田塾長そうなんです。同じ「英語が伸び悩んでいる」という状態でも、原因は単語が足りない人、文法が抜けている人、単語も文法もできているのに長文の解き方だけが分かっていない人と、人によってまったく違います。原因が違えば、当然やるべき対策も変わってきます。

高橋それを自分だけで正確に判断するのは、ちょっと難しそうです。
松田塾長そうですね。一番もったいないのは、勉強していないことより、優先順位を間違えたまま何カ月も過ぎてしまうことです。夏休みが終わったときに「あの2カ月、違うことをやっておけばよかった」と気づいても、時間は戻ってきません。だからこそ、今の自分の段階を早めにはっきりさせておくことが、結果的に一番の近道になります。

英語進学塾リオンでは、学年だけでなく、単語・文法・解釈・長文のどこが今の課題なのかを実際に確認したうえで、高2ならではの土台作り、高3ならではの橋渡し、夏休みならではの集中演習と、それぞれの時期に合った優先順位を一緒に整理しています。参加すると、今どこでつまずいているか、この夏休み(あるいは今の時期)に何を優先すべきか、その後どういう順番で進めればいいかが具体的に分かります。まずは今の状況を聞かせてもらうところからで大丈夫です。
参考リンク
この記事で紹介した参考書
– システム英単語(駿台文庫・霜康司/刀祢雅彦著): https://www.sundaibunko.jp/contents/book/5022
– 英単語ターゲット1900(旺文社): https://www.obunsha.co.jp/product/detail/034646
– 大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】(東進ブックス・大岩秀樹著): https://www.toshin.com/books_renewal/books/detail/1345
– Next Stage 英文法・語法問題(桐原書店・瓜生豊ほか著): https://www.kirihara.co.jp/product/detail/431180/
– 英文法・語法 Vintage(いいずな書店・篠田重晃/米山達郎著): https://www.iizuna-shoten.com/book/sub_english/vintage-4th/
– 英文解釈の技術100(桐原書店・杉野隆/桑原信淑著): https://www.kirihara.co.jp/products_list/contents_type=89
– やっておきたい英語長文300/500(河合出版・杉山俊一ほか著): https://www.gakusan.com/home/info.php?isbn=9784777227457
Q. 高2の冬から本格的に英語を始めても間に合いますか?
間に合わないとは言い切れませんが、高2のうちに単語・文法の土台があるかどうかで高3でのペースが変わります。大事なのは開始時期そのものより、今の自分に必要な段階を正しく踏むことです。
Q. 夏休みは1日どれくらい英語に時間を使えばいいですか?
他の科目とのバランスを見ながら、総復習と長文演習の両方に無理なく時間を配分することが大切です。時間の量より、その時間で何を優先するかが結果を左右します。
Q. 単語帳と文法問題集は同時に進めていいですか?
構いません。単語は毎日少しずつ、文法はまとまった時間で、というように並行して進める人が多いです。大事なのは単語・文法が一段落してから長文に本格着手するという大きな流れです。
Q. 高2のうちから長文問題集をやったほうがいいですか?
単語・文法の抜けが大きいうちに難しい長文だけを積んでも定着しにくいため、高2のうちは教科書レベルの音読・精読で十分です。本格的な長文演習は文法が一段落してからで問題ありません。